旅の途中

にいがた単身赴任時代に綴り始めた旅の備忘録。街道を歩いたり、酒肴をもとめてローカル線に乗ったり、時には単車に跨って。

Kyoto メトロに乗って 上賀茂神社と枝垂れ梅と玉乃光と 烏丸線を完乗!

2024-03-09 | 呑み鉄放浪記 地下鉄編

国際会館行きの10系電車と近鉄線から乗り入れる3200系電車がツーショットで竹田駅。
満開の知らせが届いて、城南宮の「しだれ梅と椿まつり」を訪ねた。

城南宮を訪ねる烏丸線の旅は国際会館駅から始まる。
八瀬の山々を背景にして、静かな朝の宝ヶ池と京都国際会館はまだ冬の装いだね。

始発の時点ではまだガラガラの竹田行き、席が温まるまもなく2つ目の北山に途中下車。
カフェやブティックが並ぶ北山通りは、なかなかモダンでおしゃれな街並みだ。

開店時間を狙った洋食カフェ「和蘭芹(パセリ)」に、幸運にも空席があった。
せっかくの京都だから、美味しいブランチを楽しみたい。っと地元の人気店を訪ねる。

“ベーコンとモッツァレラチーズのトマトソース オムライス” ってちょっと長い。
とろりとチーズがのびてトマトソースが美味しい。

賀茂別雷神社(上賀茂神社)は山城国一ノ宮、平安京以前から栄えている京都で最も古い神社らしい。
一礼をして二の鳥居をくぐると、細殿の前に二杯の立砂が美しい。立砂は神様が降り立つ際の目印だ。

結構な列に並んで朱塗りの楼門を抜けると、流造りの本殿と権殿が現れる。
厳かに二礼二拍手一礼、今宵も美味しいお酒が呑めますように。

北山駅に戻って烏丸線の旅を続ける。10系電車の先頭車両には伝統産業素材の展示をしている。
 呑み人が乗った編成には京扇子の展示が。紅葉に流水、寒牡丹と秋冬の繊細優美な飾扇子が美しい。

3つ進めて今出川で途中下車。御所の北側に境内を広げる相国寺は京都五山第二位に列せられる名刹。
この日、承天閣美術館では「若冲と応挙」が会期延長中で、とても幸運な訪問になった。

美しいレンガ造の建物「有終館」は1887年に竣工した国の重要文化財。
今出川のランドマークは同志社大学であることに異論はないでしょう。

烏丸線は北大路駅から先、文字通り烏丸通の下を真っ直ぐに南下していく。
御池、三条、四条と頭の上を繁華街が流れていくけれど、この界隈を訪ねるのは暗くなってから。

冬の澄んだ青空を突く京都タワー(131m)、町家の瓦葺きを波に見立て、街を照らす灯台のイメージだそうだ。
烏丸線は京都駅でごっそり乗客を入れ替えて、今しばらく南下を続ける。

京都から駅を3つ数えると、突然に右手から西陽に射られて、3200系は終点の竹田駅に滑り込む。
多分2本に1本はこのまま近鉄京都線に乗り入れてさらに南へと走るのだ。

方除けの大社 城南宮は、雅やかな平安時代の歌会「曲水の宴」を再現することで知られる。
今頃は「梅が枝神楽」の季節、梅の花を冠にさした巫女が梅の枝を手に神楽を舞う。

「しだれ梅と椿まつり」を迎えた春の山で、150本の薄紅や紅や白が枝垂れて春の訪れを告げる。
今回のボクは、枝垂れた梅より苔むした庭に注目、真紅の “落ち椿” や薄紅を散らした梅の花弁がキレイだ。

夜の帳が下りる頃に四条駅を降りて高辻東入ルると酒粕レストランがある。
箪笥製造卸を営んだ京町家をリノベーションした店は、伏見の玉乃光酒造が営む酒粕おでんと一品料理の店だ。

結論から言うと、どの料理も美味しいご機嫌な店だった。次の機会にも必ず訪ねたい。
一杯目は “CLASSIC” と名付けた生酛系の純米吟醸酒、酸味と旨味がいい。
“酒粕ポテトサラダ” と “トマトとツナの丸ごとサラダ” を並べてご機嫌なのだ。

金継ぎを施した洒落た片口にフレッシュな “なまざけ” を注いでもらう。
“プルーンと酒粕クリームチーズの生ハム巻き” に、ワインの様なフルーティーな味わいを合わせる。
一転して “鯛の酒粕なめろう”、これは次の一杯に合わせようか。これは旨い肴だ。

“鰤の酒粕味噌柚庵焼き” に “京都ポークの酒粕味噌柚庵焼き” と柚で攻める。これ酒粕に合うね。
“杜氏しか飲めない•••” と謳った雄町の純米吟醸酒は、賞味期限1週間の搾りたての無濾過生原酒。
つまり、ここに来ないと飲めないってことね。これは飲んでおかないと。

最後に “酒粕おでん” を盛り合わせてもらう。味噌と酒粕を合わせた出汁がとろりと美味しい。
この華やかなラベルは京都産の酒米「祝」で醸した純米吟醸、酸味と旨みがバランスした優しい酒だ。

そしてボクはこの “純米吟醸 祝” を土産に抱えて三条烏丸辺りのホテルへほろ酔いで戻る。
さすがは京都、烏丸線の旅は美味しい旅なのだ。

京都市交通局 烏丸線 国際会館〜竹田 13.7km 完乗

<40年前に街で流れたJ-POP>
くちびるヌード / 高見千佳 1984