思考の踏み込み

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虞美人草

2013-12-18 10:26:19 | 歴史
"力 山を抜き 気は世を蓋ふ ー "


項羽の辞世の詩ともいえる一説である。

古来、不思議な風格を持つものというのは無数に存在した。
人々に畏敬の念を抱かせ、人望を一手につかみ、ある種の宗教的な気分さえ与える者である。



すなわち、「英雄」 と呼ばれた者たちである。
ー 英雄、それは極めて男性的な存在であり、人間的魅力とともに強烈な怖れを抱かせることさえある。

これは人間が集団で生きる動物である以上、例えばサルの社会でみられる群れのシステムと構造上においてかわらないといえる。

その意味でも強力な統率力を持つ "英雄" という存在は古今東西、いくらでも現れてきたことは当然なことであろう。

だが、純粋な意味での "英雄" という概念 ー 先に述べたような構造の原型の様な者というと、項羽という男はまさしくそれではないだろうか?

地は母であり天は父だというが、項羽という男の印象は、父なる天が荒れ狂い人智ではどうしようもないと思わせる程の圧倒的な力 ー 荒れ狂っている時の天そのもののような印象が後世に伝わっている。



それはスケールの大きさにおいて、やはり我々島国の者にはない、大陸的な大きさと烈しさがあり、もはや人というより自然現象そのもののようであり、およそハンパな "英雄" たちではたちうちできるものではないだろう。

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