読書と追憶

主に読んだ本の備忘録です。

最近の新聞記事から

2007-12-25 23:55:13 | 新聞
去年、映画「ラストキング・オブ・スコットランド」を見て、何であんなことになるのかと唖然としたが、10月17日から始まった朝日新聞の連載「国を壊す ジンバブエの場合」を読んだらもっと唖然とした。これ、昔のことじゃなくてつい最近の状況だ。
 「アフリカの希望の星」と呼ばれた国があった。80年に白人支配から独立を果たした南部のジンバブエ。農産品は需要を満たし、輸出で外貨収入の3分の1を稼ぎ出した。識字率は90%を超え、労働力の質は高く、鉄道の独自運行も可能だった。それが今―。農地はやせ細り、飢えが広がる。インフレ率は7千%を超えた。苦しさに耐えかね、国民の4分の1が近隣国に脱出している。(編集委員・松本仁一)

 「アフリカの希望の星」と呼ばれた豊かな国から一転「破綻国家」に転落した理由はひとえにムガベ大統領の支離滅裂な政策の失敗による。98年、ザイール内戦に大軍を派遣したため、巨額の軍事費で財政が悪化した。国民の不満をかわすために大統領は白人農場の占拠をあおるなどして農業生産が激減。物価は高騰し、今年7月のインフレ率は7634%(!)だそうだ。

 00年2月、与党政治家が突然、「元ゲリラは白人農場を占拠せよ」と呼びかける。政府がそれをあおり、農場占拠は全国に広がった。政府への不満は白人攻撃にすり替わってしまった。
 「商業農場組合」によると。07年までに白人農場の土地はほとんど国有化された。4500人の農場主のうち、農場に残っているのは400人だけになった。
 元ゲリラに接収された農場の多くは生産が落ちた。大農場経営のノウハウがなく、必要な投資もしなかったためだ。
 国連の世界食糧計画(WFP)によると、00年に8億5千万ドルあった農産品輸出は、06年には3億7千万ドルに減った。07年はその半分にも届かないだろうと予測されている。(10月25日「国を壊す ジンバブエの場合」⑥)

インフレ率は2006年-1281%、2007年5月末時点4530%(!)であったが、2007年6月26日、価格半減令の出た後はさらにインフレが激化する。すべての商店から物が消え人々は食料の調達に一日の大半を費やさなくてはならなくなった。
12月20日の朝日新聞国際面記事より
 年率8千%の超インフレが起きている南部アフリカ・ジンバブエの中央銀行は20日、75万ジンバブエ(Z)ドル。50万Zドル、25万Zドル、25万Zドルの超高額紙幣を導入した。最高紙幣を10万Zドルから20万zドルに換えたばかりだった。現在の公定レートでは20万Zドルが約753円、闇レートでは約14円。クリスマス時期で市民は買い物のための現金を求めて銀行前に泊まり込んでいるという。(ナイロビ)

ウィキペディアの記事
2007年8月23日ジンバブエ政府が国内の外資系企業に対して株式の過半数を「ジンバブエの黒人」に譲渡するよう義務付ける法案を国会に提出、9月26日に通過した。これにより経済の崩壊が決定的になると見られる

ほんとか?そんなことしたら外国の企業はみんな撤退してしまうだろうが。
2ちゃんねるのスレでもとりあげられてる。
【ジンバブエ】白人系企業の株式の過半数を地元住民に付与する法案が下院で可決 (09/28)
やっぱり、特定の政治家や政党に強大な権力が集中するような国はだめだな。財政が悪化してインフレを招いた時点でムガベ大統領は責任を取って辞めなくてはならないはずなのだが、そうならなかったということは独裁政権化しているってことなのだろう。「83歳のムガベ大統領は来年の大統領選に出馬の意向だ」とある。じょーだんじゃない!

検索をしていたら、ジンバブエに留学をしていた人のブログがあった。
「さくらだあゆみの 今日もジンバブエで」
Q&A 「経済」から
ほとんどの住民が公的に雇用されず、GNPが下がりっぱなし、ハイパーインフレ、商品不足。こんな経済の中でお金儲けなんてできるのー?できる!特にブラックマーケットで働く人たち、つまり外貨のブラックマーケット・トレーダーや、品不足の商品をブラックマーケットで高値で売る人たちや、最近国内で見つかったダイヤモンドを国内外でこっそり取引する人たちはしっかり儲けているようだ。さらに、政治家たちももうけている。政治家は、政府から直接安く販売される燃料(ガソリン、ディーゼル)へのアクセスがあり、これをブラックマーケットで100倍くらいの値段で売ってものすごい利益を出しているのだ


そーかー、経済が破綻したら、闇の担ぎ屋になればいいのか。
アフリカのことなんて人ごとだと思っていてはいけません。いろんな状況をシミュレーションしてどんな変化が起こってもサバイバルできるようになっておかなくてはならないと思う。

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