読書と追憶

主に読んだ本の備忘録です。

テロかどうか不明であるけど

2008-11-22 00:56:52 | 時事
 元厚生次官殺傷事件のニュースを聞いて、私がまっ先に思い浮かべたのは、例の自民党のホームページだった。
 
 以前よりもかなり派手派手しくなったが、制作パンフレットはそのままだ。「あきれた社会保険庁の実態」で、「はっきり見えてきました。わたしたちの『敵』の姿が」と言っている。社会保険庁を「敵」認定しているのだ。国民の「敵」なんだから成敗してしかるべきと考える奴が出てくるのも当然だ。先日の森達也氏の警告がとてもリアルに感じられた。「敵―味方」という単純な二分法によって意見が異なるものを攻撃し排除しようとする最近の世論に顕著な思考の傾向が行きつく先がテロであり、戦争であるということをもっと自民党は自覚するべきだ。なんだよ!「ここまで進んだ小泉改革宣言」なんて今ではギャグだよ。先日TVタックルを見ていたら屋山太郎氏が道路特定財源の問題に関して「麻生さんにはシステムが悪いという頭がない」と言っていた。10数年くらい前まではうまく回っていたシステムだけど今ではすっかり時代に合わなくなり、自己肥大化してしまって害を及ぼすようになったから変えなくてはいけない、だから・・・と言って「外部環境がこう変化した。それに対応するためにこのような基本方針でいく。そのためにこのような新しいシステムを構築するのだ」という説明を、政治家は国民にしなくちゃいけない。全然だめじゃないか。麻生さんも自民党も。

 「今ひどいことになっているのは、あいつらが悪いからだ」と名指しして、そいつらを排除すれば万事解決ってなわけないだろ。もしもそういう論法を許すならば、大義のないイラク戦争によって天文学的大赤字を作り(そしていずれはそのツケを世界中に配分するのだろう)ブッシュ政権、・・・サブプライムローンという毒入り団子を世界中にばらまいて経済を大恐慌に陥らせたブッシュ政権、そしてそれに追随してイラクに自衛隊を派遣し、アメリカ型自由主義経済路線を突っ走って大量の貧困層を生み出した小泉元首相なんかは国民の一番の敵じゃないか。小泉さんを(あるいは麻生さんを)殺せば問題解決できるのか?そんなことはないだろう。

 自民党のネガティブキャンペーンは結局、自分で自分の首を絞めることになるだろう。あんなパンフレットを作った人は次の選挙で落選するに違いない。国民の不平不満を扇動して非難の矛先を別なところに持っていこうとする姑息なやり方がいかに危険なことであるかよくわかった。そして、麻生さんを見ていると自民党が賞味期限切れだってこともよくわかる。日本が生き延びるための、その場凌ぎでないきちんとしたビジョンを持っている政治家はどこかにいるのだろうか。

 もし定額給付金が出たら、うちはほとんどはローンの繰り上げ返済に使う予定だけど、私の分は「寄付するからちょうだい」と言ってある。民主党に寄付するつもりだ。将来もっと生活が厳しくなることがわかっているのだからぱっと使ったりできない。貨幣価値を将来に繰り越すためには貯金か借金の返済しかないけれども、民主党を支持するのも将来への投資の一つの方法だと思う。将来の選択肢が広がる。
 今、続々と製造業で派遣従業員が解雇されている。たいへんな規模の失業者が出ることが予測される。浅く広くばらまいている場合じゃない。給付金で景気刺激なんて悠長なことを言っていては餓死、凍死してしまう人が出かねない。まず緊急に失業者対策をするべきだと思う。

 何が不安かって、政府が信頼できないっていうのが一番不安だ。いったい誰が、不況への対処策を知っているかわからないっていうのが不安だ。もしかして首相もブッシュ並みにアホなんじゃないかと思えるのが不安だ。(だいたい安倍元首相が麻生総理を支持してるってところからして傾向がわかるじゃないか)アメリカでオバマさんが党派を超えて協力し合って危機を乗り越えようなどと呼びかけているときに、この国では「ああしようか、こうしようか」と言を左右にしたり、同じ党内で意見の統一がまったくとれてなかったり、閣僚や官僚のレベルの低い失言が相次いだり、迷走という言葉が思い浮かぶような情けなさだ。

 もう、そういうの飽きたからチェンジしてくれ!

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