猫山の乳がん日記

2009年11月、2年半かかった乳房再建が完了。ホルモン治療は副作用のため1年間で中止し、無治療です。

「ハルカ・エイティ」

2007年11月07日 | 読む
「ハルカ・エイティ」(姫野カオルコ著)

子供の頃、読書感想文が苦手で、
親や文章の上手い子に代筆を頼んでいた私が
こうしてブログにちまちまと読書日記をつけているなんて
不思議な気がします。

ま、それはいいとして、
これは、80歳のハルカ(著者の叔母がモデル)の一生を描いた作品。

東京の小説家(著者)のところへ80歳の伯母ハルカが
大阪から訪ねてくる場面から始まる。

ハルカは大阪にボーイフレンド(63歳)がいたり
東京で35歳カメラマンの心を掴んだり、、と
かなり魅力的なエイティであることを匂わせつつ
物語は一気にハルカの生まれた1920年に遡り
長い長いハルカ物語が始まる。
(長いといっても読み出したら止まらなくなりあっという間に読んだ。)

読み終わっても、ハルカがどうして序章のような
イケてるエイティになったのかという答えらしきものが
得られるわけではないので
しばしぼんやりした気持ちになる。

私なりに考えてみると、
ハルカの人としての魅力は
女学生時代「人は、その人の丈に合うた人生を、
ほかの人と比べんと進んでいくと、
かかずらわってもせんかたない感情に
悩まされんですむんやないやろか。
うん、きっとそうや。」と思ったころに集約されているように思う。

だからといって「前向き」であることを
押し付けがましく全面に出すわけではなく、
淡々と目の前に起こることを受け入れ、
「身の丈に合った」人生を送っていく。
         
       
      
ハルカの浮気がバレたときの夫大介とのやりとりが秀逸だなと
思ったけど、あれも実話なんでしょうか。
だとしたら、大介さん、男前です!
そこまでは、事業の失敗や女遊びばかりでダメ男だったのに
一気に見る目が(読む目?)変わった。

私は日向子さんファンだったので
最後の最後に彼女に幸せなオチがついたのもよかったー。

        





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