区役所から、介護認定に必要な「主治医の意見書」を提出するようにとの通知が届いた。
えーっ、「主治医の意見書」って区役所から病院に依頼してくれるものなんじゃないのー?
調べたら、自治体によっては役所から直接病院に依頼するところもあるようだが、横浜市は違うらしい。
また病院に行かなきゃいけないなんて、面倒だなぁ・・・。
でも仕方ないので、早めに通知を持って病院へ行くことにした。
総合受付で区役所から届いた通知を見せると、「アンケートの記入をお願いします」と言われた。
えーっ、ただ通知を渡すだけでは済まないのー? アンケートって何よー。
と思いつつ、もう一つ、退院後に病院から渡し忘れたものを取りに来てくれと言われていた件もあるので、受付の人から病室の看護師に連絡をしてもらったところ、アンケート記入の前に先に病室へ行くように指示されたため、アンケート用紙をいったん受付の人に戻して、私は母が入院していた病室へと向かった。
入院中、母が毎日飲んでいた栄養ドリンクを病室から出てきた看護師さんから受け取り、私は受付を戻るため、階段を下りていたところ、ちょうど母の主治医とすれ違った。
主治医に「ドリンクを取りに来たの?」と聞かれて「はい」と答えたのだが、そのまま退院後の母の状態についての話になり、私は本来の目的である「主治医の意見書」のことを主治医に話すのをうっかり忘れてしまった。
ふつうは「意見書よろしくお願いします」と頭を下げるべきなのに、なぜ肝心なことを忘れてしまったのか・・・バカな私。
私は母が、めまいがすると言っていることを話すと、「もう貧血も治っているはずだから大丈夫なはずなんだけど」「何でも好きなものをよく食べるように」と仰っていた。
先生は大丈夫と言っても、母自身は大丈夫ではないと感じていることが多い気がする。
退院直後は、「退院しなければよかった・・・まだ退院が早すぎたのかな・・・」と何度も愚痴られ、私はすごく憂鬱になった。
入院しているときは、「もう病院にいても退屈だから、退院したい」と言っていたくせに。
結局、体がふらふらするから辛くて弱音を吐くのだろうが、病院ではずっと寝てばかりで体力が落ちているのだろうし、健康な人だって寝てばかりいたら立ち上がったときに頭がふらふらすることはあるのだから、それを貧血のせいだとか言わないでほしい。
元気になりたいのなら、少しは病院で教わった足のリハビリ運動でもして、逆に体を動かせっての。
それもやらないで、ため息ばかりついて「退院しなければよかった」とグチグチ言われても、家族は気がめいるだけ。
私も主治医の先生に愚痴りたかったんだよね。
だから肝心な意見書のことをお願いするのを忘れてしまったのだと思う。
私は受付に戻り、ロビーの椅子に座って、アンケートの回答に取り組んだ。
わかるところだけ記入すればよいと言われたが、うーん、なんと答えてよいのかわからない設問があるなぁ。
わからないところは後回しにして、先へ先へと記入していった。
入院中にどんな治療を受けていたかなんて、病院のほうがよくわかってる設問だよね。
なんで家族に答えさせるんだろうか。
困ってることを書けという設問には、着替えや風呂のことを書いておいた。
悩みながら書いたので、アンケートに回答しおわるまで時間がかかってしまった。
また1年後の介護認定見直し手続きのときに、病院に「主治医の意見書」を提出しに来て、アンケート書かなきゃいけないのかなぁ?
はぁ、1年後も面倒そう・・・。
書き方に悩んでいる最中に、病院へやって来た年配の御夫婦が派手に喧嘩を始めたのだが、いらいらしている奥さんが旦那さんを罵倒して、旦那さんはじっと黙っている様子が、うちの両親とよく似てるなあと思いながら、私はアンケートの手を止めて、喧嘩を眺めていた。
受付の人も喧嘩の仲裁には入れないから、受付の人も他の患者さんたちも御夫婦の喧嘩を見守るしかなかった。
私はアンケートを書き終わって受付に提出したあと、すぐに病院を出てしまったので、その御夫婦の喧嘩がどうなったのか結末はわからないが、無事に奥さんが診察を受けられますように。
喧嘩の原因は、婦人科の症状なのに、婦人科がない病院に来ちゃったってことだったから、ちょっと心配。