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ぶろぐ猫の目

笑う門には福来る・・

実験中

八号古墳に消えて 黒川博行

2024-04-18 06:56:15 | 読んだ本の紹介
八号古墳に消えて 黒川博行

いろいろあって疲れてるときには
黒川御大の本に限りますね
2004年の作品ですが、古さを感じさせない
リアルな展開がすごい

あらすじから
考古学の権威・浅川教授の遺体が大阪・八尾の遺跡発掘現場で見つかった。
体内に残された土の成分から、別の場所で殺された後に運ばれたことが判明。
考古学関係者の犯行が疑われ始める。
捜査に乗り出したのは大阪府警の名物刑事、「黒さん」こと黒木と「マメちゃん」こと亀田の“黒マメ”コンビ。
やがて、浅川の裏の顔が明らかになり始めた矢先、またしても発掘現場で不可解な死が。
手がかりは、失踪した研究者が残した写真。
そこには謎の古墳壁画が写されていた。
能天気だが、やるときはやる二人組が学界の闇に隠された真相に迫る

とまあこんな感じ
大阪を舞台に大阪弁で会話が弾む。読んでいて楽しいです
知った地名が出てくると土地勘もあるので、よけいに面白いですね

黒川御大の緻密な取材により考古学界の闇にせまります
特に古墳は、天皇の墓ということで
宮内庁の管轄。簡単に調査発掘のできるものではないそうで
いまだ発掘されていない古墳も多々あるとか

私が幼少期、高松塚古墳が発掘され
きれいな壁画が発見されたニュースはすごかったですね
その壁画が切手シートになった時は
生まれて初めて郵便局に並びましたわ

一発逆転の発見により地位を築いたり財を成したりするのが
名前を上げるのが考古学者たちの夢なんでしょう
なもんで、遺物を偽造する輩が出てきたりするわけですな

そんなどろどろとした考古学界の闇を描きつつ
能天気を装う黒豆コンビが、緻密な捜査で
証拠をひとつずつ積み重ねていく、黒川御大の真骨頂ですね
リアルな展開がすきです

巷にあふれる、映像化されて調子に乗ってる
ミステリー作家の作品の浅薄さには辟易します
そういう時に黒川御大の作品を読むとほっとしますな。



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左手首

2024-03-28 07:10:29 | 読んだ本の紹介

左手首 黒川博行

黒川御大の本を読み返してますが
やっぱ面白いですね

あらすじから
美人局のはずだった。だが、頭の弱い女が誘い込んだのはヤクザで、相棒の男が凄んでも脅しが効かない。
逆ギレするヤクザ。
女は消火器を振り下ろした。バラバラにした死体をいざ埋めようとするが……「左手首」。
解体業者と組んで事故車で稼いでいた損保・車両鑑定人(アジャスター)の悪どい手口……「解体」。
一攫千金か奈落の底か、欲の皮の突っ張った奴らが放つ最後のキツイ一発! なにわ犯罪小説七篇。

転載ここまで
浪速の雑魚犯罪者が陥る陥穽の話
世の中には旨い話はないという・・

他には
堅気が開く賭場を襲撃して賭け金を奪う話。
夫婦がマルチ商法で稼いだ金を強盗する話。
産廃業者の違法投棄をネタに脅迫する話。
ホストあがりの占い師が株券詐欺に関わる話。
元刑事が違法カジノの売上金を警察のガサ入れと騙して奪う話。

いずれも、落ちぶれた小市民が金に目をくらませて
行き当たりばったりに勝負をかけるが、世の中そう甘くなはい
完全犯罪なんかあり得ない
絶対悪事はばれるのだ
警察に追われるのはまだいいほう
やくざに追い詰められるとどうなるのか
怖い話ですぞ

関西弁のピカレスク小説は類を見ませんね
やっぱ黒川御大の本は面白いです



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剱岳 点の記

2024-03-25 09:37:51 | 読んだ本の紹介

剱岳 点の記 新田次郎

あらすじから
明治39年、参謀本部陸地測量部の測量手柴崎芳太郎は、五万分の一地形図作成のために三等三角点網を完成すべく、
北アルプス剱岳への登頂と三角点埋設の至上命令を受ける。当時の剱岳は前人未踏の信仰の山であった。
ほぼ同時期には日本山岳会(当時は山岳会と呼称)が結成され、剱岳初登頂を虎視眈々とねらっていた。
 柴崎は、かって剱岳に挑んだが登頂できなかった先輩の古田盛作ふるたせいさくを訪ねる。
古田は信頼できる案内人として、宇治長次郎を紹介した。
そして柴崎は現地へと向い、宇治長次郎と登頂路を探すが、なかなか見つからない。
そんな中、不思議な行者との出会い、山岳会の小島烏水との出会いがある・・・。

 悪天候や地元の反感、山岳会との葛藤など様々な困難と闘いながら、
柴崎測量隊は山頂をめざして進んでいく。
そして、難行苦行の末、剱岳山頂に至るが、そこで柴崎らが見たものは・・・。

※「点の記」とは - 国家基準点(三角点、水準点)ごとに、点名、所在地、設置年月日、選点者、観測者、
そこに至る順路と略図等を記載したもの。

転載ここまで
日露戦争後、地図を作成するのは軍の仕事であった。
本州で唯一地図が作成されていない空白部が剱岳であった
なぜなら、剱岳は前人未到の針の山であり、地元の立山信仰という宗教上の理由からも
人間が上ることができない山とされていた。

しかし軍はそんなことは関係ないとばかりに柴崎に剱岳の測量を命じる
それは日本山岳会が剱岳初登頂を狙っているという情報を得たためで
軍の威信をかけて初登頂を柴崎に強いるのであった。

地元の案内人長次郎の協力を得て、剱岳周辺から登山口を探すが
針の山と恐れられる剣へ足がかりが見つからず時間が過ぎていく
また地元の立山信仰の信者たちや長野県の役人などが
柴崎の邪魔をする。

あきらめかけた柴崎の前に、不思議な行者が現れ
剣を極めるなら、雪を前に上り雪を背負って帰れという不思議な言葉を
柴崎に与えるのであった

果たして柴崎一行は苦難の果てに剣の頂に到達するのだが
そこで一行が見たものは・・・

という話
明治時代の装備なんか、今とは比較にならないでしょう
藁で編んだ靴に、布製のテント。
アイゼンなんかなく鉄製の爪を草鞋に結び付けて雪山を上る
草鞋で登れない岩は裸足で登らねばならない
そんな時代に、いかにして剱岳に上ったのか?
実話ならではの迫力に満ちた小説でした。

地図を作るというのはどういうことか
ぜひ読んでほしい本です



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人面瘡探偵

2024-02-29 06:56:00 | 読んだ本の紹介

人面瘡探偵  中山七里

古本屋であまりにも奇抜な表紙を見て買ってしまった

あらすじアマゾンから
三津木六兵には秘密がある。子供の頃に負った右肩の怪我、その傷痕がある日突然しゃべりだしたのだ。
人面瘡という怪異であるそれを三津木は「ジンさん」と呼び、いつしか頼れる友人となっていった。
そして現在、相続鑑定人となった三津木に調査依頼が入る。
信州随一の山林王である本城家の当主・蔵之助の死に際し遺産分割協議を行うという。
相続人は尊大な態度の長男・武一郎、享楽主義者の次男・孝次、本城家の良心と目される三男・悦三、
知的障害のある息子と出戻ってきた長女・沙夜子の四人。
さらに家政婦の久瑠実、料理人の沢崎、顧問弁護士の柊など一癖ある人々が待ち構える。

家父長制度が色濃く残る本城家で分割協議がすんなり進むはずがない。
財産の多くを占める山林に希少な鉱物資源が眠ることが判明した夜、蔵が火事に遭う。
翌日、焼け跡から武一郎夫婦の焼死体が発見された。さらに孝次は水車小屋で不可解な死を遂げ……。
一連の経緯を追う三津木。そんな宿主にジンさんは言う。
「俺の趣味にぴったりだ。好きなんだよ、こういう横溝的展開」
さまざまな感情渦巻く本城家で起きる事件の真相とは……!?
転載ここまで


あらすじのとおり
横溝正史の世界観。内容は劣化版犬神家、悪魔の手毬歌ってとこでしょうか
長野の山奥、隔絶された田舎の豪邸で行われる殺人事件に
巻き込まれる、三津木。肩にできた人面瘡、ジンさんが本体をからかいつつ真実に導く
という設定です。
設定はいいんですけどね。いわゆる私が好きなバディー物ですが
私が好きなのは、バディー同士が互いにたりない部分を補いつつ
解決していくというパターン
今回のように、瘤の分際で偉そうにものをいうだけのバディーっていうのは
なんかむかつくだけで
面白みに欠けます

それはさておき、ミステリーとして
登場人物が限られているのに、みんなどんどん死んでいくので
犯人がおのずとわかってしまいます
書いてる本人も、はじめ設定していた犯人ですが、それではあまりにも
突飛すぎるとわかったようで途中で犯人を変えようと必死に
ラストをひねくり回してましたw
ラスト20ページ作者の苦労がしのばれます

こんなやっつけ仕事しているようでは
横溝正史の足元にも及ばないでしょうねえ

わしらが小中学生のころ、ちょうど横溝正史ブームで
犬神家の一族の助清で度肝を抜かれて
ませた連中が横溝正史を読み漁ってました
横溝正史世代にこの本は、あまりにレベルが低いねえ




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コーチ 堂場瞬一

2024-02-20 09:19:30 | 読んだ本の紹介

コーチ 堂場瞬一

古本屋の「店員おすすめ」という棚に置いてあったので
思わず買いました

ストーリー
アマゾンから
期待されながら、行き詰まっている若手刑事たちにコーチ役として派遣される人事課所属の向井。
捜査中のミスに悩む女性刑事、有名な俳優の取り調べに苦戦する刑事、尾行に失敗する刑事。
彼らに適切な助言を与える向井はなぜ刑事課ではなく人事課にいるのか?
三人は向井との関わりを語り合い、彼の過去の謎を探る。
そんな向井の過去と、三人の刑事が取り組むことになったある事件に関連が……?
堂場瞬一が描く刑事たちの人生。

この人の本初めて読みましたが
この人多作ですね、東野さんばりに書いてますね
警察小説とスポーツものがお得意だそうです
今回読んだのは警察ものでしたが

個人の感想として
うすっぺらい小説
ストーリーもとってつけたようなやっつけ仕事
伏線の回収もくそもない
中途半端感半端ない
人気タレントの傷害事件は、その犯罪動機について
思わせぶりなこと書いてて、それには触れないまま終わるし
女子大生殺人事件に至っては、元彼を出してくるのですが
何の意味があるのか?
ページ稼ぎか

だいたい
ロートルの刑事が新人を教育するという設定からして
長岡弘樹さんの「教場」をほうふつとさせます
教場はすごかった。
話の組み立て、展開もすごかったし
主人公の風間のキャラがたってましたからね
そらキムタクでドラマ化されるはずです

それを知ってるとこの本の薄っぺらさ
盛り上がりもどんでん返しもない

黒川博行御大の綿密な下調べで描かれる
警察小説からは想像もできない緩さに
軽薄さに苦笑してしまいます

次を読むことがあるのか?
スポーツものは読んでみたいですけどね







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怪物の木こり 見た目濃いけど中身すかすか

2024-02-16 08:21:03 | 読んだ本の紹介

怪物の木こり

先日、久々に本屋に行ったら平積みでこの本が積んでありました
映画化もされたということで気になってたので、買ってしまった

あらすじから
主人公は、サイコパスの二宮。気に入らない人間を躊躇なく殺す人間。
巷では、奇妙な連続殺人事件が起こっていた。
殺された被害者はすべて脳みそを持ちされていたのだ。
警察の戸城刑事(女性)が犯人を追っていた。
ある日、二宮のもとに怪物の面をつけた男が現れて
斧で襲ってきました、なんとか怪物を振り切った二宮は、
怪物を倒すために、同じくサイコパスの親友の杉谷に協力を求める。
という感じ

ここから先はネタばれ注意。
このミス大賞受賞ということですが、冒頭から脳を扱うという
描写で読者の度肝を抜くという手法。それが奏功して
読者は引き込まれますね。
でもそこまでか
文章が稚拙で、トリックも何もない薄っぺらな展開に
ページがどんどん進みますw
登場人物も少ないし、めっちゃ読みやすいw
サイコパスだけあって、簡単に人を殺すのですが
そんな簡単に人が殺せたら、ミステリー作家は苦労はないですねw

怪物の犯行動機もなにそれって感じ
主人公の心境の変化がこの物語の肝なんですが
まったく感情移入できない
とってつけたようなラストの展開
それでいいのかって
ままごとみたいな戸城刑事には失笑を禁じえませんでした
よくこれで、ミステリー大賞が取れたなって感じです

映画化したそうですが、怪物、脳みそ、サイコパス、女刑事
これは映像化しやすいでしょうね
中高生のミステリー入門にはいいのではないでしょうか
って感じです


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新田次郎 蒼氷・神々の岸壁

2024-02-13 10:10:16 | 読んだ本の紹介

新田次郎 蒼氷・神々の岸壁


山の厳しさ、山の美しさ、山の恐ろしさ……、そこに繰り広げられる人間ドラマ。
2020年、没後40年。新田次郎山岳小説で、泰然たる自然に思いを馳せる。

冬山で命を落とした弟。果たしてその死因とは。
富士、八ヶ岳、谷川岳、穂高……、山に挑む男たちの苛烈なる生。傑作四編を収録。

蒼氷
富士山頂の気象観測所
鋭いアイゼンの爪もよせつけない蒼氷に覆われる厳冬期、石が水平に飛ぶ台風シーズン――
富士山頂の苛烈な自然を背景に、若い気象観測所員の厳しい生活と、
友情と愛と死を描いて息づまる迫力をよぶ長編「蒼氷」。

主人公の守屋は、誠実な気象観測員。富士山頂での厳しい環境の中黙々と仕事をこなす
下界に降りると、令嬢の理子のもとに足しげく通う。
理子はそんな守屋の気持ちをもてあそぶようにほかの男に思わせぶりな態度をとる。
観測所に勤務している守屋のもとに、理子の恋敵が守屋をからかうように訪れる
しかし過酷な富士山の環境は、守屋の心を代弁するかのように恋敵を陥れる
圧巻は、富士山頂を襲う台風のシーン。こぶし大の石が水平に飛び
手を離れたハーケンが矢のように壁に突き刺さる。
恋敵ともいえる同僚を救うべく嵐に立ち向かう守屋であったが・・
昭和初期に書かれた本です
昭和生まれの私が読んでも、描かれた女性(理子)が、どうもしっくりこない
こんな女、富士山から転げ落ちれば面白かったのに
釈然としない思いで読んでました

神々の岸壁
ヒマラヤを夢み、岩と氷壁に青春を賭けた天才クライマーが、
登攀不能といわれた谷川岳衝立岩を征服するまでの闘志と情熱の半生を描く。
著名なクライマー南さんをモデルに描いた短編。

幼いころから独学で登山を極め、先輩諸氏から天才といわれたクライマーが
北アルプスの難攻不落の岸壁を落としていく姿をリアルに描いてます

天候に阻まれて、登頂直前で足止めを食うシーン
落ちるわけでもけがをしたわけでもないが
水がない、それで危うく命を落としかけるシーンがリアルですごかった。
人間、水がないと生きれないのだ。

疲労凍死
雪山で弟をなくした兄は、弟とバディーを組んでいた相方が殺したと疑う
雪山に疲労した弟を放ったまま救助を呼びに行った。それはわざと弟を殺したのだ
相方と弟の間には同じ女性の影がちらついていた。
ミステリー仕立ての短編で、なかなか面白かったです

新田次郎の小説の中ではB級の部類に分類されるのか
あまり人気がないようですね
でも、富士山頂上での台風のシーンは一読の価値があると思います
手に汗握ること必至。





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正義の天秤 大門剛明

2024-01-24 07:03:24 | 読んだ本の紹介

大門剛明 正義の天秤

大門さんといえば「雪冤」を読んで、酷評した記憶がありますが
そんなことすっかり忘れてて、古本屋で見かけて
法定ものということで面白そうと思い読んでみました

あらすじから

超有名法律事務所の、師団坂法律事務所のシニアパートナー佐伯の病死により
助っ人として元医師の弁護士鷹野和也が着任。
切れ者と評判の鷹野はコスト優先、改革のためリストラを通告し古手の弁護士を放逐する。
ルーム1に残ったのは、佐伯の娘芽依、元ニートの杉村、元刑事の梅津、若手ホープの元裁判官桐生
少数精鋭のメンバーで難事件の解決に取り組む。
6話の短編集となっており
1.ブレーメンの弁護士
2.カルネアデスの方舟
3.マアトの天秤
4.悪魔の代弁者
5.アメミットの牙
6.正義の迷宮
とギリシャ神話が題材になっています。
優秀ではあるが横柄でマイペースな鷹野が嫌な感じで登場し
配下の弁護士連中が集めてきた情報を聞くだけで真相にたどり着くという展開。
実は鷹野は、心に傷を負っており人一倍繊細な心を持っているのを
回を追って描いていきます。
大きな事件の被疑者の弁護をする過程で、すこしずつ情報を得て
警察も検察も気が付かなかった事件の真相を暴くのですが
その根底には「正義」というキーワードが
誰にとっての正義なのか?法律は正義の味方なのか?という視線で
読ませます

「雪冤」の時は、説教臭い書きようにうんざりした記憶がありますが
今回は、面白く読むことができました
鷹野のかかえる秘密が解決しておらず、次回作以降に引き継がれてます
続編も読みたくなってきました。

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3日間の相棒 永瀬隼介

2024-01-17 06:55:14 | 読んだ本の紹介

永瀬隼介 三日間の相棒


疫病神シリーズや大阪府警シリーズなど
黒川御大の小説ではバディ物が特に好きなんですけど
バディ物といえば、かつてのジョン&パンチ、スタスキー&ハッチ
トミーと松、最近では相棒でしょうか
全部面白い。

ということで、バディー物の小説を探してて
気になったのが、永瀬隼介の 三日間の相棒
永瀬隼介といえば、10年くらい前はまって
ポリスマン他読んだ覚えがあって、なかなか面白かった記憶が・・

古本屋で、三日間の相棒を探してて、先日ようやく見つけたので
早速読んでみました。

あらすじから

埼玉県の地方都市。繁華街のはずれでホストが1人殺されます。

事件から8年が経過し、事件も迷宮入りかという頃
1人の男が事件現場に現れます。
佐藤隆二。当初県警の捜査一課に配属されるエースで
最初の事件がこのホスト殺しであったが、軟弱と生真面目な性格が災いし
仲間から疎まれ
捜査一課から場末の警察署の会計課に飛ばされた人物
事件の迷宮入りを残念に思っていると
その場に現れたのが、自称東京歌舞伎町で探偵業を営むという
こいつも佐藤。筋肉隆々のタフガイ
どうも、8年前の事件を解決すべく埼玉の田舎へ訪れた模様。

偶然出会った佐藤と佐藤。ダブル佐藤で8年前の殺人事件を解決
すべくタッグを組むことに

とまあこんな感じですが
昨年末から、黒川御大の小説を片っ端から読み直してた私にとって
こんなしょうもない展開の小説を読むのは苦痛でした

黒川御大の小説は、微に入り細に入りリアルな描写と展開で
自分がその場にいるような気持にさせられますが

この小説は、いい加減な手あたり次第に思いつくままの展開w
なんでそんなことになるのかw
突っ込みどころ満載。

コミカルミステリーというには、シビアなバイオレンスシーンもある
どっちつかずの典型
またダブル佐藤のキャラがねえ
タフガイ佐藤のほうは、感情の起伏が激しすぎてまったく共感できない
急に怒ったり、急になついたりなんやねんこいつ

相棒の佐藤龍二については、まったく意味不明のキャラ
頭がいいわけでもなく、暴力には全く無力、
何のとりえもないキャラ。こいついなくても十分成り立つ小説ですね
なんの役にも立ってないw

読んでて、何度途中でやめて駅のごみ箱に捨ててやろうかと思いましたが
なんとか最後まで読み進めました。

黒川御大の小説を読む前だったら
楽しく読めたかもしれない。








































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強力伝·孤島 新田次郎

2024-01-12 09:43:50 | 読んだ本の紹介

強力伝・孤島 新田次郎


なぜか、古本屋で目に入り手に取りました。
6編からなる短編集。
新田次郎といえば山の話。
漫画の「岳」は繰り返し読む愛読書。
山つながりで読んでみる気になったのか?

強力伝 時は昭和初期
強力とは、富士山の頂上に必要な物資を担いで登る人をいいます。

富士山頂の気象観測技師がある強力小宮と知り合う
その小宮が190kgもある大理石の石碑を山頂まで上げるという
記事を読み、あまりに無謀な試みであると、技師は小宮を引き留めるべく
富士山へ向かうが、小宮は聞く耳を持たず取りつかれたように石を担ぐ。
サポートの白馬出身の強力は、あまりに無謀だと
小宮をバカにしていたが、小宮の真摯な姿を見て
家宝の背負子を小宮に貸し与え、小宮を支える。
冬場の富士山の猛威を振るう風雪に負けず小宮は大義を果たすが
それは自分の命を縮める行為であった。

八甲田山
のちの八甲田山死の彷徨の習作
昭和初期、青森第5連隊の行った雪中行軍訓練の話。
冬の八甲田を甘く見た責任者の軽率な行動が、多数の犠牲者を生む。

凍傷
富士山頂の気象観測所を作るべく奔走する佐藤技師の話。
冬季の富士山頂にて駐在して気象データーをとることは
世界的に最も意義のあるもので、気象庁の最優先課題であった。
しかしあまりの過酷な自然に対して、政府は許可を下ろさなかった。
そんな政府を動かすべく、佐藤技師は冬季の富士山頂に登山し
1か月の滞在をして、越冬が可能であることを証明する。
しかし、それは自分の体の一部を凍傷で失うという過酷な挑戦であった。

孤島
昭和初期、鳥島気候観測所の駐在員の物語
絶海の孤島で、1年間置き去りにされる15名の隊員
本土との通信も私的なものは許されず、完全に孤立する。
娯楽もなく、隊員たちの精神もむしばまれていく。
そんな中、絶滅したとされるアホウドリの営巣を発見し
つかの間の安らぎをえる隊員たち。
アホウドリを襲う猫との戦いや、驚異の威力をもつ台風との戦いなど
を描く。

子供のころ、家の本棚にあったので読んでみたけど
子供には、表現が古くよみづらく途中で投げ出したような記憶が
あります

還暦を過ぎたおっさんが読むにはちょうどいいw
昭和世代だし時代背景もぎりぎり理解できる範疇

読み応えある筆致です。若い世代にも読んでほしい


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あの頃僕らはアホでした

2023-12-27 06:25:17 | 読んだ本の紹介

あの頃僕らはあほでした 東野圭吾

ミステリー界の貴公子、東野圭吾ですが
諸般の事情により東野さんの作品は読みたくないので
ほとんど、読んでません。

唯一読んだのがこの本です。
東野さんは4歳ほど年上なので微妙にわからない部分もありますが
おおむね同世代。
中学時代は、金八先生が全盛のころ。校内暴力が全盛の時代でしたねえ
わたしの中学は、私の代まではおとなしい部類でした。
先輩に1人だけ堂島先輩っていうのがいて
こいつが一人で学校の中で暴れてました。
狂犬みたいなやつで、目が合うと誰彼無しにかみついてましたw
私も一回絡まれましたが、何も言わずに胸倉つかまれて
殴られそうになったので、とりあえず「すんません」って言ったら
許してくれました。
なんかよくわかりませんw

ウィキで調べるとこの本の目次が載ってました

球技大会は命がけ
消えたクラスメイト
『したことある者、手え挙げてみい』
剃り込み入れてイエスタディ
ワルも普通もそれなりに
油断もスキもない
つぶら屋のゴジラ
「ペギラごっこ」と「ジャミラやぞー」
俺のセブンを返せ
更衣室は秘密がいっぱい
幻の胡蝶蹴り
僕のことではない
読ませる楽しみ 読まされる苦しみ
何かが違う
やっぱり門は狭かった
憧れの慶応ボーイやでえ
あの頃僕は巨匠だった
残飯製造工場
嗚呼、花の体育祭
芸のない奴、ゲロをだせ
似非理系人間の悲愁
恋に恋する合コン魔
恒例の儀式
アホは果てしなく

ネタがないので、この本に即して
猫氏版、あの頃私はあほでしたを
明日から書いていきます

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正直不動産 勉強になります

2023-12-25 08:59:12 | 読んだ本の紹介



気になってた漫画がブックオフのセールで売ってたので
大人買いしてしまった。

「正直不動産」(しょうじきふどうさん)

夏原武(原案)、水野光博(脚本)、大谷アキラ(作画)による日本の漫画。
『ビッグコミック』(小学館)にて、2017年12号から連載中。

2023年7月時点で累計部数は300万部を突破している[4]。

2022年4月から、山下智久の主演によりNHKでテレビドラマ化。
2024年1月からキャストが続投する形でシーズン2が放送予定。
またそれに先立ち、スペシャルドラマが2024年1月3日に放送予定。

あらすじ

『千の言葉のうち真実は三つしかない』という意味で、千三つといわれる不動産業界。
そんな業界に身を置く永瀬財地は、契約のためなら嘘をいとわずに営業成績をあげてきた。
しかし、地鎮祭のときに祠を破壊してしまったことで、嘘がつけない体質になってしまった。
わがままな顧客の要望、一癖も二癖もある資産家大家たち、次々起こる不動産にまつわるトラブル、
そしてライバル不動産会社としのぎを削る闘いに、嘘をつかない正直営業で立ち向かう永瀬の姿を描いた皮肉喜劇。

転載ここまで

人間の一生のうち、大きなイベントとして
進学、就職、結婚、出産、そして家を買うというのがありますが
私自身、どれものらりくらりとその時々の風に流され
適当に決めてきました

進学は、そこしか受からなかった。べつにどこでもよかった
なにが学びたいとかなかったですからね

就職もそこしか受からなかった。ゼミの先生と先輩が勧めてくれたし

結婚も、就職して職場にいた女性と結婚。

出産は、これは神様のおぼしめし

そして家を買うことになったのも、なんかふわっとした感じ
神戸の社宅に入ってたので、神戸近辺で探しました
金がなかったので、だいたいこれくらいの金額っていう線も決まってた
わけのわからない不動産屋のチラシを見て、なんの勉強もせずに
買ってしまった
住んでみて、いろんなことに気づいてきます
もっと真剣に勉強して買えばよかったです。

家を買うときにはいろんな制約や約束事、地域事情などあります
そんなことを知らずに買うと、不動産屋の思うつぼです
ちなみに、私が家を買った不動産屋は買ってから数年で
つぶれてなくなりました。
いい加減な会社だった。
騙されたとまでは言いませんが
若気の至りで早まって買ってしまった
なんでもそうです

進学も就職も結婚も
目の前にあるもので、これでいいやと決めてしまう
この性質は、一生治らんな・・
そんな反省が常々心の中にわだかまりで残ってますなあ

この漫画を読んだときに
ああ、家を買う前にこの本に巡り合ってたらなあ
家については
もっと違う展開になったかもとおもいます

千のうち3つしか本当のことを言わない
不動産業界で、うそのつけない主人公が
売主、買主、業界の海千山千のライバルたちに
誠実さだけで立ち向かっていく様は
読んでいて、ドキドキします
そして最後に、正義は勝つのか?

あと大谷あきら先生の書く、女性がすごくチャーミングなんですよね
色気があり知性もある。
大好きです

娘が家を買う年ごろになってきました
娘が家を買いたいと言い出した時には、この本をすすめようと思ってます



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雨に殺せば 黒川博行

2023-12-21 08:28:09 | 読んだ本の紹介

黒川御大の初期の作品を読み返してます

2冊めは

雨に殺せば

大阪府警捜査一課“黒マメ”コンビが謎を解く! 直木賞作家の傑作ミステリ

あらすじ
大阪府警捜査一課 “黒マメ”コンビの元に事件の報せが舞い込んだ。
現金輸送車襲撃事件について事情聴取した銀行員が、飛び降り自殺したという。
銀行員2名が射殺され約1億1千万円が奪われた襲撃事件と、死亡した銀行員の関係は?
ふたりはやがて真相に近づいていくが、新たな犠牲者が出てしまい――

飛び降り自殺という衝撃的な場面から一転
その数日前の現金輸送車襲撃事件に場面が変わります。
この展開も面白い。
現金輸送車襲撃の重要参考人であった銀行員の自殺。
本当に自殺か?
黒豆が銀行員の周りを緻密に洗っていきます
そして浮かびあがったのが、ある画商。
画商と高額の金の貸し借りで絡んでいるのがサラ金のオーナー
銀行員の立ち回り先のチンピラやくざ
やくざの家から出てきた銀行襲撃の証拠物
足で稼いだ情報で、すこしづつ
からんだ糸がほぐれていくのは黒川小説のだいご味でしょうか

これはなかなか面白かったです
黒豆コンビが良い味を出してきました。
見かけによらない豆ちゃんの名推理が光ります
おすすめ!
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二度のお別れ 黒川博行

2023-12-20 06:40:00 | 読んだ本の紹介
最近、黒川御大の本を読み返してます。
最近嫌なことが多くて、新しい作者の本に挑戦する気力がわきません
当たり外れがあるでしょう。当たればいいですが
外れるとストレスです。
ストレス発散で読書してるのに読書がストレスになったら意味がないですね
なもんで
ストレス発散のため、漫画を読んだりしてますが、
ふと思いついて、黒川御大の「疫病神」シリーズをすべて読み返しました
そのあと、大阪府警シリーズもやっつけて、
そして今、原点に立ち返り初期の作品を読み返してます。

二度のお別れ
あらすじから
新大阪の銀行に押し入った強盗は居合せた客の一人を人質にとって逃走した。
まもなく犯人から人質の家族あてに、一億円を要求する脅迫状が届く。
その指示は、徹底的に巧緻で悪意に満ちたものだった。
大阪府警捜査一課、黒田・亀田両刑事、通称クロマメ・コンビに出番がきた……。
「キャッツアイころがった」で第四回サントリーミステリー大賞を受賞した筆者が、
第一回同賞で佳作賞を受けたこの作品は、軽快なテンポと秀抜なトリックの本格長篇ミステリーである。

転載ここまで

1980年当初の作品
読んでて、携帯電話が出てこないで電電公社に逆探知を頼むとか
JRではなく国鉄とか時代を感じさせます
40年前ですもんね

初期の作品らしく、構成に粗いところもありますし
黒豆コンビのいいところが出てませんでした
まだまだこれからという感じ
ラストの展開も御大らしくない拙速な感じがしました

でも大阪弁の軽いタッチの会話が、重いテーマを
軽く仕立て上げてて読みやすかったですぞ

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悪逆 黒川博行新作出ました

2023-10-18 08:11:52 | 読んだ本の紹介

黒川御大の新作がようやく出ました!!

悪逆

黒川 博行 著

過払い金マフィア、マルチの親玉、カルトの宗務総長――社会に巣食う悪党が次々と殺害される。

警察捜査の内情を知悉する男
vs.
大阪府警捜査一課の刑事と所轄のベテラン部屋長

凶悪な知能犯による強盗殺人を追う王道の警察小説

* *

周到な準備と計画によって強盗殺人を遂行していく男――。
大阪府警捜査一課の舘野と箕面北署のベテラン刑事・玉川が、広告代理店の元経営者殺害事件を追うなか、
さらに被害者と面識のある男が殺される。
二人はそれぞれ士業詐欺とマルチ商法によって莫大な金を荒稼ぎした悪党で、
情報屋の標的になっていた。
警察は犯行手口の違いから同一犯による可能性はないと判断するが、いずれも初動捜査で手詰まりとなる。
犯人像を摑むことができないまま、さらには戦時中に麻薬密売組織に関わり、
政治家とも昵懇だった新興宗教の宗務総長が殺害される。
警察の動きを攪乱しながら凶行を続ける男の目的はどこにあるのか? 
舘野と玉川は、凶悪な知能犯による完全犯罪を突き崩すことができるのか? 

警察捜査の内幕を活写しながら、
裏社会を跋扈する男たちを圧倒的な存在感で描き切る、
ラスト5ページまで結末が読めない、

とまあこんな感じ
冒頭、名も知れぬ犯人の犯行準備のシーンから始まるのですが
綿密な準備。そして大胆な犯行。
そして髪の毛1本も残さない後始末。
完全犯罪を目指す犯人に、警察は振り回されるのですが

ベテラン玉川と若手のエース舘野が、足を使って
犯人を追います。
ひりひりする展開にページが進んでいきますぞ
最後5ページまでラストの展開が読めないとありますが
まさにその通り

朝日新聞出版ということで
先日朝日新聞に書評が出てましたが
黒川御大いわく、連載した時とラストを変えたそうです
どんな風に変えたのか、気になりますが
わかりません
どなたか、連載を読まれた方教えてくださいませ





本年度最注目のクライム・サスペンス!


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