モータ・アシスト(MA)式のハイブリッド車両開発のきっかけ
「気動車大国」から新技術
従来概念にとらわれない車両
モータ・アシスト(MA)式のハイブリッド車両開発のきっかけは、2005年(平成17年)4月に、MA式のハイブリッド自動車に関する論文を入手したことだ。「これなら鉄道車両への応用の可能性がある」。JR北海道の次世代車両開発プロジェクトの意気が上がったと言う。
ディーゼルハイブリッド車両開発への取り組みは、2002年10月から始まった。道内の路線の電化率はわずか17・5%。同社保有車両1000両のうち、半数はディーゼル車両で、今後とも重要な役割を担うディーゼル車両の「排気ガスや騒音などの問題を解決し、より早く快適な輸送サービスを提供する」 (中島社長)ことが求められていた。
このため、同プロジェクトを立ち上げ、「従来の概念にとらわれない新しい車両」としてハイプリッド車両の開発をスタートさせた。ところが、当初想定していた、エンジン動力のすべてを発電機で電力に変換してモーターで車輪を駆動するシリーズハイブリッド駆動システムを、既にJR東日本が開発に着手していたことが分かった。
このため、開発はいったん中断。そして論文入手に伴い、駅間距離が長く、特急への応用の可能性も高いMA式が、北海道の特性にも適応しているとして、開発が一気に進んだ。
JR北海道から新たな技術。JR東日本からハイブリッド車がデビューした時には、これを北海道や四国でも使えたらと思ってましたが、すでに北海道では研究がされてたんですね。常に前向きに新しい事に取り組むJR北海道はとても素晴らしいと思います。これからも新たな技術が、北の大地から生まれる事を期待します。