首都圏大手民鉄05、06年度に644両新造
首都圏の大手民鉄で、通勤車両の高性能化が加速している。旧型車両を、省エネルギーでメンテナンスコストのより低い最新型の車両に置き換えることで、トータルコストを削減するとともに、バリアフリー設備の改善や快適な車内環境を提供してサービス改善を図るのが主な目的で、2005年度(平成17年度)と2006年度の2年間に大手9社合わせて644両を新造する。既存車両のVVVFインバーター制御車への改造やバリアフリー化改良も活発で、高性能化への積極的な取り組みが目立っている。
省エネ・省メンテ化進める
首都圏の大手民鉄ではここ数年、全体として通勤車両の新造が増加する傾向にあり、各社で最新型車両への置き換えが進んでいる。
2005年度は小田急電鉄が3000形を92両、東武鉄道が50000系を70両、東京急行電鉄が5000系を49両、京浜急行電鉄が新1000形を24両、京成電鉄が3000形を24両など、合わせて297両の新造車両が導入された。
2006年度はさらに、東急が5000系を97両、東武が50000系を80両、小田急が3000形を44両、東京地下鉄(東京メトロ)が10000系を40両、京王電鉄が9000系を30両、京急が新1000形を24両、京成が3000形を24両など、合わせて347両を導入する計画で、この2年間の新造車両数は644両に上る。
これらの最新型車両は電力消費量が少ない省エネルギー車で、メンテナンスコストも従来車に比べて低くなっている。また、車いすスペースの確保やドアチャイム設備、車内での旅客案内設備を備えた快適な車両で、リサイクルしやすく、万一の場合も有毒ガスが発生しにくい部材の採用など環境、安全面でも進化している。
このうち東武は伊勢崎線・半蔵門線直通用とともに、東上線・13号線直通に備えて50000系車両の増備を進めている。また東急は東横線、目黒線、田園都市線用に標準車両と位置付ける5000系の導入を続けており、最新型車両への置き換えがピークを迎えた。
小田急は旧型車両に比べて、加減速性能にも優れた新型車両を増やすことで、各駅停車のダイヤを改善し、併せて速達列車のスピードアップを図る狙いもある。さらに東京メトロは有楽町線の置き換え用として10000系の新造を開始し、13号線との共通運用も視野に入れている。
新造とともに、車両改造によって最新の省エネ性能などを確保したり、バリアフリー対策を行うケースも目立つ。西武鉄道は2005年度に最新型の20000系を18両新造したが、同時に9000系車両を省エネ性能に優れたVVVFインバーター制御車に改造する工事を進めており、2007年度までに全7編成の改造を完了する計画。京王は2006年度に7000系24両の省エネ化とバリアフリー化の改造工事を実施する計画。さらに京急は2006年度に1500形のVVVF化などを行う計画。
新造を中心に車両への設備投資が増加している背景には、輸送需要の増加に対応して、列車の増発や長編成化を進めて混雑緩和を図った1970年代などに増強した車両が置き換えの時期を迎え、鉄道部門を含めたバブル崩壊後の経営改善が一段落して、トータルコストの削減に効果のある最新型車両の導入環境が整ってきたことが挙げられる。
最近は鉄道もバリアフリーが進んできたわよね。やはり公共交通機関が進んでもらわないといけないよね。新型車両の置き換えは地球環境にも貢献することになるよね。省エネ化は無駄な電気を使わないということでしょう。今だ火力発電が大半の日本の電力を考えると、とってもいい事だよね。