上海の地下鉄事情
人口1700万人
上海市の面積は約6300平方㌔、人口は約1700万人であり、庭園や古い町並み、古い西洋式建築物等が見られる歴史のある街であるとともに、東方明珠テレビ塔や高層ビルが立ち並び、古い物と新しい物が調和する歴史と文化を感じる街である。
上海市は2010年5月の国際博覧会に向け、あちらこちらで高層ビル、道路建設等の都市ンフラ整備が進み、地下鉄整備も同様に相次いで行われている。
パンフレットによると営業キロは144・6㌔、平均輸送人員は180万人とのことである。
龍陽路駅から地下鉄2号線で総虹路駅に向かうと車内には、地図と駅名を見ながら降りる駅を確認している日本からの観光客も見受けられる。東京の地下鉄と違う点は、車内で地図らしき物や新聞を売る人、小さなカードを座っている人に足早に配って行く少年がいること等である。
ワンマン運転
3号線・4号線の連絡駅である中山公園駅でほとんどの旅客が下車し、総虹路駅方面に向かう旅客もまばらとなる。上海の地下鉄はワンマン運転を行っていて、一部駅にはホームドアが設置されているが、延伸されたこの区間はホーム先端にバックミラーが設置されているだけで、どのような方法でワンマンを行っているのか興味深い。
昼間でも混雑
虹橋路駅-宝山路駅間は3号線・4号線の共用区間であり、電車は交互に運転されている。途中の上海火車駅は中国鉄道のターミナルである上海駅の乗換駅であり、天秤棒の両脇に大きな荷物を下げた人や荷物を待った人が地下鉄に乗り降りしている。
沿線に高層住宅
3号線は沿線に高層住宅や工場がびっしりと張り付いている高架鉄道であり、江湾鎮駅-江楊北路駅が延伸区間である。日本の新線と同様に開業時点での沿線は未開発地で何もないと想像していたが、併行した道路が整備され、コンテナを積んだ大型トラックが走り、工場や海上コンテナ置き場が続き、住宅地もあるという開発済みの地域であった。
駅の案内表示器を見ると昼間の時間でも電車は12分間隔で走っているようである。江湾鎮駅から8駅目の友誼路駅まで来ると低層建物や緑が目立ってくる。友誼路駅を過ぎるとトンネルに入り、地下駅である鉄力路駅を過ぎ、再び地上に出ると終点の江楊北路駅である。
江楊北路駅は地平駅に近い形式で、ホームから数段の階段を下りると道路と同じ高さにラッチ、、自動券売機等の駅施設がある。
上海地下鉄は4号線環状部の残りである大木橋路駅-藍村路駅間、6号線、8号線や上海の新聞にも使用する車両が紹介されていた9号線も近々開業予定である。さらに「上海新国際博覧センター」付近の龍陽路駅前でも防護塀に囲まれた中で7号線の建設工事が進んでいる。
11路線の計画
国際博覧会開幕まで3年弱となったが、開幕までに11路線、営業キロ400㌔を超える整備計画があり、これが完成すると上海は世界でもトップクラスの地下鉄保有都市になる。観光にもビジネスにも、今まで以上に便利な地下鉄ネットワークが構築される上海地下鉄である。