ステンレス車の引退相次ぐ
東京メトロ7000系
銀色のステンレス製車体がトレードマークで、首都圏の地下鉄などで通勤、通学の足として親しまれてきた鉄道車両が相次いで引退期を迎えている。外観は輝きを失っていないが骨組みが老朽化したためで、中高年層や鉄道愛好家には往年の名物車両の世代交代を惜しむ声が広がっている。
東京メトロ5000系、北総7000形…
骨組み老朽化で更新へ
北総7000系
「通学時によく乗ったので間近に見たかった」。1月27日、東京都江東区にある東京地下鉄(東京メトロ)の車庫で、今月中旬の引退を控えた東西線の「5000系」の撮影会が開かれ、多くのファンが夢中でカメラのシャッターを切った。約1万2000人が訪れ、車両の周囲には長蛇の列ができた。
昭和の雰囲気
5000系は、東京五輪が開催された1964年(昭和39年)の東西線開業から40年以上活躍。大半がステンレス製で、車内には扇風機が残るなど昭和の雰囲気が漂う。
ステンレス鋼は鉄にクロムを加えた合金で、さびにくく保守費用を抑えられるのが特徴。5000系などは骨組みに鉄を使っているが、車体外側をステンレス鋼で覆い、厳密には「セミステンレス」と呼ばれる。さびにくいと評判だったが、骨組みなどが古くなり、車体の更新が必要になった。
東西線の5000系の一部は、インドネシアに渡ってしばらく走ることになるが、多くは廃車後に解体される。
先進的デザイン
東京東部と千葉県の新興住宅地を結ぶ北総鉄道は、79年の開業から走り、ヒット映画「電車男」にも登場した「7000形」の〝さよなら運転″を3月25日に行う。運転士が線路を見渡せるように、正面の窓を下向きにした形で「当時としては先進的なデザインの車両だった」(幹部)という。
東京都営地下鉄の浅草線と新宿線、横浜市営地下鉄でも昨年末までにセミステンレス車両が引退した。
大阪市営地下鉄では、大阪万博の輸送にも責献した往年の主力車両「30系」が退く。最後の働き場となった谷町線にセミステンレス製が7編成、計42両が残っているが、2008年度(平成20年度)から新型車両に順次交代する。
現在、大都市圏の地下鉄やJR、大手私鉄などで目立つのは、骨組みを含む全体にステンレス鋼を使った「オールステンレス」や、アルミ合金製の車両だ。
車両メーカーの川崎重工業の担当者は「セミステンレス車両は車体の腐食を防ぐために生まれた。美しい外観が人気を呼び、軽量化にも役立ったことが車体素材の一層の改善につながった」と説明している。
以前のステンレス車って、外側だけがステンレスだったんだね。外側がピカピカでも土台が老朽化するなんてちょっと外見からはわからないよね。オールステンレスなんてとっても高そうだけど、メンテナンスを考えると安いんでしょうね。でもすべてが廃車でなく外国で生き残る車両もあるなんてちょっと意外と思いました。