鉄道車両アラカルト

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JR東日本 エコロジーへの取り組みが順調

2007年12月05日 | 国内旅行

JR東日本
エコロジー推進活動着実な成果

 JR東日本グループが取り組んでいるエコロジー推進活動が着実な成果を上げている。1992年(平成4年)4月にエコロジー推進委員会を発足し、同年5月には同活動の基本理念と基本方針を制定。96年3月には、行動指針と具体的な数値目標である環境目標を定めた。2008年度を目標とした最新の数値目標(12項目)では、事業活動に伴う二酸化炭素(CO2)総排出量の削減や省エネルギー車両比率、駅・列車ごみのリサイクル率など、2006年度で既に6項目の目標を達成しており、環境保全と事業活動の両立を目指した幅広い取り組みが続いている。

省エネ車両8割を超す

209系、E231系電力消費、103系の半分以下

 同社では92年4月、広範な地球環境問題に取り組むため、社内にエコロジー推進委員会(現委員長・清野智社長)を設置。同年5月には、「事業活動と環境保護の両立」を掲げた基本理念と基本方針を制定した。


 この理念に基づき、96年3月には行動指針を定めるとともに、具体的な数値目標である環境目標を制定。数値目標は、2000年11月と2005年1月に改定し、現在は2005年度~2008年度の4年間を対象とする数値目標を掲げている。


 取り組む項目は、▽事業活動に伴うCO2総排出量の削減▽自営火力発電所単位発電量当たりのCO2排出量削減▽同発電所窒素酸化物(NOX)排出量の削減▽省エネルギー車両比率の向上▽東北・上越新幹線の騒音対策(75デシベル以下)など全12項目。


 このうち、「一般廃棄物のリサイクル率向上」と「事務用紙の再生紙利用率向上」の2項目はグループ全体で取り組んでいるほか、具体的な数値目標はないものの、「毎年具体的な環境保護活動」についてもグループ全体での取り組みとしている。


 折り返し点である2006年度の実績を見ると、12項目中、既に6項目で目標を達成しており、残る6項目についても順調に進捗している項目が多い。


 事業活動に伴うCO2総排出量の削減(90年度比で22%減)は、2003年度までは順調に減らしてきたものの、2004年10月に発生した新潟県中越地震で自営の信濃川水力発電所が被災したため、2004年度と2005年度は増加してしまった。


 だが、水力発電所は2006年3月に復旧し、同年6月には自営の川崎火力発電所3号機で燃料の一部を灯油から天然ガスに転換。省エネ車両の導入も進んだことから、2006年度での目標達成を実現した。


 同社のエネルギー消費量は、一般家庭約145万世帯の消費電力に相当し、駅や列車から発生するごみの量も同約11万人分の排出量に匹敵する。このため、エネルギー消費量の約7割を占める列車運転エネルギーの削減に向けて、省エネ車両の導入を積極的に進めるとともに、ごみのリサイクルルートの構築などに取り組んでいる。


 電車の電力消費量を形式別に比較すると、国鉄時代の主力だった103系を100とした場合、回生ブレーキ付きの205系は66、JR発足後に登場した新系列の209系・E231系では47まで減り、103系の半分以下の電力で走行する。


 2006年度の省エネ車両比率は、全車両1万2455両中、在来線電車9011両、新幹線電車899両、在来線気動車466両の合計1万376両(83%)となり、目標の82%をクリアした。中央線では、国鉄時代に登場した〝元祖省エネ電車″201系をE233系に置き換え、電力消費量を36%減らしている。

ごみリサイクルルート構築

 研究開発の成果も実を結んでいる。今年7月には、世界初のディーゼルハイブリッド鉄道車両「キハE200形」を小海線に投入。従来の気動車と比べて20%程度(平たん区間)の省エネを実現し、排気中の有害物貿を約60%削減した。今年4月からは、燃料電池ハイブリッド鉄道車両の走行試験も始まっている。


 駅・列車から出るごみのリサイクルについては、94年2月から99年3月にかけて上野駅、新木場、大宮の3カ所にリサイクルセンターを開設(子会社の東日本環境アクセスが運営)。上野駅と大宮のリサイクルセンターでは2006年度、東京都内と埼玉県内から排出された空き缶・ビン・ペットボトル5076トンを分別・圧縮して、リサイクル業者に引き渡した。


 新木場リサイクルセンターでは、新聞・雑誌6780トン(2006年度)を製祇工場へ送り、コピー用紙などにリサイクル。リサイクルしたコピー用紙は同社が購入し、社内で再び使用している。


 このほか、東北・上越新幹線の騒音対策(東京-盛岡間、同-新潟間)については、住宅立地地域は2002年度に完了。次のステップとして、2006年度に新たに騒音対策対象地域を定め、2009年度100%達成を目標に掲げた。具体的には、防音壁のかさ上げや吸音材の設置、レールの削正、低騒音パンタグラフの導入などを進めている。


 また、研究開発などハード面の取り組みに加え、ソフト面の取り組みとして「JR東日本エコ活動」もスタートした。約6万人の社員1人1人が自分の職場で環境負荷を減らすために、何ができるかを考えて取り組むもので、環境意識の向上も目指している。


 2004年度から試行を開始し、2006年度末現在で本社、各支社、各駅、工事事務所など約2000職場で展開中。「『私の環境行動目標』を設定」(秋田支社秋田総合車両センター)、「エコアイディアの募集・実施」(仙台支社山形運輸区)、「マイバッグ&マイ箸運動」(横浜支社矢向車掌区)など、できることから着実にエコ活動を実践している。


 同社では今後、目標未達成の項目についても取り組みを強化するとともに、グループ会社と一体となった環境経営を目指して、各社の事業形態に合わせた環境活動の深度化にも取り組んでいく方針。

JR東日本のエコロジー対策がかなりのものだと言う事がわかりますね。ただ、これだけの取り組みが出来るのは資本力のある鉄道会社だけで、中小私鉄や三セクなどはなかなか取り組む事ができないでしょうね。国もてこ入れをして、国家ぐるみで活動を推進すれば、早期にいい結果が出るでしょうね。


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