くろしお鉄道事故で国交省
居眠り運転の可能性
100㌔超え駅進入
第三セクター「土佐くろしお鉄道」の特急列車が二〇〇五年三月、高知県宿毛市の宿毛駅で駅舎に突っ込み、運転士が死亡、乗客ら十一人が重軽傷を負った事故で、国土交通省航空・鉄道事故調査委員会は二十七日、最終事故報告書をまとめた。
原因について、運転士がほとんどブレーキをかけず、時速百㌔を超える高速で駅に進入、列車自動停止装置(ATS)も間に合わなかったとした。居眠り運転の可能性を指摘したが、運転士に何が起きたのかは解明できなかった。
また、宿毛駅のような終着駅では、高速で進入しても安全に停止できるよう、ATSの適切な設置や機能向上を求める「所見」も盛り込んだ。
報告書によると、特急「南風17号」は、宿毛駅の車止めの約二百九十㍍事前にある信号が注意表示で、制限速度は時速四十五㌔だったのに、信号から駅手前まで平均百十三㌔で走行。
遅くとも車止めの手前約百九十㍍にあるATS地上装置を通過した際には非常プレーキが作動したが、速度がATSの想定を大幅に超えていたため止まらず、九十五-八十二㌔で車止めに激突、駅舎に突っ込んだと推定した。
列車の異常や気象などの外的要因がなく、事故調委は何らかの原因で運転士が正常な運転ができない状態になったと指摘。運転士がインフルエンザのため事故前日までの六日間休んでおり、事故の約一時間前には弁当を食べていたことなどから「眠気を催しやすい状況だった可能性がある」とした。医師に処方された薬の影響は否定した。
一両目が大破したため車内のブレーキ記録などが回収できず、車両が大破しても記録が回収できる構造とすることも求めた。
事故後、土佐くろしお鉄道は、宿毛駅手前五カ所にATSを増設している。
想定外の事故と言っても、お客さんには関係ありません。鉄道業者はお客さんを安全に目的地に運ぶ義務があります。結局いつも事故が起きてから対策を行う有様で、これなら事故は減らないと思います。想定外の事を予想するのはとても難しい事で、滅多に起こらないような事故対策に、多額のお金を使うのは、赤字体質の鉄道業者ではなかなかできる事ではありません。もっと国も考えるべきですし、援助も必要でしょう。難しい問題があるからなかなか事故を撲滅する事が出来ないんでしょうね。