厳しい経営環境が続く第3セクター
経常黒字計上は4社
輸送人員は30社が減少
協議会加盟36社06年度実績
第三セクター鉄道等協議会(会長・根本茂太会津鉄道社長)は7月20日、会員36社の2006年度(平成18年度)輸送実績と、関連事業を含む経営成績を発表した。輸送人員は30社で減少、経営成績も32社が経常損失を計上するなど、厳しい経営環境が続く3セク鉄道の現状が浮き彫りとなった。
自助努力は限界に
全体の輸送実績は5523万人で、前年度に比べ832万人(13・1%)減少した。これは、2005年に開催された愛知万博で、愛知環状鉄道の旅客輸送が急増したことの反動による影響が大きい。同社を除いた輸送実績は4357万人、前年度比32万人(0・7%)減だった。
輸送人員が増加したのは、IGRいわて銀河鉄道(前年度比34万4000人増)、北越急行(28万人増)、伊勢鉄道(20万1000人増)、いすみ鉄道(4万6000人増)、樽見鉄道(2万9000人増)、のと鉄道(7000人増)の6社。
JRからの特急乗り入れや、JRと連携した企画きっぷの販売、新駅開業などが増加の主な理由。一方、19社が前年度比3%以上の減少となった。
経営成績でみると、経常利益を出したのは、北越急行(15億911万円)、智頭急行(6億1946万円)、鹿島臨海鉄道(6669万円)、伊勢鉄道(1295万円)の4社。
黒字4社の経常利益は計22億800万円で、全体では前年度に比べ黒字会社は1社減ったものの、額は1億3000万円増加している。赤字32社の経常損失は計36億8700万円で、前年度より2億6000万円膨らんだ。
3セク鉄道の今後の運営方針について、同協議会は「各事業者の自助努力による経営維持は限界に達している。多額な費用を必要とするインフラ部分を別管理する『保有と運行の分離』への移行も選択肢の1つ」としている。
第3セクターはJRから見放された鉄道って言う感じが強いけど、地元の足を守るために沿線市町村や県を中心に運営されてるんですよね。当然採算に合わない路線が多いわけで、企業努力では限界が見えてるのは当然だと思います。今後もこれらの鉄道が生き残っていくには、国の抜本的な支援が必要だと思うけど、どうなんでしょうね?