水に降る雪

おもに宝塚、そして日々のこと

舞台「刀剣乱舞-綺伝いくさ世の徒花」

2022-06-04 | OG

超今更ですがGW中に観た、かいちゃん(七海ひろき)がガラシャ役で出演した舞台「刀剣乱舞-綺伝いくさ世の徒花」について。

 

2年前、コロナで宝塚も含め演劇界が中止の嵐にみまわれる中、いち早く上演にこぎつけたのが刀ステでした。

けれど出演は主要キャストのみ、フェイスマスクを着けてソーシャルディスタンスを取るなど、大幅な変更を加え、

別の本丸の報告書としての科白劇として上演されました。それを本来の形に戻し、完全版として上演されたものです。

 

とはいえまだまだ頻繁に公演の中断が起きる中での上演で、さぞ神経を使われただろうと思います。

科白劇は東京だけだったので映像でしか見れませんでしたが、今回は大阪公演があって無事に観ることが出来て良かったです

 

演出の末満さんはイケコ氏と同じ人種のようで舞台機構があれば使う主義の方だと信じてましたが

花道横の一列は空けてありましたが期待通り、新歌舞伎座の花道やセリを使った演出が楽しかったです

(末満さんに宝塚大劇場の舞台機構を使わせてあげたい

 

花道は下手寄り、お席は割と前方でしたが花道の下手側でしたので、

舞台奥のスクリーンが若干見切れるところもありましたが、見やすかったです。

何より花道のすぐそばで、刀剣男士や時間遡行軍などキャストの皆さんが駆け抜けられる度に風を感じる

客席降りや客席登場はまだ復活していませんが、花道があるのでキャストの皆さんをすごく近くに感じられてワクワクしました

日常が戻りつつある現在、早く客席を使った演出が復活してほしいな、と思います。

 

科白劇から2年の間に、ステアラでの「天伝」「无伝」連続公演を経ているので、映像の使い方や、

舞台の使い方に影響がみられました。転んでもただでは起きない!

 

綺伝は細川忠興とその妻ガラシャの愛憎を発端に、キリシタン大名、天正遣欧使節が絡む歴史が改変された世界に、

刀剣男士たちが挑むストーリー。

以下、ネタバレ含みます。

 

 

 

 

 

 

 

 

基本的なストーリーは科白劇と同じですが、出演者が増えることによって、省かれていたものが書き込まれ、

より重層的になり、見ごたえがありました。

また、この間に他の現場で経験したことを経て、役者さん自身もそれぞれ成長してお芝居が深まっていることに感動しました

 

特に山姥切長義役の梅津くん。「慈伝」の時は殺陣が初めてで袖で待っている時、めちゃめちゃ緊張すると言っていたのに、

「綺伝」ではキレもスピードも増していて、魅せ方も上手くなっているのがわかって目をみはりました

そしてそれが役である“長義”の成長とも重なっていることに、娘と二人で感嘆してました

プライドの高い長義は自分の弱さを、たとえ些細なことでも認めるのが嫌で、

下戸なのに「酒は飲まない」なんて言ってたんですよねでも今回の出陣では、あっさり「飲めないから」と断ってました

 

梅津くんの殺陣が上手くなっているのも、山姥切国広が旅立った後、

長義が努力して場数を踏んで、経験値を上げたからだなと思えましたし、

部隊長の歌仙くんをしっかり支える、頼もしい存在になっていました

 

そんな中で地蔵行平の星元裕月くんは、前回と変えて来たのがはっきりわかる演じ方でした。

末満さんの指示なのか自発的なものかはわかりませんが、別の本丸の地蔵行平という設定なのでアリなんですよね。

科白劇の時は台詞回しがもっと激しくて、美少女なビジュアルに対して「声低っ」ってなりました

(中の人はリアル男子ですけども)

「綺伝」では、もう少し高めで柔らかい声と話し方だったので、前回は逆にそういう作り方だったんだな、ということがわかりました。

 

地蔵行平の思いがけない行動は、ガラシャの夫忠興と父明智光秀の二人が元の主であったことからきたものでした。

ガラシャもまた地蔵行平が刀剣男士でありながら自分を斬らず、また父の刀だったことを知って、心を開いていきます。

姉弟のような関係性なんだけど、ガラシャの方が振り回す側なことに、なんか萌えました

科白劇の時には出来なかった、手をつないでの逃避行何かと気を使ってくれるし、女子的に憧れるシチュエーションでは

 

時間遡行軍に唆されて歴史を変えるきっかけを作ってしまった彼女ですが、繰り返される時の中で

心の中に迷いが生じていた、から地蔵行平についていったのかなと思います。

そして待っていたのはやはり夫の忠興だったんでしょうね

 

たとえ襤褸をまとった変わり果てた姿になっていても、自分を斬りに来たのだとしても、嬉しかった。

忠興に出会った時、それを悟ったから自ら斬られようとしたのかなと思います。

男女の関係ってホント一筋縄ではいかないわ

でもそこで高山右近が余計なことを余計にややこしくなったじゃないの~

結局隊長である歌仙兼定が、人ではなくなったガラシャと対峙しなければならなくなったという

 

確かに愛し合う二人を引き裂いた歴史は、無粋かもしれない。本能寺の変で二人の関係性は大きく歪んでしまったのだけれど。

でももし本能寺が無かったら、二人が幸せに一生を送れたかどうかは誰にも分らないのよね

 

歌仙兼定は茶人としても名高い戦国大名細川忠興の刀だったので、「雅を愛する文系名刀」を自称しています

実際そうなんだけど、気性の激しさ苛烈さも受け継いでいるところがあって、元主に対して屈折した想いも抱えているんですよね。

 

わだっくまさん(和田琢磨)のお芝居、科白劇の時も思いましたが、ほんと好きだな~

経験を積んできた隊長として、私情を挟まない厳しさもあるけれど、

幸せだった頃の二人の話をする時の、思い出している表情がホントに優しくて

ガラシャが唄う子守唄に合わせて、刀の柄を指で軽くトントンしてたり、

二人が話すそばで、一生懸命互いの気持ちを伝えてとりなそうとするとことか、

もしかしたら刀としてそばにいた時、実際にそういう気持ちを持っていて、もどかしく思ってたりしたかも、

って考えたら切ない気持ちになりました

 

かいちゃんのお芝居も凄く良くなってて、演出の末満さんに前回より断然いい!と褒められてました

なので、照明増やした、って言われてましたね

凄い存在感で、熊本に来る前の玉さま、キリシタンの国の盟主としてのガラシャ、

そして人ではなくなったガラシャとそれぞれで声の出し方から違っていました。

 

最後の大立ち回りで薙刀を振り回す、かいちゃんカッコ良かった~

その薙刀、逃避行の途中で袖から飛んで来るのをキャッチして、ガラシャの立ち回りが始まります。

科白劇の時はお稽古場で上手くキャッチ出来なくて、忠興役の早乙女さんに投げて貰ったら出来るようになった

というエピソードがありました

前回は楽で落としてしまったらしくて(リアタイしてないので、差し替えられた映像しか見てないんですが

でも今回は失敗したという話は一度も聞かなかった気がします。

今回も投擲は早乙女さんにお願いしたんでしょうかね

 

 

刀ステは、一応今回で伏線が回収されて、次回から新展開になる、という話だったんですけどね~

やっぱりよくわからないところがありますし、意味深なワードがいくつも出て来ましたし、

怪しいキャラも出てくるしでちょっと~って感じですどうなるんでしょうね

早く三日月宗近を救い出して下さいね~

 

そして拡樹くん、お誕生日おめでとうございます

(間に合った~


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