水に降る雪

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舞台「刀剣乱舞」山姥切国広単独行-日本刀史 ①

2023-12-01 | 演劇

舞台「刀剣乱舞」山姥切国広単独行の感想。

 

情報解禁があった時、「単独行」ってことは刀剣男士は山姥切一振りなの?

もしかして今まで刀ステに出てなかった刀剣男士が現れるとかないのかな

歴史上の人物と時間遡行軍だけでお話作れるの?刀ミュみたいに歌ったり踊ったりもしないし、なんて思いました

 

それに日本刀史?にほんとうし?・・・「史?」いや歴史好きではあるけれど、劇場でそれを見たいかと言われるとね~

面白いのかな(半信半疑)

劇中で山姥切も「俺は歴史を勉強しに来たんじゃないんだ!」って言ってましたが、同じ事を思いましたよ

けど、メッチャ面白かったですもっと末満さんを信頼しろよ、ってことですよねごめんなさい

演劇としても面白い表現がいろいろあってワクワクしました

 

そして歴史上人物や時間遡行軍など、何役も演じられたアンサンブルさんたちは、

いつもですけど今回もホントに素晴らしかった

皆さん素晴らしかったんですが、最初に三郎信長を演じられた中嶋さんが超上手い

やんちゃで粗野で生命力に溢れているけど、どこか底知れない三郎信長。

抜群の存在感と説得力で、うっかり惚れそうになりました

 

いくつかの劇団から呼ばれてたようで、こういう人たちが支えてくれるの贅沢だな~と思います。

劇団側にとっても興味を持ってもらえるきっかけになればいいですよね

以下、ネタバレありますよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

慈伝で修行の旅に出て、綺伝で長義に「あいつはどこをほっつき歩いてるんだ」って罵られてた山姥切国広の旅を描く今作。

修行を終えて帰ろうとして、まだ帰れない、三日月宗近が何を考えていたのか知りたい。

三日月や俺たちが何のために戦っているのか知らなければならない。

と言って会いに行くのが元服して間もない「尾張の大うつけ」織田三郎信長

 

刀ステ本丸の戦いのあちこちに信長の影響がありましたからね

「織田信長とは何者なのか」という第1作、虚伝の問いに立ち返えり、その生き様を見届けようとする山姥切。

ところがやっぱりというか、若造でも食えないのが信長で

名言と意味深ワードを連発してきて、一般的にイメージ出来る信長らしい信長のようでいて斬新でもある。

でも信長ならこういうことを言うかもしれない、と思ってしまう信長像なのが凄いなと思いました。

 

生き様も死にざまもワシだけのものだ、お前に許されるのは思いを馳せることだけだ、と言い放つ信長。

知ろうとすればするほど実像はおぼろげになり、真実から遠ざかる。

理屈に囚われていては見えるものも見えない。

たとえ真実にたどり着いても、それは知ったつもりになっただけだ。

お前は知りたいのではない、納得したいだけだ。

だから思いを馳せろ

 

そしてこの信長は自身が天下統一を目前に、本能寺で死ぬことを知ってもビクともしない

「歴史を変えてどうなる。歴史を変えてもどうせ人は死ぬ。

だからワシは思いを馳せた情景を生き、本能寺で歴史になるのだ」

肝が据わっているというか、豪快というか、でも「信長」らしくて好き~

 

だが一つだけ決めていることがあるという信長。それは何かというと「亡骸を残さないこと。徹底的に。」

そうすれば様々な憶測を生む。本能寺を生き延びたのでは、いややっぱり死んだんだ、と。

「ワシはやがてほざかれる戯れ言が楽しみで仕方ない。

後の世にほざかれる戯れ言から生まれた、ありとあらゆる全ての信長を、ワシは許容する」

 

いや確かに日本人は信長が好きだよねマンガやアニメ、ゲームでも、小説、ドラマ、映画でも。

そのたびに違った角度から捉えた新しい信長像が、毎年のように生まれてます

この世にどれだけの信長像が存在してるのやら

「ありとあらゆる信長を許容する」という考え方は、ゲーム本体の世界観とも一致してます。

プレイヤーである審神者のいる数多の本丸、そしてそこにいる同じ刀を、別本丸、別個体として認識してるのが。

だからメディアミックスで生まれる新しい本丸を、ほとんどの審神者が抵抗なく受け入れられるのが凄いなと思います。

 

更に三郎信長は「歴史とは所詮戯れ言よ」と言い切ってしまいます。

山姥切が「戯れ言だと?」とムッとすると、「言い方を変えれば、歴史とは物語だ」

って、ええ~っ それはまぁ視点を変えれば、そう言えなくもないかもしれないけど・・・。

禺伝で光源氏を演じてた名も無き男が、自分を犠牲にして「物語を歴史へ!」変えようとしてたのはどうなるの~


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