宮林幸江・関本昭治 日総研 2008
看護師、医師、NPO在宅緩和ケアセンター所長による共著。
グリーフケアの歴史的背景、グリーフケアの定義といった学問的な側面から、実際の支援方法まで、幅広く丁寧に記述されている。
特に、筆者が取り組んでいる「ワークショップの実践方法」は、具体的な運営方法が紹介されており、マニュアル本としても一読の価値がある。
宮林氏の自身の悲嘆経験をもとに、繰り返しなされた綿密な調査研究をベースとして書かれているため、学問的な裏付けと実践に使いやすいいわゆる「方法論」が、とてもバランスよく読みやすい。
引用
・死別経験者は「思慕を中心とした心的反応(感情)」と「死別という現実に対応しようとする志向性(理性)」が共存している。
・日本人の4つの悲嘆反応(悲嘆反応は国ごとに、その表出が異なっている)
①思慕
②疎外感
③うつ的不調
④適応、対処の努力
(⑤死別者の怒り、罪責感)
・死別相談時の介入方法-大別して4つある
①情報的介入
②情緒的介入
③道具的介入
④治療的介入
*筆者は、看護師は①と②の介入にとどめておくべきである、ソーシャルワーカーは②と③において欠かせない存在であると述べている。
我が国においては、グリーフケアは「善意の行為」にとどまっている感がある。
診療報酬によって保障されている訳ではなく、専門教育が確立している訳ではなく、ただただ、その必要性を実感し、どうにかして支援をし続けたいと願う人達の、熱意によって展開されているように思う。
グリーフケアは、終末期ケアの一部であり、地域生活支援の一部でもあるだろう。
特化させるのではなく、当たり前のケアとして、援助計画に組み込める医療福祉従事者が増えることを願う。
看護師、医師、NPO在宅緩和ケアセンター所長による共著。
グリーフケアの歴史的背景、グリーフケアの定義といった学問的な側面から、実際の支援方法まで、幅広く丁寧に記述されている。
特に、筆者が取り組んでいる「ワークショップの実践方法」は、具体的な運営方法が紹介されており、マニュアル本としても一読の価値がある。
宮林氏の自身の悲嘆経験をもとに、繰り返しなされた綿密な調査研究をベースとして書かれているため、学問的な裏付けと実践に使いやすいいわゆる「方法論」が、とてもバランスよく読みやすい。
引用
・死別経験者は「思慕を中心とした心的反応(感情)」と「死別という現実に対応しようとする志向性(理性)」が共存している。
・日本人の4つの悲嘆反応(悲嘆反応は国ごとに、その表出が異なっている)
①思慕
②疎外感
③うつ的不調
④適応、対処の努力
(⑤死別者の怒り、罪責感)
・死別相談時の介入方法-大別して4つある
①情報的介入
②情緒的介入
③道具的介入
④治療的介入
*筆者は、看護師は①と②の介入にとどめておくべきである、ソーシャルワーカーは②と③において欠かせない存在であると述べている。
我が国においては、グリーフケアは「善意の行為」にとどまっている感がある。
診療報酬によって保障されている訳ではなく、専門教育が確立している訳ではなく、ただただ、その必要性を実感し、どうにかして支援をし続けたいと願う人達の、熱意によって展開されているように思う。
グリーフケアは、終末期ケアの一部であり、地域生活支援の一部でもあるだろう。
特化させるのではなく、当たり前のケアとして、援助計画に組み込める医療福祉従事者が増えることを願う。