中田真秀(なかたまほ)のブログ

研究について、日常について、その他。

首都大講義分析化学II14回目

2012-07-24 09:38:39 | 日記
回数が合わない気がする?
多成分系での話。同次関数の話。ギブス=デュエムの式の導出。

テストは8/6に設定。先週7/30かもみたいなこといったら既に予定くんであるといわれて
クレーム。二人の学生。出席もしてるし、レポートもまずまずなので追試することにした。
つーわけでさらにもう一回行かねば成らなくなった。

そういえば、僕が気胸で入院したとき、僕一人の為にテストしてくれた先生がいたな~
結果は良くなかったけど。

今思えば(あたりまえだが)あのときは理解するのが大変だったな。

勉強頑張ってください。

D-wave (初の実用的な量子コンピュータを出した会社) のワークショップに参加してきた

2012-07-13 12:24:03 | 日記
理研セミナーで、D-wave (初の実用的な量子コンピュータを出した会社) のワークショップがあったので
参加してきた。D-waveというととかく嘘くさいイメージがあるが(失礼)、意外とまじめだった。
こういう荒野としか思えないところを切り開き突き進む企業は大好きなんで個人的には大プッシュなのだが...

ちなみに僕はquantum computerを使っても量子化学の問題が本質的には速く解けないことを直感し、
この荒野からは撤退してしまった(もしそうならSpin glass or Max-cut problemがQCで効率的に解けるはずで、しかし
すべての状態が縮退した試行状態から波束を収縮させたとすると、相関が無い故どの固有状態も等確率で出てしまって、
基底状態を優先的に出すことができないのである。でも理論的には証明できなかった。アホだからw)。
実際コレは後ほど証明されちゃって、QMA-completeなどという新しい問題の複雑さのクラスまで生み出してしまった。要するに
NP-hardのquantum computer版である。でも2005年に
Asupru-Gruzikはこの荒野に乗り込んで、量子化学ならばHartree-Fockがよい近似解として得られる(ことが多い)ので、QCをつかうと
基底状態の問題が解けるとした。講演はハワイの学会でHead-Gordonがやってた。で、質問したら「我々NP-hardの問題を
解いたとは一言もいってない」と返された。やっぱ騙されてたw と思ったけど興味津々なのである。

時間的にキツかったため全部には参加せず以下の二つだけ。

> Title: Performance Benchmarking
> Title: Applications for Adiabatic Quantum Computing

結論から言うと、まだかなり実用的には遠いと思った。

まずqubitの実装だが、8qubitがunit cellをなっておりそこはfull entangleしている。
それをタイルにして並べ、128qubit実装したといっていた。
タイル同士は2qubit分だけつながっている(connectivity)だけで、128qubitといえども128qubitがフルにあるかというとそうではなかった。
今後512qubitのマシンを作るとのことだったが、connectivityは上がらないとのこと。
タイルをまたいだqubit同士のentangleは弱い、つまり無いところもある訳だが、
quantum turing machineの資格はあるとおもわれ、とりあえず問題実装はできるようだ。
ただ問題によっては必要なqubitがexponentialなオーダーでふえるかもしれないのだが、ここはわからなかった。

今のところ、量子計算機への入出力は古典的で普通にbitを読み書きしているとのこと。

次に、古典的にはNP-hardな問題をプログラミングし解いているスライドもあった。ただし、
connectivityのなさもあるので、ある程度reduceされている問題。
まず、この手の問題に量子的なアルゴリズムが有効かというと、原理的には有効ではない
と知られているので、prefactorが圧倒的に小さくなるという言い方をしていた。

古典と違うのは何回も走らせて、波束を収縮させ確率を見るところ。
問題の規模が大きくなると、分散が増えてくるのが見えた。512bitになったときどうなるか楽しみ。
pythonライクな開発キットで書いていた。

画像認識の問題への応用では、実際に古典の計算機より速い結果が出ている
とのこと。

量子化学へ応用できるかだけど今のままではちょっと難しい。connectivityがなさすぎるし確保したら
qubitがスケールしなさそう。

素因数分解は3000位までができると言ってた。ここは全然話に成らない。
(ここでqubit同士のconnectivityが気になった。スケールしないかもしれない)

楽しかったし、今後の発展が気になるところ。とにかくデカい問題を解いてほしいなぁ~とても惹かれる。

首都大講義分析化学II十二回目

2012-07-09 16:58:06 | 日記
今回はギブス自由エネルギーから相についての勉強。
こちらもためになった気がするw
相図の説明。イマイチ面白さを伝えられなかったか。

ケミカルポテンシャルを定義。
これはどっちからどっちに粒子が流れるかということをしてる。

中間テストを返却、まーできることできない学生がいて大体8割程度
とっていれば問題は無かろうが、ギリがちょっと、明らかにできてないのもちょっと。
明らかにできてないのはまぁ、仕方ないが落ちてもらうだろうな。