中田真秀(なかたまほ)のブログ

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縮約密度行列の変分法(I)

2010-06-02 11:06:24 | 日記
量子化学の私の研究について、なるべく一般の方にも、わかりやすく書いてみようと思います。おそらくご専門の方でも難しいと感じられるかもしれませんが、おそらく、量子化学、核物理、物性物理、量子情報、をご専攻の方にはすぐご理解いただけると思われますより具体的には生成、消滅演算子をもちいた量子論の知識があればわかるよう書けますので、それを読者の方に、仮定いたします。

自然を表すには現在のところ量子力学がすべてです。これに反する実験結果は出ていません。そして自然には二体力までしかありません。特に化学、物性物性では、クーロン力が支配的ですので、それを思えばよろしい。したがって、二体の縮約密度行列というのがあれば、エネルギーなど、物理量をすべて求めることが可能です。波動関数は、系の大きさが大きくなれば、変数の数が増えてゆき、どんどん大変になってゆきますが、2体の縮約密度行列は、変数の数はいつでも四つです。系の大きさによりません。これは2-RDMなどと、呼ばれることもありますし、二次の縮約密度行列と呼ばれることもあります。

したがって直接、二体の縮約密度行列、これを基本変数とし、量子化学、多体の量子論を構築しようという、試みなのであります。

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