7月16日午後、北海道大雪山系トムラウシ山(2141m)で、登山中のパーティーが悪天候のため山頂付近で動けなくなり、結局10人の死者を出す遭難事故になってしまいました。死因は低体温症・凍死とみられているそうです。
残念な結果になってしまいました。トムラウシ・遭難と聞いて、ある本を思い出したので紹介しますね。
「ドキュメント 気象遭難」羽根田治著(山と渓谷社)2003年発行 1600円
奇しくも、この本の中に夏のトムラウシ山で低体温症による遭難事故の話がありました。2002年7月11日、台風による荒天の中、山行を決行した2つのパーティーに死者が出てしまいました。登山を継続するか下山するか、または停滞するか決断するときの状況・経緯が関係者からの取材で詳しく記されているので大変参考になります。
今回は、台風ではありませんでしたが、北海道を低気圧が通過していました。リーダーの判断ミスが遭難を招いたということなのでしょうが、事はそう単純ではないのかもしれません。公募パーティーということでしたが、体力や技術にも個人差が大きく、個々の思いを持って参加しており、意思疎通ができにくい面があり、また日程を変更しにくいプレッシャーもあります。こんな即席パーティーでは、平素は良いでしょうがトラブルに遭った時に対応が難しくなります。
以前、北アルプスの山域で私が目撃したお話・・・・ 一人の山岳ガイドに率いられた十数人のパーティー。ガイドが参加者を怒鳴り散らしていたのです。近くにいた私も気圧されるほどの剣幕。「お客さんに怒鳴るなんて」とも思ったのですが、話の内容から、参加者が勝手な行動をして隊列が伸びてしまったようなのです。自分勝手な即席参加者を安全にまとめるのは大変なことなのでしょうね。それに、参加者の装備。ガイドは「何が遭っても大丈夫!」という感じの装備なのに対し、何人かの参加者は、「どこか町中散歩ですか?」みたいな。このギャップにも笑ってしまう程のおかしさがありました。公募パーティーは、一人では難しい山にも気軽に登れる魅力はありますが、その危険性も感じた今回の事故でした。
残念な結果になってしまいました。トムラウシ・遭難と聞いて、ある本を思い出したので紹介しますね。
「ドキュメント 気象遭難」羽根田治著(山と渓谷社)2003年発行 1600円
奇しくも、この本の中に夏のトムラウシ山で低体温症による遭難事故の話がありました。2002年7月11日、台風による荒天の中、山行を決行した2つのパーティーに死者が出てしまいました。登山を継続するか下山するか、または停滞するか決断するときの状況・経緯が関係者からの取材で詳しく記されているので大変参考になります。
今回は、台風ではありませんでしたが、北海道を低気圧が通過していました。リーダーの判断ミスが遭難を招いたということなのでしょうが、事はそう単純ではないのかもしれません。公募パーティーということでしたが、体力や技術にも個人差が大きく、個々の思いを持って参加しており、意思疎通ができにくい面があり、また日程を変更しにくいプレッシャーもあります。こんな即席パーティーでは、平素は良いでしょうがトラブルに遭った時に対応が難しくなります。
以前、北アルプスの山域で私が目撃したお話・・・・ 一人の山岳ガイドに率いられた十数人のパーティー。ガイドが参加者を怒鳴り散らしていたのです。近くにいた私も気圧されるほどの剣幕。「お客さんに怒鳴るなんて」とも思ったのですが、話の内容から、参加者が勝手な行動をして隊列が伸びてしまったようなのです。自分勝手な即席参加者を安全にまとめるのは大変なことなのでしょうね。それに、参加者の装備。ガイドは「何が遭っても大丈夫!」という感じの装備なのに対し、何人かの参加者は、「どこか町中散歩ですか?」みたいな。このギャップにも笑ってしまう程のおかしさがありました。公募パーティーは、一人では難しい山にも気軽に登れる魅力はありますが、その危険性も感じた今回の事故でした。
山に限らず、現代人は自然にさらされても生きて
いける知恵は忘れている生き物だという事を
たまに思い出さなくてはいけませんね。
「平和ぼけ」という言葉があります。常日頃、さらされていない危険は無いものと考えがちです。想像力の欠如とも言えるかもしれません。国語力、読書が必要なのだと思います。