ぴよこ日和

いらっしゃいませ。
きたむーです。
お芝居、ライブ、お笑い大好きです。

パッチギ

2006年03月26日 | 観た
2本立てのもう1本がこの「パッチギ
こっちが観たかったんですよ。

「パッチギ(박치기)」とは頭突きの事。
1968年京都。
高校生の康介と朝鮮学校の生徒達が繰り広げる青春グラフティー。
一言で言うと簡単だけど、これがめちゃめちゃ良かったー!



朝鮮半島の悲しみを歌った「イムジン河」のメロディーがバックに流れ、
康介と、康介が一目ぼれした朝鮮学校の女生徒キョンジャ、
キョンジャの兄のアンソン、アンソンの舎弟達が、
日本と朝鮮に横たわる溝、朝鮮の南と北に横たわる溝を感じながら、
若く有り余る力を、喧嘩と恋に注いでいく。

写真のシーンは一番ジーンと来たシーン。
朝鮮に帰ると言うアンソンの送別会で、康介とキョンジャがイムジン河を合奏する所です。
イムジン河の歌詞を考えながら観ていると、泣けてきて泣けてきて仕方ありませんでした。
当時は発売禁止になった曲らしいのですが、
南北の分断は朝鮮半島だけではなく、日本に連れて来られた在日一世、二世達の問題でもあったと言う事なのでしょう。

イムジン河で分断されてしまった祖国。
河の向こうに足を踏み入れる事も出来ず、
河の向こうにいる愛する人々と会う事も出来ず、
出来る事と言えば、河を挟んで泣く事だけだったのでしょう。

今現在も、北朝鮮の問題は山積みで、朝鮮半島の悲しみも癒されていません。

~~♪ かなしくてかなしくて 
       とてもやりきれない
         このやるせない モヤモヤを
           だれかに 告げようか ♪~~

イムジン河を歌ったフォークグループ「ザ・フォーク・クルセダーズ」の
「悲しくてやりきれない」の一説ですが、
どんなに悲しくても、どんなにやるせなくても
人間はそれを抱えて生きていかなければなりません。

明日、必死で生きていく為に、
今日、必死で生きるのでしょう。

人間の愚かさを、井筒監督は愛一杯に描いていました。
この映画のどのシーンを観ても、井筒監督の愛を感じました。
この前の日本アカデミー賞で、この映画が作品賞も監督賞も取れなかったなんて!
日本映画界には目の開いている人が居ないのでしょうね。

たくさんの人に観てもらいたい映画、何度も何度も観たい映画です。
今の所、今年のベスト1ですね。

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2 コメント

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私も最近見ました (まろ)
2006-03-29 20:51:45
奇遇ですねー

私もつい最近見ました。ホント強烈な映画でした。

色々と考えさせられる映画でした。



TBさせてもらいますねー
返信する
いい映画ですよね (きたむー)
2006-03-30 21:01:56
まろ様

TBありがとうございます。

本当にいい映画でした。

実は次の日、うちのダンナさんとまた観に行ったんですけど、

同じ所で涙が出てきました。

この映画で「泣けなかった」なんて言う人が居たら、

きっとその人は想像力が欠けてるんでしょうね。

日本がもし分断されて、会いたい人にも会えなくなってしまったら・・・

考えるだけでも恐ろしい事です。
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