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新国立競技場のA案 大成建設、梓設計、隈研吾の優先権は施工準備態勢と判明、ザハ対応とRFPに課題

2015-12-30 04:34:34 | 都市計画

 個人的には、B案竹中・大林に伊藤豊雄で決まりと思っていた。報道では「施設のユニバーサルデザインや木材を利用した日本らしさ、屋根や観客席の構造の面ではB案がA案を上回っていたが、逆に配点の高い事業費の縮減や工期短縮などの面で、A案が大幅に上回た結果、610点対602点でA案が選定」とある。その差異は工期の評価でついた。

 よく判断がわからない。もしRFP( https://en.wikipedia.org/wiki/Request_for_proposal )か採点基準が明示されていたら(いたのかもしれない)もっと提案の整合性や合理性が確保されたであろう。後出しじゃんけんみたいだ。特に、工期で大幅な得点差は「もしや」と思う。

( 参考:http://blog.goo.ne.jp/n7yohshima/e/ae222f45f32e93e3dce5cfcdf4ad0714?fm=rss )

 しかしザハの設計に比べると、カブトガニの茹でたのと、小海老と小柱のかき揚げくらいの大きな違いがある。かき揚げで似ているのはA、B案の共通で、素材の違い位しかない。おそらく、揚げやすい小海老のA案になったのだろう。(小柱は揚げにくく、値段も高い)お味より、提供のしやすさのような感じだ。

 隈研吾(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9A%88%E7%A0%94%E5%90%BE )は外連味があり好きではない。それはM2ビル( https://ja.wikipedia.org/wiki/M2%E3%83%93%E3%83%AB_(%E4%B8%96%E7%94%B0%E8%B0%B7%E5%8C%BA) )に呆れたのもあるが、最近の設計もねじりや重ねが多く、形のお遊びみたいだ。嫌いな作家は、住めると思えない安藤忠雄や、どんどん壊される高松伸だが、外連味で通じている。

 伊藤豊雄( https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BC%8A%E6%9D%B1%E8%B1%8A%E9%9B%84 )も特に好きではないが、周辺環境や都市への配慮と独自性を感じる。しかも独自で良いと思う妹島和世(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A6%B9%E5%B3%B6%E5%92%8C%E4%B8%96 )、SANNA( https://ja.wikipedia.org/wiki/SANAA )の師匠でもあり、菊竹スクールの後の伊藤スクールを形成している。

 怒れる槇文彦の成果でザハが取りやめになり、急なスケジュールに関わらずまあまあの手堅い和風設計になったのは喜ばしい。

 工期・工法・コストを担当したであろう大成、梓設計は、どうもザハの骨格を生かしていたらしい。コメントは差し控える。

  全く関係ないが、大成、大林、清水、大成の社長が東京大学工学部建築学の内田祥哉( https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%86%85%E7%94%B0%E7%A5%A5%E5%93%89 )研究室で隈謙吾も同じ。なお審査委員長も村上東大名誉教授だ。(竹中工務店の社長も東大だが都市工)

 今回は東京オリンピックのヒール(悪役)である森元首相(早稲田)が、「B案がいいと思う」という失言をしたのがB案の敗因ではと訝る

 それにしても不気味な形の背の高い料理よりも、こなれていないが馴染みの料理が出るほうが「まし」だ。大体は、前回のコンペで安藤忠雄が最終2案の段階で「SANNAは問題があるようにも思えザハで」とかしたのが混迷の原因だ、挙句にSANNAの優れたデザインも失ってしまった。そのうえ安藤は「決定者ではなかった」とかで伊勢海老のように後ろに引っ込んだ。前に出るのがボクシングの矜持だろうとも言えないのがもどかしい。

 迷走の上、国家的な良いデザインを失った。


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