漫筆日記・「噂と樽」

寝言のような、アクビのような・・・

憲法違反は明白なれど

2010年11月18日 | Weblog
もし今、国会で、

「一票の価値に男女差を取り入れる、
 今後の選挙に於いて、
 男の票は女の票の5倍の価値が有るものとする」なんて決めたら、

これは、日本中が大騒ぎになること間違いなし。

男女差にかぎらず、学歴や納税額で一票の価値を決めても大騒ぎ、

なぜなら日本国憲法に、
「法の前に国民の権利は平等」とうたわれている以上、
そう云う「一票の格差」は、明確に「憲法違反」となるからなのであります。

処が不思議なことに、
一票の「地域格差」については、裁判所は長い間「合憲」と判断し続けてきた。
   
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1票の格差5倍「違憲」 
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7月の参議院選挙をめぐり、
最大5倍もの「一票の格差」は、憲法違反だとして、

選挙無効を求めた訴訟の判決が、
17日、東京高裁であり、
裁判長は「不合理である」として「違憲」の判断を下した。

ただし、同じ日、
同じ高裁で開かれた別の訴訟では、別の裁判長が「合憲」の判決を出した。

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同じ選挙でありながら
違憲と合憲に分かれたのは、「明確に違憲」と言ってしまっては、

選挙のやり直しが必要となるし、
場合によっては、正統性の無い議員によって決議された法律も無効にせねばならぬ、

それでは国政が混乱する、と配慮した裁判官もあってのことだろうと思う。

今までにも違憲判決が出たこともあるのですが、
その時は判決までに年月が経ち過ぎていて、

すでに次の選挙が行われたあとであったりして、
実際に「一票の格差」が問題になって選挙がやり直されたことはない。

今回の判決は、
今年行われた選挙への違憲判決なのですから、今なら再選挙は可能かもしれないが、

ただし、この裁判も最高裁まで行くでしょうから、
何年か後に違憲判決が出ても、うやむやになってしまうのでしょうね。

この10月に設置された「選挙制度の改革に関する検討会」は、
定数改革をも含む、
公職選挙法の改正を目指してはいるのだが、
野党のみならず、与党民主党からも異論続出で、議論はほとんど進んでいないのだとか。

私が思うに、
そもそも国会議員の選挙区割りや定数是正を国会で決めようと云うのがムリな話なのだ。

だれが自分のリストラや給料ダウンに賛成するものか。

きっと、この改革を実行するのは、
「我が身のことしか考えない」有象無象(うぞうむぞう)の国会議員ドモでなく、
「首領(どん)サマ」や
「国家主席サマ」のような独裁者がむいているのだろうけれど、

そんな強権政治よりは、
まだ衆愚政治の方がマシか、と思ったりして、溜息をついたのであります。





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