朝、散歩道の途中にある、
住宅の勝手口で、
頭に「ヤ」の付く乳酸菌飲料を配達するオバサンが、
クーラーボックスを積んだ配達用の単車を、
堂々と道の真ん中に停めて、
「デカくなったな」と大声、
中からオジイサンが、
「そうやろ、まだ三ツキやねん」とうれしそうな返事をしてる。
オバサンが手にしてるのは写真らしいから、
どうやら、この家のオジイサンの孫自慢に付きあってるらしい。
しかしナンです、
乳児をを誉めるのに「デカい」と言うのかい、
いまごろは。
そんなことに感心しながら歩いていると、
おっと危ない、
私の前へ軽のワゴンが割り込んできて急停止。
おいおい、それでは右側駐車、
「法令違反ですぞッ」、っと、ムカッとしたら、
バタンとドアが開いて、
なにやら荷物を抱えたオバサンが飛び出し、
アッと云う間に、マンションの外階段を駆け上がって行った。
その雄大なヒップを眺めながら、
口アングリ、
腹癒せ代わりにワゴンを睨みつけたら、
クルマの腹には、頭に「ワ」の付く居酒屋チェーンの名前、
ははぁ、あそこは老人向け弁当の宅配もしていたな、
それでは法令違反もムリはない。
なにしろ、
あそこの親会社は名うてのブラック企業だもんね。
しかしナンです、
今の日本は元気なオバサンと、
小金を持った死なない年寄りとで、
生きながらえてるのだと、
沁み沁み実感しながら家路につきました、とさ。