漫筆日記・「噂と樽」

寝言のような、アクビのような・・・

「麒麟」の浮き沈み

2017年05月27日 | テレビ 映画 演芸
関西だけの放映だと思んですけど、
過日、漫才コンビ「麒麟」のお二人が出て、

インタビューされてる番組がありましてね、

再放送だったんですけど。

吉本入っての下積み時代を経て、
やっと、テレビで売れ出したころ、

例の「ホームレス中学生」が爆発的ヒット、

ベストセラーにもなり一気に仕事が増えた。

ただし、著者、田村裕さんだけが。

川島さんも相方として呼ばれることもあるけれど、
添え物ですからね、ピンマイクも付けてもらえないような扱い。

当然、落ち込む分けですが、
何よりもつらかったのは、扱いがどうのこうのより、

「漫才がまるで受けなくなったこと」、だったそうです。

田村さんは、どこのテレビに出ても、
「ベストセラー作家のセンセイ」と云う扱いですからね。

劇場に来る客も、
普段テレビ見ていて、そういう意識があるから、

川島さんが、
ギャグのつもりでからかうと、

そんなことないやん」、
「頑張って来たのに、あんなこと言われてかわいそう」、

で、シ~ン、
誰も笑ってくれない。

これはツラい、
ことに台本書いてる川島さんにはコタエル。

そういうヒマになった時期、
あまり人の集まらない所でもいやがらず、

ひとりの仕事を見つけては、
「ピンでも受ける芸]を模索し磨いた。

やがてその甲斐あって、
「Rー1」の決勝に残るなど、その成果が出だした。

そのころです、絶好調だった
「ホームレス中学生バブル」も終り、

売れっ子だった田村さんは、一気に失業状態に。

今度は、
川島さんにはボツボツながら、
ピンの仕事が来るのに、田村さんにはそれが無い。

いまは漫才を立て直したお二人ですが、
「あの時期があったから強くなった」と川島さんが言ってました。

最初、漫才で売れ出したころは、
「暗くても、受ければいい」と思ってたそうですが、

ひとりになって、
やっぱり、お笑いの仕事を増やすためには、

基本、「明るくなければ」と気づいたそうです。

その話をテレビで聞きながら、
私が思っていたのは、

又吉さんが芥川賞作家となって、
ひとり、ニューヨークへ行った「ピースの綾部さん」。

「センセイ、センセイ」と相方を立ててギャグにし、
明るく振る舞ってはいても、

ともに笑いを築き上げてきた相方が、
その情熱を文筆活動に向けたとなると、

内心に、ツラいものはあったのでしょうね。

そのせいでアメリカへ行った、とまでは言いませんけど。



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