漫筆日記・「噂と樽」

寝言のような、アクビのような・・・

僕と妻の1778の物語

2011年01月21日 | Weblog
私は若い頃、
お涙頂戴の映画など、オンナ子どもの玩弄物と云う意識から、
メロドラマなどゼッタイ見なかったのですが、

隠居暮らしとなってから、
我が同居人ドノのお相伴でドラマに付き合ううち、鑑賞範囲が広くなった。

尤も、純粋恋愛物は相変わらず敬遠気味で、
どちらかと云うと人情ドラマに類するモノが好みなんですが。

そのころからでしょうか、
「男は泣かぬ」と云う気負いが消えてきて、
「たかがテレビドラマ如きに涙がにじむ」云う不甲斐なさを許容するようになった。

現在、テレビで再々放送されている「僕の歩く道」など、
毎日、放送時間になると
我が同居人ドノとテレビの前に並んで座り、二人で涙ぐんでいると云うテイタラク。 (笑)

その「僕の道」シリーズが、
同じ監督で映画になったと云うので、きのう今年初めての映画鑑賞に出かけて来ました。

妻が癌で、
余命僅かと宣告されたSF作家が、
「笑いは病気を押える効果がある」と聞き、
毎日一作づつの短編小説を書いて妻に読ませると云う物語、

この映画、
「僕と妻の1778の物語」のキャッチフレーズは、
「『僕の生きる道』シリーズ、待望の映画化――”実話”から生まれた奇跡の愛情物語」。

ただし映画はミラクルストーリーではなく、淡々と進みますが、
それでも観客の期待を裏切らず、

「こころよく泣かせてくれる映画」に仕上がってました。

映画館を出る時、我が同居人ドノに、
「泣いた?」と聞いたら、

「ウン、泣いた」とうなずいたあとで、
「あの映画館、トイレがピカピカやったから良かったア」とノタモウた。

思わず立ち止まって、「え」と顔を上げたら、
五・六歩さきをスタスタと、
何事もなさ気に歩いていく我が同居人ドノの後姿があった。






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