ゆうべ、涼みに出て少し歩いていたら、
五才ぐらいの女の子が、
お母さんと一緒に後から来て、小走りで追い越してゆく。
楽しそうな少女は、
花模様のジンベを着せてもらっていて、
涼しそうでなかなか似合っていてカワイイ。
遠くから風に乗って音頭らしきものが聞こえてくるから、
どうやら、自衛隊のグラウンドででも、盆踊りが行われているらしい。
盆踊りとなれば、
女の子には浴衣、と云うのが通り相場だが、
確かに五才の女の子なら、
すそがズボン状のジンベの方が動きやすかろう。
ジンベなんて、
以前はジイサンの着る物だったが、
このごろは、
男女を問わず、こどもの夏着として人気があるようだ。
デザインも、昔と違いカッコヨクなってます。
ジンベは甚兵衛、
人の名前かと思っていたら、
もともとは「陣羽織」から発したと、手もとの語源辞典にはある。
つまらないことでも気になるタチで、
家に帰ると、さっそく辞書をひいてみたのです。
で、その変遷はと云うと、
武将の着た「陣羽織」が簡略化されて、
雑兵などが着たものを「陣兵羽織」と呼ぶようになり、
これが「甚兵衛羽織」と変化して、
さらに太平の世となり、
庶民が着る「甚兵衛 (甚平)」 になった、と云うッ次第。
なるほど、してみると、
私が着るのは、そのうちの「甚平」あたりで、
少女が着ているのは、
“妖怪たいそう”も、自在に踊れる
「JINBE」と云うことにでもなるか。