漫筆日記・「噂と樽」

寝言のような、アクビのような・・・

土曜の夜の過ごし方

2011年01月30日 | Weblog
昨夜の二時過ぎ、
大阪市内にあるそのダーツバーでは、
深夜にもかかわらず、時ならぬ大歓声があがっていた。

いつもはダーツに興じる若者たちが集う店で、
いくら土曜日でも深夜となれば十人もいればいいはずの客が今夜は百人以上、

狭い店内は熱気と歓声とアルコールが入り交じり、
異常なほどに盛り上がり、若い男女が酔い痴れていた。

椅子からあぶれ、
立ったままの若者たちは、互いに肩ふれあい押しあうようにしながら、

互いの興奮を楽しむかのように一喜一憂し、
手を打ち足を踏み鳴らして喜怒哀楽を露骨に表現している。

ただし、今夜はダーツをしている者など一人もいない。

彼等は、
壁に据えられたプロジェクターに映し出されるサッカーに興奮しているのだから。

その歓声が最高潮に達していたのは、、
深夜の二時過ぎ日本が決勝点となるゴールを決めた瞬間だったのだ。

その店の入場料は五百円、
もともと酒よりもダーツが目的の店だから、アルコールを重ねる客は少ない。

しかも、今夜はダーツはしないのだから、
都会で一晩過ごすにしては、かなり割安、二千円もあればことたりる。

おまけに今夜なら、
知らない客どうしでも十年来の知己のごとくなれるのだし、

うまく行けば恋が芽生えることだって・・・。

試合が終わってからも彼等のうちの何人かは、
そこに残って、
始発の電車が出る時間まで、
アジアカップ、日本優勝の余韻を楽しみながらダーツに興じていたのだった.






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