漫筆日記・「噂と樽」

寝言のような、アクビのような・・・

三匹の侍

2016年10月26日 | テレビ 映画 演芸
そのむかし、「三匹の侍」と云うテレビドラマがあって、
そのなかで、「ニヒルな浪人」を演じて人気が出たのが、

平幹二郎と云う若手役者だった。

その平さんのまだ下積みの時代、
俳優座のすぐ上には仲代達也と云う先輩がいて、

主役はみな持っていかれるし、
なにより、演技はともかく、「顔ではアイツにかなわない」と御当人が思っていた。

かと言って、「個性で売る」には、
すぐ下の後輩に田中邦衛と云う強烈なキャラクターがいる、

「オレはいったいどうすりゃいいんだ」。

ニヒルと云うキャラクターを得るまでには、
かなりの葛藤があったとは、のちの御当人の述懐です。

その平さんの訃報が伝えられた。

今年の5月、
演出家の蜷川幸雄さんの葬儀で、弔辞を読み、

芝居のセリフを引用して、
「「僕らはまた、近いうちに再会する」と言ったそうだが、その通りになってしまった。

もっとも、「こんなに近い」とは、
御当人も思ってなかったかもしれない。

蜷川さんと云えば、
先日、女優の白石加代子さんがテレビで話してました。

ショークスピアの「夢十夜」だったかに、
白石さんが妖精の役で出て好評だった巡業のある日、

蜷川さんが白石さんの楽屋を覗き、
「加世ちゃん、今日は妖精じゃなく妖怪になってたよ」と、

ひとことだけ言って去って行ったそうです。 (笑)

なんだか、若い時から見てた人の訃報が続きます。

あ、白石加代子さんは御健在です、
なにしろ、あの方はヨーカイですからね、そう簡単に死んだりしない。 (笑)




コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。