漫筆日記・「噂と樽」

寝言のような、アクビのような・・・

大正より長くなったぞ

2009年11月26日 | Weblog
昭和から平成になった時、

小学校のある先生が、
子供たちに、
「平成はそんなに長くないよ」と、小声で言ったとか、どうだったとか、

そんなことが、近所で評判になった。

今上天皇が即位された時、
すでに御年五十六歳であらせられたから、

即位の年齢として、
調べたわけではないが、「おそらく史上最高齢」、

庶民なら定年が近いのだから、
そう云う感覚が、こう云う噂に信憑性(しんぴょうせい)を与えたのだろう。

処で、今のように、
「一世一元」と定まったのは、
明治時代、憲法と共に定められた皇室典範(こうしつてんぱん)によって、

以来、新憲法となっても、
それは受け継がれ、
新天皇が即位する時に改められた元号は、在位が続く限り変更されない。

また、明治天皇や大正天皇の如く、
天皇の諡号(しごう)に、その元号を宛てるのも明治以来の慣行となった。

その平成も来年一月には満二十年、
先日は、今上天皇、御在位二十年を祝う式典も行われた。

平成は大正より長くなったのだ。

ちょっと、面白かったのは、
このニュースを伝えた新聞各紙の社説やコラム。

朝日新聞は、
談話のうち、「戦争について」語られた部分を大きく取り上げ、
産経新聞は、
「北朝鮮による拉致被害について」の部分を書き、
読売新聞は、
「松井選手のように」と皇后さまが仰ったことを取り上げていたこと。

「他人を論評したつもりで、実は自分をさらけ出す」とは、よくある事だが、
これらの記事は、
天皇と平成について書きながら、
各新聞社の報道姿勢や体質を鮮やかに表わしている、と、感心した次第。




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