漫筆日記・「噂と樽」

寝言のような、アクビのような・・・

軍事的要衝

2013年07月24日 | 政治・経済・こぼれ話

選挙中、
社民党の候補者だったかが演説してました。

「沖縄経済は米軍機地に依存しているなどと云う人がいるがそんなことはない。
沖縄経済に占める基地の割合は5%にすぎない。
沖縄は基地なんかなくてもやっていけるんです」。

私もそうであってほしいと思う。

しかし、基地から直接はいるカネは確かにそうかもしれないが、

「基地があることによって」

日本政府が沖縄県に配慮して出している
助成金や補助金などは沖縄にとっても決して少ないものではない。

残念だが、
いまの沖縄にそのカネが入らなくなれば、
沖縄経済はかなりむつかしいことになるのではなかろうか。

沖縄には観光と云う素晴らしい資源があるが、
それとともに軍事的要衝という資源が存在することも、

好むと粉ざるに関わらず、また事実なのである。

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「沖縄は戦略的に重要なところで、
 これが沖縄の悲劇の始まりですよ。

悲劇の国になるのはそのためなんですよ。

維新の時もそうで、
太平洋戦争の時もはじめは日本の南進基地で、
後にはアメリカの日本攻略の基地になり、

今日ではあの調子で、
ずっと沖縄の悲劇は続いているわけですね。

戦術的にも戦略的にも重要な土地というものは、どうにもしようがない。

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これは今から四十年以上も前、
海音寺潮五郎氏が司馬遼太郎氏と対談した、

「日本歴史を点検する」に出てくる言葉であるが、その論旨はいささかも古びていない。

「軍事的要衝にある事実」を無視するようでは、
まともな政治家とは云えないし、本当の沖縄にも向き合えないと思う。

なお、この対談で海音寺氏はこうも述べている、

「うんと兵器が進歩して、
沖縄なぞ基地にしても意義がないということになれば別ですがね」。

しかし、アメリカは沖縄県民の反発を承知しながら、
基地を閉鎖したいとは言ってこないし、

中国などは、
沖縄やその周辺諸島に、以前にも増して強い関心を示している。

日本政府も含め、これらの国は、

まだまだ、
「沖縄なぞ基地にしても意義がない」と思うには至っていないのだ。

残念ながら。










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