先日、テレビで、
絶対穴の開かない「NWS超硬合金」対
絶対穴を開けられるドリル「MB5マグナム」と云う対決をやっておりました。
「超合金」対「金属用ドリル」と言っても、
製作局がフジテレビとあっては、当然のことながらバラエティ仕立てになっとります。
ただ、登場していた金属会社と工具会社の両社とも、
負けてはメンツにかかわるとばかり、力の入れようは相当なモノで、
どちらも「ゼッタイにこちらが勝つ」と自信満々、
双方、社長の激励や応援団を繰り出すやらで番組を盛り上げてました。
結果は
金属の半分ぐらいまで溝を掘ったものの、穴が開くところまでは行かなかったので、
この番組のルールにのっとり、超硬合金の勝ち。
ただ、ドリル側に気の毒だったのは、
削る金属の実物が対決する直前にしか見せられなかったこと。
普通、金属を削るときは、
その金属の特性にあわせて、使うドリルを決める。
何を削るか分からないのに、ドリルを選ぶと云うことは、マァ無い。
それが証拠に、
自信満々だった工具会社のエンジニアーも、
出された金属片を見た途端、「前のと違うな」と顔色がくもった。
「前のと」と云うのは、前回のテレビで登場した「超硬合金」。
専門家ですから、
「テレビで見ているだけで、アノ金属だなと見当がつき、
、これなら穴が開く」と確信する。
処が、ルール上、
超硬合金の組成を変更するのは自由だったようで、
おそらく、工具会社のエンジニアーはそれを知らなかったのでしょう、思惑が外れた。
金属のどこをどう変更したのか、
シロウトには分かりませんが、
このルールだと、ドリル側に、かなり不利なのはあきらか。
まぁ、そう云う難点はあったにしても、
金属会社や工具会社の製造現場が、テレビに登場することなど
まず期待できないから、
こう云う、工場の現場で働く人々にスポットが当たるのはいいことなんじゃないかな。
日本の経済を支えて、
全国の工場で働く、人々も嬉しかったのじゃないかな。
尚、この番組の、
「ほこ×たて」と云うタイトルは、もちろん、中国の故事「矛盾」から来ております。