漫筆日記・「噂と樽」

寝言のような、アクビのような・・・

ジャガイモもおいしいけど、ごはんも・・・。

2009年07月07日 | 食べもの
きのうの続き。

古代史の世界には、
「穀物農耕こそが文明を生む」と云う言葉があるのだそうで、

つまり、
「農耕社会から文明が生まれるためには、
 長期貯蔵が可能な穀物を、
 しかも食べきれないほど生産できることが必要だ」、と云うのです。

飢餓の恐怖から解放されれば、
支配階級が安定し、
政治体制を整えることで、治安がよくなり暮らしも安定する。

さらに
「農耕に携わらなくとも良い人々」も多数出てくる。

そう云う人々は、
道具や生産技術の進歩に専任したり、
あるいは、宗教、音楽や芸能、絵画といった活動に励む事も出来る。

やがてそこに文明が発展するのだし、
そう云う人々が居てこそ、「古代の都市文明が花咲く」、と、云う分けです。

だから、
「芋や野菜、果物などの農耕社会、
 また、遊牧、牧畜社会では、
 その生産力で、一万人以上の人々を生活させることは不可能。

 したがって、
 そう云う社会で都市の成立はありえないし、文明もまた育たない」、と云う分けです。

処が、インカでは、
ジャガイモを乾燥させることで、貯蔵を可能にした。

上の論をそのまま当てはめれば、

「ジャガイモの干物「チューニョ」を余剰生産するインカ帝国は、
 食糧生産にかかわらなくとも良い人々を生活させ、文明が生まれた。」と、なる。

なにしろ、
最近の研究によれば、
インカ帝国よりもっと古い、
古代アンデスの都市でさえ、30万人以上が生活していたそうですから。

現代人からすると、

精緻な石造りのマチュピチュを、
立派に建造するほどの技術を持ちながら、
何を好んで、あのように不便な高地、しかも傾斜地に、と思う所ですが、

インカ帝国が、
ジャガイモの干物、チューニョ有ってこそ生まれた、と分かり、
その生産には、
海抜2千m以上と云う条件が必須と知れば、

あの世界遺産、マチュピチュの空中楼閣の秘密も分かろうと云うモノです。

最後に、
山本紀夫氏著、「ジャガイモのきた道」から、もうひとつ紹介しておくと、

現在、一人当たりの「年間ジャガイモ消費量」は、

ヨーロッパで、約100㎏、
アメリカで、約60kg、

これに対し、日本人は「約25kg」だとのことである。

わたくしめはジャガイモが大好物で、
随分食べているように思うが、まだまだ世界の中では少ない方らしい。

これは、
日本人が、主食は米、と云う意識が強く、
ジャガイモを副食の一部にしか見ないことも一因だそうですが、

でも、ヤッパリ、「ごはん」は、オイシイからナァ~。




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