やさしさオンリー

優しく育てられた子が優しく育つかというと必ずしもそうではないと思います。

少年部で内腿への下段回し蹴り(所謂インロー)から上段回し蹴りor中段前蹴り、というのを色帯と白帯とで組んで稽古していたのですが一人の白帯園児が相手の金的目掛けて前蹴りを蹴っていました。毎回稽古姿勢が気になる子ではありますが偶々かもしれないのでそこから数回観察しているとやはりワザと狙って蹴っています。悪そうな笑みを浮かべて。先輩の子は優しいと言うか気が弱いというか‥な子なので直撃を躱しながら苦笑いするばかり。

そして四〜五発繰り返した所で首根っこ引っ掴んで中高一本拳によるゲンコツ。何をしているのかと訊くとお腹を狙って蹴っていた、と嘘をついて要らぬ罪をまた重ねる。我がが我ががなスタイルな子だなとは思っていましたが幼稚園児にしてこれは中々。

私はあまり叱りません。稽古姿勢の悪い子に対して二、三度は注意しますがそれ以降は基本放置。阿呆なのは個人の勝手なのでそれを選ぶならそれに口出しは致しません。話を聞かない人に話を聞かせようとしてもレールが違いすぎていて徒労。ただ私の中の尺があって、他人が迷惑を被るレベルに達した時は強引にレールを矯正しにかかりますが。ゲンコツか怒鳴るか質問攻めかはその掛けた迷惑の質に寄ります。

阿呆なら別に無理して賢くならなくても構わないと思います。ただ人に迷惑かけないぐらいは出来る筈ですしそうなってもらわないと教えている身として困ります。私は息子を叱った時偶に言うのですが、親は子がどんな子でも可愛い。でも外に出たら他人の子など誰も可愛がってくれない。可愛がられるのはよく出来た子供だけだと。

猫可愛がりされてるのだろうな、と思しき子は何か狡猾なものを隠し持ってますね。子供だから隠しきれずによくキラリと光って見えるのですが(苦笑)子供だから悪い事は必ずするでしょう。企むでしょう。けどせめて「これ以上はヤバい」という線引き、共感できる程度の倫理観は持っておいて欲しいかなと願います。




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