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祖谷渓挽歌(いやだに・ばんか)~藍 友紀(あい・みゆき)著

「2007年自費出版文化賞」大賞受賞作品の紹介およびその周辺事情など。

5-27(海軍記念日~日本海海戦・東郷元帥)

2011-05-27 15:31:12 | Weblog
.3号機の汚染水移送先、水位低下続く
読売新聞 5月27日(金)15時28分配信


 東京電力は27日、福島第一原子力発電所3号機の高濃度汚染水約3660トンを貯蔵している「雑固体廃棄物減容処理建屋」(容量4000トン)の水位が、汚染水の移送を中止してから27日午前までの2日間で10・6センチ低下したと発表した。

 同建屋と付近の建屋などを結ぶ地下通路に水がたまっており、東電はこの通路に漏れ出したとみている。建屋から通路へ出る扉などには、隙間を樹脂で埋める止水工事が施されていたが、不十分だったとみられる。

 通路は長さ70~80メートル、幅と高さがいずれも4・5メートルで、深さ2・2メートルほどの水がたまっているのを作業員が26日に確認した。その水量は約500トンと推定され、表面の放射線量は毎時70ミリ・シーベルトと高かった。

 この通路は、2号機の高濃度汚染水を貯蔵している「プロセス主建屋」にもつながっているが、同建屋の水位に大きな変化はない。東電は、通路の水位はしばらく上昇し続けるとみている。 .


* 不信任で自公が共同提案を確認 自民幹部、6月上旬提出を示唆 
産経新聞 5月27日(金)10時49分配信

 自民、公明両党の幹事長、国対委員長が27日午前、都内で会談し、内閣不信任案を今国会の会期中に共同提出する方針を確認した。提出時期は、衆院東日本大震災復興特別委員会で31日に行われる集中審議と6月1日の党首討論の結果を踏まえて最終判断する。出席者の一人は「(提出は)来週になるだろう」と述べ、6月上旬とする可能性を示唆した。

 また、中断したとされた東京電力福島第1原子力発電所への海水注入が実際は継続していた問題に関連、政府が内閣官房に設置した事故調査委員会では真相究明は不十分だとして、国会に強制権を持つ委員会を設置すべきだとの認識でも一致。自民党の逢沢一郎国対委員長は会談後、記者団に「政府・東電統合本部の発表の信憑(しんぴょう)性は地に落ちた。政府がお手盛りで作る機関では真実は明らかにできない」と述べた。

 一方、自民党の中曽根弘文参院議員会長は27日午前の議員総会で「一日も早く菅内閣には退陣してもらわなくてはならない。しっかり審議を行い、最後には参院の意思を表明することが大事だ」と述べ、今国会で菅直人首相の問責決議案を提出すると明言した。



二転三転「海水注入」…政府は東電に任せきり
読売新聞 5月27日(金)8時52分配信


 東京電力福島第一原子力発電所1号機への海水注入中断問題は、注水が継続していたことが判明し、説明を二転三転させた政府の情報の信頼性を一層傷つけた。
26日開幕した主要8か国(G8)首脳会議(サミット)に出席している菅首相に対する国際社会の視線も、厳しさを増しそうだ。

 「具体的に『誰に聞いたか』とチェックする問題意識は、なかった」

 26日夕の政府・東京電力統合対策室の記者会見で、細野豪志首相補佐官は、今月21日に海水注入をめぐる「事実関係」を発表するにあたり、東電関係者への聞き取り調査は首相官邸に常駐していた元副社長の武黒一郎フェローに任せきりだったことを認めた。

 政府は「事実関係」の発表翌日の22日にも、修正を迫られている。内閣府原子力安全委員会の班目春樹委員長が自らの発言として記載された内容に異議を申し立てたためだ。

 原発事故をめぐる検証に必要な調査や連絡を怠ってきたツケが、政府の信頼を失墜させている。

 菅首相は震災直後から東電の事故対応に不信を抱き、3月15日には首相の肝いりで政府と東電の統合対策室を設置した。だが、今回の事態はそれから2か月以上を経ても、東電との情報共有やチェック体制がなお十分に機能していないことを浮き彫りにした。

 東電が科学的妥当性よりも首相官邸の意向を重視しようとしたことは、東電の体質の問題とはいえ、首相がこだわる政治主導の危うさも見せつけた。

 にもかかわらず、政府の危機意識はなお低い。

 枝野官房長官は26日夕の記者会見で、東電の対応について、「事実関係を正確に報告してもらわないと、我々も対応に苦慮するし、国民が疑問、不審に思う」と不快感を示した。一方で、「少なくとも隠す必然性を感じられない話だ」と述べ、意図的な情報隠しではないとの見方を強調した。

 菅首相が、福島第一原発の吉田昌郎所長に「全幅の信頼を置いている」(首相周辺)ことが影響しているようだ。政府内には「結果的には注水を続けた方が良かったので、継続の判断は正しかった」との声すらある。

 しかし、国会では23~25日の3日間にわたり、衆院東日本大震災復興特別委員会などで「海水注入が中断された」という誤った事実を前提に議論が行われていた。

 政府は月内にも事故調査・検証委員会を発足させて、事故の本格的な分析・検証に着手するが、「このままでは、今後の検証作業の信頼性も損なう」との指摘は政権内からも出ている。 .





5-27(地下汚染水)

2011-05-27 02:14:53 | Weblog
<福島第1原発>3号機地下連絡通路に深さ2メートル汚染水
毎日新聞 5月26日(木)22時39分配信

 東京電力は26日、福島第1原発3号機のタービン建屋から移送した汚染水の受け入れ施設で水位の低下が見つかった問題で、同施設と別の建物をつなぐ地下の連絡通路に汚染水が流れ出し、深さ約2メートルの水がたまっていたと発表した。東電は「地下水への漏えいはないと思っている。水位が釣り合うところまで移動した後、水位低下は収まるのではないか」と説明している。

 汚染水が流出したのは、2号機の汚染水の受け入れ施設にもつながる連絡通路。汚染水の表面付近の放射線量は毎時70ミリシーベルトだった。

 また、汚染水の低下は、25日午前11時から26日午前11時までの間に1時間当たり2~3ミリ、計59ミリになった。水量は約70立方メートルに相当するとみられる。

 一方東電は26日、2号機の汚染水の受け入れ先施設が満杯近くになったとして、移送作業を停止したことを明らかにした。

【関雄輔、岡田英】


⑤-26「植草氏の知恵は・・・」

2011-05-26 15:49:59 | Weblog
植草一秀の『知られざる真実』
マスコミの伝えない政治・社会・株式の真実・真相・深層を植草一秀が斬る
« 菅直人氏は国民に最も悪質なウソをついている | トップページ

2011年5月26日 (木)
震災発生から二月半いま何よりも求められること
大震災発生から2ヵ月半の時間が経過した。被災地および原発事故被害地では、いまも十万単位の住民が、極めて困難な生活を強いられている。政府の役割は国民の生命、財産、生活の保証であり、有事の際には何よりも迅速で大胆な行動が求められる。
 
 ところが、菅政権の政策対応はあまりにも遅い。その最大の理由は、菅政権の政策運営が財務省に支配されているからである。
 
 財務省は今回の震災を、増税実現のチャンスとしてしか捉えていない。被災者や原発災害の被害者を全力をあげて救済するなどの考えは毛頭ない。
 
 震災復興策が遅々として論議もされないのは、この震災復興策のなかに、増税論を埋め込むことが最大の狙いになっているからだ。
 
 この非常時に増税論を優先することに対する風圧は強い。国民も、良識ある識者も、そして常識感覚を備えた政治家も、この点で見解は一致する。
 
 この状況下で震災復興策の検討に入れば、増税論は横に置かれ、経済支援政策だけが論議されることになる。むろん、これが正しい道であるのだが、それでは困るというのが財務省のスタンスである。
 
 今後、あらゆる材料を用いて、震災復興の費用を近未来の増税によって賄う案を提示し、その方向の流れができた時点で復興政策を本格論議しようと考えている。
 
 菅直人氏は自分自身の延命しか考えておらず、財務省のこの戦略に乗ることが、自分自身の延命をもたらすものであると考え、震災復興策をまったく検討しないのである。
 
 すでに本ブログに記述してきたように、2011年度本予算は、史上空前のデフレ予算である。その詳細は『金利・為替・株価特報』をご購読賜りたいが、かつての橋本政権、小泉政権以上の緊縮予算が執行されている。
 
 4兆円規模の2011年度第1次補正予算が成立したが、これも、1.5兆円が本予算からの振り替え、2.5兆円が増税で手当てされる見込みのもので、景気浮揚効果は基本的にゼロである。



私は外貨準備を売却して50兆円規模の震災復興策を決定して実行するべきだと主張しているが、単年度で言えば、最低15兆円規模の財政支出の追加が急務である。
 
 財政再建を重視していても、経済の崩壊を招けば、税収が急減し、財政収支は改善するどころか悪化してしまう。
 
 そして、何よりいま求められていることは、国民の生命、健康、生活を支えることである。大震災によって膨大なインフラが破壊されたのである。経済の復旧、復興にお金がかかるのは当たり前なのだ。
 
 それにもかかわらず、本格的な補正予算を早急に国会に提出しようともせず、ただひたすら消費税大増税を実現するための方策を検討するなど、国民の代表である政府の取る行動ではない、悪魔の取る行動だ。
 


⑤-26「植草氏の知恵は・・・」

2011-05-26 15:49:59 | Weblog
植草一秀の『知られざる真実』
マスコミの伝えない政治・社会・株式の真実・真相・深層を植草一秀が斬る
« 菅直人氏は国民に最も悪質なウソをついている | トップページ

2011年5月26日 (木)
震災発生から二月半いま何よりも求められること
大震災発生から2ヵ月半の時間が経過した。被災地および原発事故被害地では、いまも十万単位の住民が、極めて困難な生活を強いられている。政府の役割は国民の生命、財産、生活の保証であり、有事の際には何よりも迅速で大胆な行動が求められる。
 
 ところが、菅政権の政策対応はあまりにも遅い。その最大の理由は、菅政権の政策運営が財務省に支配されているからである。
 
 財務省は今回の震災を、増税実現のチャンスとしてしか捉えていない。被災者や原発災害の被害者を全力をあげて救済するなどの考えは毛頭ない。
 
 震災復興策が遅々として論議もされないのは、この震災復興策のなかに、増税論を埋め込むことが最大の狙いになっているからだ。
 
 この非常時に増税論を優先することに対する風圧は強い。国民も、良識ある識者も、そして常識感覚を備えた政治家も、この点で見解は一致する。
 
 この状況下で震災復興策の検討に入れば、増税論は横に置かれ、経済支援政策だけが論議されることになる。むろん、これが正しい道であるのだが、それでは困るというのが財務省のスタンスである。
 
 今後、あらゆる材料を用いて、震災復興の費用を近未来の増税によって賄う案を提示し、その方向の流れができた時点で復興政策を本格論議しようと考えている。
 
 菅直人氏は自分自身の延命しか考えておらず、財務省のこの戦略に乗ることが、自分自身の延命をもたらすものであると考え、震災復興策をまったく検討しないのである。
 
 すでに本ブログに記述してきたように、2011年度本予算は、史上空前のデフレ予算である。その詳細は『金利・為替・株価特報』をご購読賜りたいが、かつての橋本政権、小泉政権以上の緊縮予算が執行されている。
 
 4兆円規模の2011年度第1次補正予算が成立したが、これも、1.5兆円が本予算からの振り替え、2.5兆円が増税で手当てされる見込みのもので、景気浮揚効果は基本的にゼロである。



私は外貨準備を売却して50兆円規模の震災復興策を決定して実行するべきだと主張しているが、単年度で言えば、最低15兆円規模の財政支出の追加が急務である。
 
 財政再建を重視していても、経済の崩壊を招けば、税収が急減し、財政収支は改善するどころか悪化してしまう。
 
 そして、何よりいま求められていることは、国民の生命、健康、生活を支えることである。大震災によって膨大なインフラが破壊されたのである。経済の復旧、復興にお金がかかるのは当たり前なのだ。
 
 それにもかかわらず、本格的な補正予算を早急に国会に提出しようともせず、ただひたすら消費税大増税を実現するための方策を検討するなど、国民の代表である政府の取る行動ではない、悪魔の取る行動だ。
 


5-26(その日)

2011-05-26 15:41:48 | Weblog
検証・大震災
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.検証・大震災:原発事故2日間(3)冷却系ダウン「悪夢じゃないのか」(1/4ページ)
 ◇11日16:36--異変
 大津波で状況は一変した。13台ある非常用ディーゼル発電機のうち、12台が使用不能に陥った。さらに官邸を震撼(しんかん)させる緊急事態が起きたのは地震発生から約2時間後の午後4時36分。「炉心溶融」を防ぐための冷却システムがダウンした。このままでは、核燃料の損傷や放射性物質の外部漏えいにつながる。

 東京・霞が関の経産省で原子力安全・保安院の中村幸一郎審議官が記者会見していた最中だった。「蒸気タービンで駆動する冷却系が働いている。バッテリー(蓄電池)は7、8時間は保持される」

 ◇血相変え「15条事態」
 会見を終えて中村審議官が席を立とうとした午後5時前。血相を変えた保安院職員が「東京電力から15条事態と判断したと連絡がありました」と会見室に飛び込んだ。「15条とは何だ」と騒然とする報道陣に「詳細は後ほど」と繰り返すばかりだった。

 原子力災害対策特別措置法(原災法)に基づく15条通報は、原子炉内に注水できず冷却機能を失うことに代表される重大な緊急事態の発生に適用される。1、2号機は注水が確認できなくなっていた。

 これに先立つ午後3時42分には、全交流電源が失われ、冷却機能の喪失につながりかねない事態になった。東電は15条の一つ手前のトラブルとして10条通報した。「10条でさえ通報が来るなんて考えもしなかったのに、より深刻な15条なんて。悪夢じゃないのか」。保安院幹部がうめいた。


5-26(原発)

2011-05-26 01:38:25 | Weblog
*消費税増税、先送りやむを得ない…谷垣氏
 自民党の谷垣総裁は25日、国会内で開かれた会合で講演し、消費税率の引き上げについて、「社会保障の税源は消費税に求めると思うが、(東日本大)震災被害を受け、どういうタイムスケジュールで(増税)できるかは、従来よりは考慮しないといけない」と述べ、増税の先送りはやむを得ないとの考えを示唆した。(読売新聞)

  * 甘い言葉には・・・。


圧力容器、地震当日破損か=配管部に蒸気漏れの可能性―福島第1原発1号機・東電
時事通信 5月25日(水)22時9分配信

 東京電力福島第1原発事故で、地震当日の3月11日深夜から翌12日未明までの間に、1号機の圧力容器を貫通する配管部が破損し、蒸気が格納容器内に漏れた可能性があることが25日、東電のデータ解析で分かった。1号機は地震から約15時間後にメルトダウン(炉心溶融)に至り、溶け落ちた燃料で圧力容器底部が破損したとみられるが、想定が正しければメルトダウン以前に圧力容器が破損していたことになる。
 東電は1号機の解析で、実際の状況から逆算し、地震から約18時間後に直径3センチ、50時間後に同7センチの穴に相当する損傷が生じたと仮定。格納容器の圧力変化を算出した結果、冷却機能の喪失後、核燃料の損傷で発生した水素により格納容器内の圧力が一時的に上昇した後、仮定した損傷部分からの漏えいで低下するとの結果を得た。
 ところが、3月12日午前0時すぎの格納容器圧力の実測値は約0.6メガパスカルで、解析による値(約0.3メガパスカル)を大幅に超えていた。
 この理由について東電は、地震発生から約4時間で炉心の損傷が始まり、11日夜には核燃料が溶け始める2800度の高温になった事故初期の段階で、圧力容器を貫通する計測機器用配管や、発電タービンにつながる配管の接続部や密閉部分などが高温で損傷した可能性を指摘。何らかの原因で圧力容器から格納容器側に蒸気が漏えいし、解析よりも高い圧力になったと推定した。


  <福島第1原発>冷却配管、地震で破損か…3号機
毎日新聞 5月25日(水)21時32分配信


福島第1原発3号機=2011年3月13日、本社ヘリから西本勝撮影

 福島第1原発3号機で、緊急停止した原子炉を冷やすのに必要な装置の配管が破損した可能性があることが、東電の解析で25日分かった。配管は津波の影響を受けにくい原子炉建屋内にあり、地震の揺れが原因の可能性が強い。全国の原発で耐震設計を見直す事態に発展する恐れもある。

 この冷却装置は「高圧注水系(HPCI)」と呼ばれる。原子炉圧力容器から出る高温の蒸気でタービンを回し、それを動力として建屋外の復水貯蔵タンクからポンプで水をくみ上げ、圧力容器内に強制的に注水する仕組み。

 解析によるとHPCIは圧力容器内の水位が低下した3月12日午後0時35分に起動し、13日午前2時42分に停止した。しかしこの間に、圧力容器内の圧力が約75気圧から約10気圧まで急減。HPCIの配管が破損して蒸気が漏れたと仮定して計算した結果と、圧力減少のデータがほぼ一致したことから、破損の可能性があるとした。【河内敏康、岡田英】




 *

 


5-25

2011-05-25 17:16:41 | Weblog
海水注入3時間半前、東電が保安院にFAX連絡
読売新聞 5月25日(水)11時40分配信

 東京電力福島第一原子力発電所1号機への海水注入が一時中断した問題で、海水注入の約3時間半前に、東電が経済産業省原子力安全・保安院にファクスで、準備が整い次第、海水注入を開始すると伝えていたことが分かった。

 東電が25日の記者会見で明らかにした。

 東電によると、3月12日の海水注入開始の約3時間半前の午後3時20分ごろ、原子力災害対策特別措置法に基づき、「準備が整い次第、海水注入を始める」との連絡を同原発から保安院にファクスで行った。

 しかし、保安院はファクスを受け取ったまま、情報を官邸に伝えなかった。

 また、東電は午後7時4分に海水注入を始めた際も電話で連絡したが、保安院は「確認できない」としている。

 ファクスの連絡は、菅首相らが官邸で午後6時から海水注入について協議を始める3時間近く前で、危機管理体制が改めて問われる。 .最終更新:5月25日(水)11時40分


5-247(原発への海水注入中断~逃げるな誤魔化すな)

2011-05-24 16:08:05 | Weblog

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福島第1原発2・3号機も炉心溶融…大部分は容器内 
産経新聞 5月24日(火)15時18分配信

 東京電力は24日、福島第1原発2、3号機の地震発生後の炉心状況などを模擬解析した結果、原子炉圧力容器内の冷却水が失われていた場合、2号機は地震から約101時間後の3月15日午後8時ごろ、3号機では約60時間後の同14日午前3時ごろに核燃料の大部分が溶融し、1号機と同様、圧力容器底部に落下し「炉心溶融」していたと発表した。23日に報告書を経済産業省原子力安全・保安院に提出した。

 また、1号機については、地震発生から約15時間後に圧力容器が破損したとの解析結果も示した。

 東電によると、2、3号機について、原子炉内の水位は低下しながらも一定量を維持、水位計の計測値が信用できる場合と、水位計データは信頼できず実際には冷却水がほとんど失われていた場合の2ケースについて、データ解析を行った。

 その結果、両機とも、いずれの場合も水位低下の後に燃料が溶けた状態になった。冷却水が失われていたケースでは、ほぼすべての燃料が圧力容器の底に溶け落ちていたとしている。

 東電は「炉心の温度から考えると、圧力容器の損傷は限定的で大きな穴が開いている状況ではない。実際は2つのケースの間にあるのではないか。燃料の大部分は圧力容器内にあると考えられ、継続的な注水で現在は十分冷却できている」としている。

 地震発生後から津波によって、すべての交流電源が失われるまでの状況については、「主要機器の破断、冷却水の喪失はなかった」と判断、津波到達まで外部への放射性物質の放出もなかったとした。

 また、1号機の原子炉の非常用復水器が、地震発生直後に起動したが約10分後に停止した問題については、炉心温度が急激に低下したため作業員が手動停止したことを認め、東電は「作業手順書に沿った操作で、妥当」と判断した。

 東電は今月16日に地震発生当初からの同原発のデータや活動記録を保安院に提出。保安院は、記録に基づき、緊急時の炉心冷却機能の動作状況や、設備の異常が地震と津波のどちらによるものかの評価、電気設備が被害を受けた原因などを報告するよう東電に求めていた。東電は15日、1号機についても地震翌朝の3月12日午前6時50分ごろに炉心溶融していたとする暫定解析結果を公表している。


* 5月24日(火)

 福島第1原発事故の経緯をめぐる政府の説明がすっきりしない。

 1号機への海水注水についての足並みの乱れも、その一例である。重要な事実関係だけに見過ごすわけにはいかない。

 なぜ事故が起きたのか、どんな対応をしたのか。菅直人政権と東京電力は、事実を包み隠さず明らかにする責任がある。

 問題となっているのは、3月12日の1号機への海水注入の経緯である。東電が最近公表した資料によると、午後7時4分に注入を開始し、25分に中断。8時20分に再開したという。

 中断から再開までの空白の55分間はなぜ生じたのか、首相の指示はあったのかが、焦点だ。

 細野豪志首相補佐官は先に、中断前の海水注入は東電の試験注入であり、官邸は「試験注入の事実を知らなかった。止めたわけではない」と述べ、首相が中断を指示したことを否定した。

 さらに午後6時から官邸で海水注入を検討した際に、原子力安全委員会の班目春樹委員長から「再臨界の危険性がある」との意見が出されたことを明らかにした。

 これに対し、班目氏が「専門家としてそんな指摘をするわけがない」と猛然と反発。政府と東電の統合対策室は、班目氏の発言は「再臨界の可能性はゼロではない」だったと訂正した。

 肝心の事実関係をめぐって政府内の食い違いが表面化し、すぐに修正してしまうこと自体に問題がある。政権の透明性だけでなく統治能力にも疑問符が付く。

 23日の衆院東日本大震災復興特別委員会で、首相はあらためて中断の指示を否定した。一方、原子力安全委員会などに再臨界の危険性について検討するように指示したことは認めている。

 真相ははっきりしない。だが、東電、官邸、政府の各機関の連携がうまく取れていなかったことがうかがえる。政府、東電の関係者は、率直に事実関係を国民に明らかにしていく必要がある。

 政府は原発事故調査委員会を発足させるとし、菅首相は独立性、公開性、包括性を原則にすると述べた。自民党は独立性の高い調査委を国会に設置する独自法案を検討している。

 事故を徹底的に検証することでは、与野党間に大きな溝があるとは思えない。一日も早く調査機関をつくり、原因や経緯、責任の解明を進めるように、与野党が知恵を出さなければならない。国民に対してだけでなく、国際社会への責任でもある。



5-24(年金公約を守れ)

2011-05-24 16:04:25 | Weblog
. クローズアップ2011:年金改革、厚労省案 マニフェスト棚上げ
 厚生労働省が23日に示した年金改革案は、自公政権時代に議論された現行制度の修正案が中心だ。大幅な増税を要する点など実現性の乏しさが露呈するとあって、全額税で賄う最低保障年金の創設といった、民主党がマニフェスト(政権公約)に掲げた抜本改革案は事実上棚上げされた。しかし、「公約への第一歩」と位置づける今回の修正案でさえ、容易ではない。公約先送りは同党内のマニフェスト重視派の抵抗が避けられないし、負担増となる経済界との調整はこれから。高所得者の基礎年金削減などの給付抑制策も、高齢者を説得できる見通しはついていない。【鈴木直】

 ◇財源不足、自公の「後追い」に
 「当面、現行制度の改善を速やかに進める」。厚労省案にはそう記され、民主党マニフェストは「目指すべき方向性」にとどまった。当然、同党の意向が反映されている。

 「現行制度の改善」には、自公政権の「後追い」が目に付く。会社員らの厚生年金と公務員らの共済年金を統合する「被用者年金の一元化」が典型だ。

 共済年金は、厚生年金より保険料率が低いなど優遇されている。「官民格差だ」といった批判に応え、自公政権は07年4月、被用者年金一元化法案を提出した。しかし、自らのマニフェストにこだわった、当時野党の民主党が反対し、結局廃案となった。菅直人首相は2月8日の衆院予算委で「被用者年金には官民格差が指摘されている」と述べ、一元化を示唆していたものの、同法案が成立していれば今年度から格差是正は実現していた。

 改革案には、首相が23日の集中検討会議で重点項目に挙げた「短時間労働者に対する厚生年金の適用拡大」も入った。首相は3月5日の会議で「過去の政権がやろうとしてできなかった」と指摘し、取り組む意向を鮮明にしていたが、これも自公政権時の一元化法案に含まれていた。

 ただ、自公政権の案には、正社員同様、非正規職員とも保険料を折半する必要が生じることを嫌う外食・流通産業などが猛烈な反対運動を繰り広げた。結局、「月額賃金9万8000円以上」「従業員301人以上の企業」など次々条件が付され、対象者が20万~30万人にとどまる骨抜き案に終わった。その反省を踏まえ、政府・与党は雇用保険を参考に大半の非正規雇用労働者を厚生年金に取り込む意向だ。それでも経済界の反発は必至で、首相の指示が徹底する見通しは立っていない。

 こうした状況下でも、党側はなお、マニフェストの「呪縛」から逃れられずにいる。

 16日の民主党社会保障と税の抜本改革調査会(会長・仙谷由人官房副長官)の役員会で、月額7万円の「最低保障年金」に関する試算が示された。民主党は07年、当時の小沢一郎代表が最低保障年金の支給対象について、「年収600万円以上の人から削減し、1200万円を超すと打ち切る」方針を示していた。が、試算では「300万~600万円」程度に半減しても消費税率換算で3・5%分の新財源が必要と判明した。

 同党は「600万~1200万円」を「夫婦2人分の世帯年収」と言いくるめ、小沢元代表の公約との整合性を取ろうとした。さすがに、政府内からでさえ「詐欺的だ」との批判が飛び出し、「民主党が笑い者になる」(政府関係者)との声で公表は取りやめた。近くまとめる改革案も、具体的数字のない「定性的なものになる」(大串博志事務局長)見通しだ。

 ◇給付カット、実現に壁
 10年度予算の年金給付費は51・4兆円。前回改革時、04年度の41・7兆円から10兆円近く増えた。マニフェストにこだわる民主党の姿勢が、必要な見直しを遅らせた結果でもある。厚労省は23日の改革案に「年金支給開始年齢の引き上げ」「マクロ経済スライドの見直し」など、給付抑制策も論点に加えざるを得なかった。

 年金支給開始年齢は現在、60歳から65歳まで引き上げている途上で、完了するのは男性が25年度、女性は30年度。しかし、23日の検討会議で清家篤慶応義塾塾長は「支給年齢を65歳より遅くしている欧米より、日本は高齢化が進んでいる」と指摘した。12日の会議でも、吉川洋東大大学院教授が「本当に65歳でいいのか」と発言するなど、給付削減を求める意見が相次いだ。とはいえ、現状は65歳までの雇用確保にさえ経済界は消極的だ。実現は難しいというのが厚労省の本音でもある。

 年金給付を削る目的で導入したマクロ経済スライドは、想定通りの「効果」を発揮しておらず、見直しを余儀なくされた。

 同スライドは、賃金などの伸びに合わせて引き上げてきた年金の伸びを賃金上昇率より低く抑え、年金の実質価値を引き下げる手法で、04年改正で導入された。現役世代の平均的手取り額の62・3%だった厚生年金の給付水準を徐々に引き下げ、38年度に50・1%まで削る方針だった。

 ところが、賃金の上昇幅が小さい場合には、年金を据え置く仕組みとなっているため、デフレ続きの現状では、一度も発動されていない。給付水準は現在も60%台に高止まりしている。そこで政府はデフレ下でも給付を削減できる制度への変更を検討している。

 ただ、高齢者の給付カットは、歴代政権が手をこまねいてきた難題だ。高所得者の基礎年金カットは自公政権当時も浮上したが、約束した給付額をほごにすることへの抵抗は強く、実現しなかった。「高所得者」の線引きも難しく、壁は厚い。

毎日新聞 2011年5月24日 東京朝刊


5-24(布川事件無罪~佐野洋氏らの調査、結実)

2011-05-24 15:51:42 | Weblog
国内
政治社会人..布川事件 再審無罪 無期確定から33年…検察主張退ける
毎日新聞 5月24日(火)13時32分配信


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支援者らと入廷する杉山卓男さん(中央左)と桜井昌司さん(同右)=茨城県土浦市の水戸地裁土浦支部前で2011年5月24日午後1時2分、岩下幸一郎撮影

 茨城県利根町布川(ふかわ)で67年、大工の男性(当時62歳)が殺害された布川事件の再審で、無期懲役が確定し仮釈放中の桜井昌司さん(64)と杉山卓男さん(64)に対し、水戸地裁土浦支部(神田大助裁判長)は24日、強盗殺人罪について無罪(求刑・無期懲役)を言い渡した。

【再審の朝】布川事件:希望胸に審判の朝 桜井さん、杉山さん法廷へ

 開廷直前の同日正午前、2人はそろって地裁支部前で報道陣の取材に応じた。桜井さんは「なぜこうなったのか(裁判所が)検察の行為を的確に判断するかだけに注目している」と話し、杉山さんも「検察の証拠隠しにまで(判決は)踏み込んでほしい」と語気を強め、法廷に向かった。

 2人と事件を直接結びつける物証はなく、捜査段階での「自白」と、近隣住民の「2人を見た」との証言が確定判決の支えだった。いずれも再審開始決定で否定されたが、昨年7月から計6回の再審公判でも(1)「自白」(2)目撃証言(3)近くの女性の「別人を見た」との新証言--の信用性が主な争点となった。(3)の調書は第2次再審請求で証拠開示され、事件から43年後に初めて女性は法廷に立った。

 こうした経緯や、自白場面のみ記録した録音テープの編集痕などから弁護側は、警察・検察が自白を強要し、無罪の証拠を隠して有罪立証したと批判。「追認した裁判所も重大な責任がある」とし、名誉回復に加え冤罪(えんざい)を生んだ原因を判決で明らかにするよう求めた。

 一方で検察側は有罪立証を図り、新たな立証として、被害者周辺にあったタオルなどのDNA鑑定を請求したが地裁支部に退けられた。このため自白や目撃証言の信用性を改めて強調するのにとどまった。女性の証言については「変遷が激しい」と否定し、無期懲役を求刑していた。

 死刑か無期懲役が戦後確定した事件の再審は昨年3月の「足利事件」以来で7件目。DNA再鑑定で検察側も無罪論告をした足利事件をはじめ、過去6件はいずれも無罪が確定している。【原田啓之】

 ◇布川事件

 茨城県利根町布川(ふかわ)で67年8月、大工の玉村象天(しょうてん)さん(当時62歳)が自宅で殺害された。県警は同年10月、桜井さんと杉山さんを別件逮捕後に強盗殺人容疑で再逮捕、2人は捜査段階で「殺害し現金約11万円を奪った」と自白。公判では否認に転じたが、78年に最高裁で無期懲役が確定、96年の仮釈放まで服役し身柄拘束は29年に及んだ。01年からの第2次再審請求で、別人を現場前で見たとの近所女性の調書などを基に「自白は信用できない」として09年12月に再審開始が確定。10年7月から再審公判が6回開かれた。

 * 裁判官の見識が近年、向上していることに敬意。警察の捜査の実態がようやく判ってきたことが大きいこともあろう。今後も冤罪を出さぬようご努力を乞う。