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猫とマンガとゴルフの日々

好きな物を題名に↑ 最近はゴルフとグルメお出かけ主体に。以前は1960年~70代マンガを紹介していました。ネタバレ有り。

萩尾 望都 「残酷な神が支配する」

2009年02月27日 17時02分09秒 | マンガ家名 は行
         言わずと知れた1997年手塚治文化賞受賞作。

初出 「プチフラワー」 1992年7月号~2001年7月号まで 写真は 小学館 プチフラワーコミックス 1巻~17巻 (16巻抜け)


 私は最初はマンガ喫茶で読んだ。暗くて暗くてちょっと読むのがつらかった。一応最後まで読んだけれど、自分で買って置いておくのはやめといた。
 萩尾 望都氏は後からでも中古本を集めてみたりしてほとんど読んでいるし、ごく少数好きになれないものがあってブック○フに売ったりしているが、大体本棚に揃えてある。
 ところが 「残神」 は最初からそんな気が起らなかった。凄い作品だとは一読しただけでも分かったし、絵柄はとても充実している時期で、ところどころイラスト集のように綺麗なんだけれど…。

 9年の長きに渡って連載された長編で、人によっては萩尾氏の代表作としてとても高い評価をしている。もう一度じっくり読まないといけないかな~と最近思うようになってきた。
 そこへ、Eブック○フという大変便利なツールを見つけてしまい、さっそく検索したところ、プチフラワーコミックス 1巻~17巻が今は100円から150円位の値段で揃えられるではないか ! はい、しっかり他の本もネット購買にはまってます。(笑)

 
 やっぱり前半読むのが辛い。。。萩尾さん、これでもかってジェルミ♂ (主人公のひとり) を辛い目に逢わせてる。肉体的にもだけど、心理的に追い詰められていく ジェルミ を見るのは辛い。長いのよ又これが。最初読んだ時はもっと短い表現だと思っていたけれど、全17巻のうち 6~7巻くらいまで延々と 虐待場面 が再々出てくるんです。こんなに長くやんなくたってねぇ~と思わないでもないが、ジェルミの絶望を伝えるにはこれだけのページが必要だったのか。

 やっと痛くて辛い場面が終わったと思ったら、一度心理的に追い詰められた ジェルミ は元に回復できないくらいダメージを受けている。もう一人の主人公である イアン♂ (おぼっちゃん・イケメン) によって救われるかと、こちらは期待しているのに、イアンも真実を知った衝撃で自分の精神を保つのもやっとの時期もあってなかなかうまくいかない。
 イアン も頑張っているんだけどね~。前半は自分勝手な印象の イアン、中盤は事実が信じられない イアン も、後半は ジェルミ に誠実に対応しようとしていて好感が持てる。
 ただ、キレやすい イアン は ジェルミ を時に暴力的に扱ったりして、こちらは又ハラハラ。ジェルミも怒らせるようなことをわざとやったりするし。 
 後半は イアン の物語にもなっている。自分の信じていたものに裏切られた人はどう対応し、再生しようとするのか。

 読んだことない人でもこの有名な作品は、一筋縄ではいかないお話である事は知っていると思います。現実にはないかもしれない、でも世の中にはこんな事もあるかもしれない、フィクションの中に真実を見たい読者には、とっても重い物語。
 読んでいてとても疲れるのよ。それは、萩尾 望都氏の思惑通り、ジェルミやイアンの精神的困惑に引きずられて読者も大いに困惑し、考え、はては自分の人生のそちこちに引き合わせて考え始めてしまい、思考が止められない・やめられない。
 これ読んで寝られなくなりましたっていう人、多いでしょう。再読の私でも不眠になりかけましたもの。
 萩尾先生、凄いを通り越して恐いです。なんでこんな物語を作るの、作れるの!

 前半の暗い画面で少人数の沈鬱な舞台劇のような場面から、後半は登場人物もぶわっと多くなり、違う作品のよう。多少明るくなるのはいいのだけれど、しかしまだ ジェルミとイアン の苦悩と混沌は廻りの者を巻き込み、読者まで引きずって続く…続く…。
 やっと最後に希望の光が。流石に萩尾氏も絶望のままで物語を締めるのは憚られたか。

 この、時間にして3年に亘る物語の中で、読者は
親による子供への虐待について、
学校のいじめについて、
父親と息子について、
母親と息子について、
母親と娘について、
親に対する子について、
愛に潜む暴力について、
心の傷を癒す方法について、
そして愛について、 
考える。

 それは人によって様々でみんな同じではないでしょう。ラスト近く、ボート小屋でのイアンとジェルミの禅問答のような愛についての問いかけは私、久しぶりにマンガのセリフを読んでじっくりと考えましたよ。

 この作品だけでHPを作ったり、スレッド立ち上げたりしても十分書き込み者は集まるし、実際もうあるようだ。謎や結局解明されていないツッコミどころ (母親が事実を知っていたか) などもある作品なので、そこでは熱い討論が載っていて、私なぞちょっと引きかける。


 読み始める前、記事は1回目は グレッグ の視点から、グレッグという加害者の考えを書いて、それ終わったらジェルミかな、次は辛いけどイアンの気持になって…、書こうかと思っていたのですが、とんでもなかったです~。(泣く)  自分の甘さを思い知りました。


          今だ、「残神」 は語れず…のトミー。


おモー様 (萩尾 望都氏) の 「火星」

2009年02月05日 09時08分29秒 | マンガ家名 は行
 バイキング1号が撮影した火星(1980年2月22日) 分類 地球型惑星 『ウィキペディア(Wikipedia)』より


 萩尾 望都氏のマンガには、結構古い時期から 「火星」 が出てくる。星といえば 火星 という感じだ。

「ユニコーンの夢」初出「別冊少女コミック」1974年4月号
 赤い星 ((火星だろう) が近づいてくると、ぼくたちの星を欲しがっているヤツらがやって来て戦いを運んでくる。

「この娘(こ)うります!」 初出「週刊少女コミック」1975年6~16号
 主人公 ドミ♀ の好きな相手 クラビーは火星まで行って廃墟と化した神殿の上でカメラのフラッシュをたくのを夢見ているカメラマン志望の男の子。

「スター・レッド」 初出「週刊少女コミック」1978年23号~79年3号
 地球人と火星人 (もともとは人間から派生したエスパー) が火星の所有をめぐって戦争をしている。

「宇宙船乗組員 スペースマン」初出「週刊マーガレット」1978年22号
 主人公たちの家族が話しているときに 「そのとき 東の空から 赤い星が登ってきた…火星」という説明文がある。又、
 「遠い星の粉 火星の鉄のにおい 金聖の蔦のにおい 水星の炎 乳色の月」 という少年のモノローグも。

「4/4カトルカース」初出「プチフラワー」1983年11月号
 主人公 モリ がESPのコントロール方を覚えるために火星に行こうとする。


「X+Y」初出「プチフラワー」1984年7月号,8月号 「4/4カトルカース」 の続編になります。
 テラフォーミング(Terra Forming, 地球化、惑星改造)火星改造計画のカナルプランのコンペに地球代表として出席する タクト と前出の モリ が火星で出会って…というお話。
 
 最近はあまりSFを描かれていないので、作中に火星が出てくる機会は少ないようだ。

 萩尾氏が六星占術でいう火星人なので気になるのかと思ったが、萩尾 望都氏は 1949年(昭和24)年 5月12日生まれなのだが、私には火星人なのかよく分からない。 誰か詳しい人教えて。

 FS好きな萩尾氏のこと、レイ・ブラッドベリの 「火星年代記」 とかフレドリック・ブラウンの 「火星人ゴーホーム」 などの影響か。太陽系惑星の中でも隣の星 (地球は3番目、火星は4番目に太陽に近い) で、地球型惑星の 火星 は昔から親近感を持って小説や映画や漫画にたびたび登場している。

 考えを巡らしていたら、はたと思い当たった。氏が尊敬してやまない 手塚 治虫氏の作品で 「キャプテン ケン」 という作品がある。主人公ケンたちの活躍する場所は火星。荒涼としたアメリカ西部のような舞台設定だ。
 そういえば同じ 大泉サロン の伊東 愛子女史も「キャプテン ケン」が好きで、火星人が奴隷にされても殺されても、皆で歌うシーンが印象に残っていると言っているので、案外おモー様の 火星好き のルーツはそこいらへんかもしれない…。

 

日丸屋秀和さん 「ヘタリア」

2009年01月19日 17時14分21秒 | マンガ家名 は行
最近、今更ながら ヘタリア (国擬人化歴史コメディ漫画) で近世ヨーロッパの歴史を勉強しています。本も本屋で山積みになってますね。わかりやすい。でもヨーロッパはやっぱりごちゃごちゃでわかんない。日本はあっちから来る事が多いから単純なのにな。

 ちびたりあ 可愛いです。
「900年前からずっとお前が好きだったんだぞ」
って神聖ローマが ちびたりあ(子供のイタリア) にキスするところは感動しました。(笑)


萩尾 望都 「マージナル」

2009年01月14日 17時05分28秒 | マンガ家名 は行
 上段3冊 小学館叢書 1巻 1994年2月20日初版 2巻 1994年3月20日初版 3巻 1994年4月20日初版
 下段4冊 小学館 プチコミックス 1巻 1986年7月20日初版 2巻 1987年2月20日初版 3巻 1987年4月20日初版 4巻 1987年10月20日初版

 初出は『月刊プチフラワー』(小学館)にて1985年8月号から1987年10月号まで連載。

 最初はプチコミの方が扉絵などのカラーページが豊富なので集めていたが、5巻からなかなか見つからず、業を煮やしてEブック○フで安かった叢書版 (愛蔵版) の方を買いそろえた。考えたら叢書版1巻はいらなかったと、買った後で反省。
 初見はマンガ喫茶でもう10年くらい前にもなる頃。印象に残っていたのでいつか揃えようと思っていたものです。


1.メイヤード

 この長い物語を読んでいる間、私の心を占めていたものは……

         メイヤードってカッコイイ !

 きゃ~、凄いミーハーでごめんなさい。だってだって見た目がとっても素敵なんだもの。そう思っていた人多いと断言します。(笑)
 「メイヤード」 というのは、この マージナル (境界線上) と言われる西暦2999年の地球上にいくつか残っているドームシティのユーフラテス地区の長官の名前。
 若い男性の姿をした人間です。もっとも990年後のことですから、老化防止の方法もあるでしょうから見た目は若くても年はわかりません。
 それにこれは物語が進んでからわかることですが、彼はいくつもの進行性の病気にかかっており、すでに眼は特殊なメガネ (サングラスに見えて、これがカッコイイ) なしではよく見えない模様。
 
 一方の主人公ではあるが、どちらかというと敵役で性格は鋭利冷徹、でもちらちらと見せる人間くささが くぅ~たまらん とおばちゃんは一人もだえるわけですな。
 そんな彼は次第に物語の中心に入ってきて、えっこの中でそんなに重要な人物だったの ? とびっくりする間に何あのラスト近くの主人公振りは。(と、私には思われた。)

「ナ…ス タ…ス」 
幼馴染のナースタースの名前だ。彼女に向って以前
「愛のほかは全てあげる」 と言っていたメイヤードがつぶやいた最後の言葉。この場面は何度読んでも落涙してしまう。
 
 1度読んだことのある人でも、再度メイヤードの物語として読めば、大人の味わいを感じることができると思う。特にリアルタイムで読んだだけの方には違うイメージが沸くこと絶対です。お薦めします。


2.夢

 萩尾氏の作品には 夢 がキーワードになっているものが多い。「バルバラ異界」 のように 夢探索人 が主人公になっているものまである。
 この作品では、子宮が夢見て 「夢の子供」 が生まれたり、病んだ地球が青い海の 「夢」 を見続けていたり、
「生命はみな同じ夢を見ているのだろうか ? 星星もまた ? 」
といったモノローグなどが出てくる。

 又内容にも深く潜在意識の話が絡んできて、もっと前の 「スター・レッド」 でも 肉体のない意識だけの存在 なんて怖い概念が出てくるし、作者は昔からそういったものに興味があった事がわかる。そういう神のような存在は手塚 治虫氏の 「火の鳥」 にもあったな~。
 それが若い読者に 「話が難しい」 とか 「よく分からない」 とか言われるところでもあるし、この作品でも私が 「ほぇ ?」 となんでそうなるのか分からない概念もあった。

 けれどもそこが又萩尾氏の再読したくなるところであって、華麗な絵と相まって内容の深さにファンは氏の作品にますます深みにハマっていく…。
 2年ほど前から以前よりももっと強烈なマンガ熱に侵され、手当たり次第に読んでいるが、読めば読むほど手塚先生、石ノ森先生、水野先生ら超大御所とともに、萩尾 望都氏、竹宮 恵子氏、山岸 凉子氏ら24年組さん達の作品が今更ながら光輝いて見えるのです。やっぱり24年組さん達って凄いなぁ。

      読めば読むほど読みたいものが増えて困るトミー。

島 耕作 社長就任おめでとう !

2008年05月29日 11時47分23秒 | マンガ家名 は行
島耕作、初芝五洋ホールディングスの社長就任会見 - しょこたんも応援 (マイコミジャーナル) - goo ニュース


 以前、島 耕作さん いつ社長になるの ? という記事を書いた私としては素直に嬉しい…。


関連でこんな記事も書いた。 → マンガバカの休日


 だけどね、下のオフィシャルサイトまで出来ると、この際行け行けどんどん、売っちまえ~てな気もするので、昔からのファンはどうなんだろう。 ビートルズみたいに祭り上げられて、神様になっちゃわないでね。(なるわきゃないか) 
 お話としては、やっぱり初めの頃の「課長 島 耕作」とか、「ヤング島 耕作」の頃の方が登っていく途中の勢いがあって面白いよね。NHK 大河ドラマの天下取るまでの方が面白いのと同じ。


社長 島 耕作 オフィシャルサイト

萩尾 望都 「11月のギムナジウム」

2008年03月26日 18時40分02秒 | マンガ家名 は行
    小学館文庫 萩尾 望都初期傑作短編集 1995年12月10日 初版第1刷

 文庫とあって短編とは言え7編収録されています。

11月のギムナジウム   初出 別冊少女コミック1971年11月号
秋の旅            初出 別冊少女コミック1971年10月号
塔のある家         初出 少女コミック1971年12号
もうひとつの恋       初出 少女コミック1971年39月号
かわいそうなママ     初出 別冊少女コミック1971年5月号
白き森白き少年の笛   初出 少女コミック1971年45号
セーラヒルの聖夜     初出 少女コミック1971年冬の増刊号
巻末にエッセイ 羽仁 未央 (懐かしい名前だ 70年代元祖天然ちゃんかな)

 今回は表題作の 「11月のギムナジウム」 について。

 フラワーコミックスの 「11月のギムナジウム」 は以前持っていたが、引越し等で無くなっていた。BOで文庫を見つけ、105円だったこともあって買いました。(苦笑) 20年ぶりくらいに読んだと思うが、こんな話だったっけかな~というのが再読の感想でした。というのも自分にとってはとても印象が深かった作品だから。

 おモー様ファンにはよく知られているように、名作 「トーマの心臓」 の原型となる作品だが、お話は少し違う・・・いやいや改めて読んで見ると全然違うじゃないか。

後ほど、発表は 「11月~ 」 の方が先だが、 トーマ の方が先に考えられていたということが判明。 詳しくはコメント欄を見よ。

 ドイツの全寮制ギムナジウム (高等中学) が舞台となっているのは同じ。そこに転校生がやってくるのも同じ。その子がトーマという生徒にそっくりなのも同じ。トーマが死んでしまう (すでに死んでいる - トーマの心臓) も設定は同じだが、登場人物の名前などは苗字の部分が多少違っている。

 11月のギムナジウム         トーマの心臓
エーリク・ニーリッツ       エーリク・フリューリンク
トーマ・ヴェルナー        トーマ・シューベル
オスカー・ライザー            同じ
ユリスモール・フリーデル      ユリスモール・バイハン

 ギムナジウムの名前も 「11月~」 はヒュールリンギムナジウム、「トーマ~」 はシュロッターベッツギムナジウムと違っている。ちなみに 「トーマ~」 でけっこう重要な役のアンテも 「11月~」 では名前だけ出ています。ドイツでポピュラーな名前なんでしょうか。
 でもこんな違いを探してみてもたいしたことは無い。一番の違いは、両方とも転校生のエーリクを主人公 (語り部) としているようでいて、「11月~」 はエーリクと本当はその双子の兄弟だったトーマの物語、「トーマ~」 はユーリ、ユリスモールの物語である点です。ユーリは 「11月~」 では脇役に過ぎなかったのに。
 「トーマ~」 については、過去の記事でいろいろ言っているので、出来たら下に載せたリンクから飛んで読んで頂きたい。その記事にコメントを寄せてくれた方々も作品に思い入れがあるようで、とてもよい参考になるコメントばかりです。
 
 この 「11月のギムナジウム」 だが、双子の物語という点で同時収録の 「セーラヒルの聖夜」 と似ている。別れていた双子が知らずに後年偶然出会って、というのも似ているが、「セーラヒル~」 はハッピーエンドの予感がするのにこちらは思いの残る哀しい終わり方です。

 あらすじ

 問題児エーリク・ニーリッツはあちこちの学校で問題を起こして追い出され、全寮制のギムナジウムに途中入学する。ところが会う生徒、先生に皆びっくりされ、どうやらトーマという生徒に自分がそっくりらしいと分かる。
 ここでも入学早々いろんな騒ぎを起こして早速問題児ぶりを発揮し、ぎこちない毎日だ。

 中でも例の自分にそっくりな 砂糖菓子・フロイライン (お嬢さん)  と呼ばれて学校のアイドルのトーマはエーリクの顔を見るなり笑い出したり、なにやら見つめてきたり、エーリクとしては気に食わない態度ばかり。
 エーリクはある日偶然泣いているところをトーマに見られてしまったが、トーマはいつもの態度とは異なり、自分の兄のことなど話し始め、最後にぎゅっと抱きしめてきた。何がなにやら分からないエーリク。

 雨のそぼ降る休みの日、ママンのところにエーリクが突然訪ねてくる。中にも入らず 「キスして」 と言われるままに抱きしめてあげ、すぐに帰るという 息子 を見送るママン。

 もうこのくらいにしておきましょうか、ネタバレは前にしてしまったしね。
         
 この文庫が出たのが1995年ということで表紙を描き直したらしく、写真の通り中と絵柄がまったく違うものになっています。当時連載中 (?) の 「残酷な神が支配する」 のような絵柄ですね。


過去の萩尾 望都作品の記事  ↓

ゴールデンライラックで朝ドラを

イラスト詩集 少年よ

山へ行くシリーズ ここではないどこか

トーマの心臓

トーマの心臓 その②

訪問者

あぶない丘の家

恐るべき子どもたち

イグアナの娘

イラストアルバム 萩尾 望都の世界

銀の三角 何で知名度低いの?

きりとばらとほしと ~ ポーの一族 ~ 銀河荘なの! 吸血鬼の系譜

吸血鬼マンガの系譜 を見つけてしまった。

マンガ 時空を越えて逢いに来る少女 の系譜

バルバラ異界

ほし よりこ 「今日の猫村さん」 1~2巻

2008年01月18日 10時22分27秒 | マンガ家名 は行
  
      マガジンハウス刊 ネット連載 本は今のところ2巻刊行済み

 ネットで読みたい方はこちら、登録制 → きょうの猫村さん


 行きつけの動物病院 (行きつけになりたくな~い) の待合室にある本第2弾。

                 ↓  こんな感じ

                 
             

 ご存知ネット上で1日1コマづつ更新されていたマンガが本になり大評判 ! 
 お話 人情超ベタ なんだけど~。 猫の家政婦は見た ! です。中に連続TVドラマのシーンがあって、それも同僚の家政婦さん共々、おばちゃん好みのベタベタ設定。けれど引き込まれてしまうのはなぜ…結局日本人てこういうの根っから好きなのね。

 絵は鉛筆描きでヘタウマ風~。で、でもね、この方絵がうまい人だと思っているのは私だけかしら ? 簡単な線で表情なんかドキッとするときがありますよ。
 
 ほのぼの脱力系マンガなんて評判だけれど、作者はほのぼのマンガ描いてるつもりはないと思うな。しっかりとストーリーも進んでいて、勤めている犬神家のなぞもまだまだ解明されていないし、早く3巻が出て、○橋動物病院さんが早く買ってくれて、続き読みたいな~。(相変わらず他人頼り

萩尾 望都 「ゴールデンライラック」 で朝ドラを

2007年12月14日 10時59分48秒 | マンガ家名 は行
 小学館 PFビックコミックス 昭和57年(1982)7月20日 初版 写真は昭和59年3月30日の 第5刷 

 同時収録作品 「マリーン」 過去記事はこちら → マンガ「時空を越えて逢いに来る少女」の系譜
 
 同時収録作品 「とってもしあわせモトちゃん」
 
表題作 「ゴールデンライラック」 初出 1978年 別冊少女コミック連載


 萩尾さんのSFで一番好きなのは 「銀の三角」 以前の記事→ 萩尾 望都 「銀の三角」 何で知名度低いの ? ですが、ラブストーリーで一番好きなのは今の所、この 「ゴールデンライラック」 かも知れない。
 何かと言うと手に取って読んでしまう。もう何度読み返したことだろう。大きなしみがいくつもあって全体に黄ばんでいるし綺麗な状態ではないが、私には愛着のある本だ。

 今回は思い切りネタバレしようと思ってますが、ここにお越しになる皆さんは萩尾 望都ファン率多いので読んでる方多いよね ? と言うことで…

 これは幼い子どもの時から多分30歳代までの女の半生記。N○K朝の連続ドラマにしたらちょうど半年分、女優も子ども時代と大人時代の二人で済みそうな波乱万丈の物語。
 時代は第一次世界大戦をはさんで自動車、飛行機などの新しい産業機器が飛躍的に技術革新された19世紀末から20世紀の初頭。日本だと明治30年頃から大正を越え、昭和の初めにかけて。
 人生に翻弄されながら大切な人たちを守って生き抜き、ついには穏やかな幸せを手に入れる気丈な女性の話。ねっ、N○Kさん好きそうでしょ。

 ちょっと待った~ てなお声がかかりそう。ずいぶん日本的な耐える女の話に聞こえるかも知れませんが、これイギリスを舞台に萩尾氏の華麗な筆に乗って描かれる半生にわたったラブストーリーなんだよねぇ~。イメージ違うよ。あーでも舞台を日本にして朝ドラでやって欲しい~~

 あらすじ

 8歳のビリーが親戚をたらいまわしされた挙句、やって来た家は裕福な銀行家の一人娘として生まれたいとこのヴィクトーリアの家。両親が死に、あちこちで厄介者だったビリーには考えられない豊かな暮らし、学校、友人、そして自分を理解してくれる可愛いヴィー (ヴィクトーリア)。このまま皆でいつまでも幸せに暮らしていけると思っていた。
 
 だが、ヴィーの父が倒れたことで父の銀行は倒産し、一家は豪華な屋敷から下町のアパートに移り住み、13歳のヴィーとビリーも野菜運びなどの仕事をする暮らしになる。突然の引越しで友人達とも連絡が取れないままだ。
 もっと良い給料を求めてホテルのメイドとして住み込みで働くヴィーは、どんどん綺麗になってビリーは眩しくてならない。

 あるときビリーはヴィーが客とけんかして、ホテルをやめていることに気づく。手がかりを知っていそうなスティーブンス男爵と会員制クラブに行ったビリーは、そこの舞台で化粧をし、しなを作って歌い踊るヴィーを見つけて驚愕する。彼女は寝たきりの父親と介護と手間仕事で疲れきった母親の面倒を見るのに、より割りのいい仕事を見つけただけなのに。

 初めは断っていた男爵のプロポーズだったが、ビリーと二人でいくら働いても豊かにならない生活に疲れたヴィーはついに受け入れ、男爵と結婚してしまう。男爵はヴィーが育った家を買い戻したり、両親の面倒を見たりしてヴィーを大切に扱ってくれる。ヴィーも次第に男爵に心を開いていくのだった。
 ビリーは長い間のヴィーへの思いをあきらめ、子どもの頃憧れた空を飛ぶ事を夢見て軍隊に入隊するのだった…。
 
 第一次世界大戦が始まり、ビリーの戦死通告が届く。取り乱すヴィーはもともと心臓の弱い夫をいたわることも忘れていた。倒れこむ男爵。
 夫が横たわるベッドの横で、
「あなたを一番愛していないのに結婚したわ」 と涙ながらに言うヴィーに、
「いいんだ。私の方は一番愛していたんだから」 と答える男爵。

くぅ~~。 女なら一生一度は言われてみたいお言葉。

 娘コニーも生まれ、幸せいっぱいのヴィーのところにビリーが死なずに帰ってきた。二人は喜びはするが、もちろんそれ以上に踏み込む気はない。
 コニーの喘息がきっかけとなって男爵が事故死し、飛行機に乗せて慰めるビリー。ヴィーが落ち着いた頃、ビリーは飛行機の先進国アメリカで技術を磨こうと渡米する。

 何年か後だろうか、ビリーが懐かしいあの家に戻ってきた。そこにはヴィーそっくりのコニーがビリーとヴィーが初めて出会ったときと同じく、ライラックの咲き乱れる茂みに立っていた。



 長くなってしまいましたね~。もっと手短にしたいと思っていたのに。その後の幸せを予感させるラストって好きです。あらすじでは端折りましたが、友人達のエピソードも味わい深いのですよ。幼馴染 男3人女2人の物語 でもあるのです。

 ヴィーは積極的で行動的な女の子。いや当時としてはエネルギュッシュな方だ。逆境でもどうすれば抜け出せるか自分で考えて行動していく。現実を見据えて優等生過ぎてもいないし、卑屈にもなっていない。このラブストーリーがと言うより、私はヴィーの性格が好きなんです。同じ女性として共感できるのです。

 男爵との結婚もはっきりと
「男爵はおとなだから愛してるわ、お金持ちだから愛してるわ、」と言ってます。
対して男爵は後に
「あるものは金持ちだが年寄りだ、あるものは若いがカネがない、だから私もずるいのさ…」
 ああ、大人だわ。
 その時10代のビリーにはヴィーを幸せにするには時期があまりにも早過ぎたのね。それはどうしようもないこと。せめて、この後は二人+コニーで幸せになって欲しい。そんな暖かなラストです。

 

萩尾 望都 パーフェクトセレクション 「ポーの一族」 

2007年12月03日 18時24分03秒 | マンガ家名 は行
 
              皆さん、買いました~ ? 


 大昔、小学館の1974年発行フラワーコミックス全巻を持ってました。引越し等でいずこかへ消え、まん○らけで見つけて指をくわえましたが、何とか踏みとどまりました。他にもいっぱい買いたい初見のものが目白押しでしたからね~。

 このパーフェクトセレクション、私のような人たちにぴったりというか、そういう、現在40~50代のお姉さま女性を見込んで企画してるのはミエミエですが、はい乗っています。

 でも、ポーだけですよ。持ってる 「トーマの心臓」 とか 「11人いる!」 とかは買わないつもり・・・もったいないもん・・・えっ連載時の扉絵も完全収録…いやそれでも…あ゛~。


 すいません月締めで忙しくて、内容については書いてません。いえ、まだ再読さえちゃんとしてません。題名で来てしまった方ごめんなさい。読んでも恐れ多くて感想なんて書けないかも…。
 

萩尾 望都 イラスト詩集 「少年よ」

2007年10月25日 10時00分29秒 | マンガ家名 は行
       白泉社  チェリッシュブック 1976年12月25日 初版
     左の広げてあるものは、4つ折りにして入っていたカードとチラシ
   

 実は、久し振りに本棚からこのイラスト詩集を取り出して、裏を見てぎょっとした。新書判、ケース入り、豪華装丁の上に製本本文オールカラーのデラックス版ではあるけれど、昭和51年 (1976) 初版の31年前のこの小さな本が当時定価 780円もしたものか。昭和59年 (1984) 発行の大判ムック本 しまりんごスペシャルが定価1,500円なのは分かる気がするが。

 大体見開きページの半分にイラスト、半分に詩が載っているレイアウトが多いのだが、イラストは大体見たことのあるもので、中にははっきり作品を思い出せるものもある。(トーマの心臓・ウは宇宙船のウ等) 見たことないものも私が知らないだけで多分全て今まで発表済みのものからピックアップしたらしい。カバーの少年の絵は描き下ろしかな。せめて半分くらい描き下ろしならと思うのはいけない事か ?

 詩のほうは改めてつけた風だが、まあ普通。当時の少女まんがの甘い雰囲気が漂ってくる。
 入っていたチラシを見ると同時に3冊発売で、山岸 凉子 「ニュンペ」-私のギリシャ館 忠津 陽子 イラスト詩集 「ようこそ愛」 、近刊予定として水野 英子・大島 弓子・竹宮 惠子のイラスト詩集、木原としえ (当時はまだひらがな) 山田 ミネコと続くようだ。どなたか他の人のを持っていないだろうか。

 前に見たことあるとは言ってもオールカラーは流石に美しく、何度も見られる愛蔵本には違いない・・・。違いないけれど・・・出版社さ~んいつの時代にも、余禄をつけて焼き直しを売るという手法はあったんですね。プレゼントに最適というあおりの文句がむなしい。確かにプレゼントなら多少高くても買うか。
 
 せっかく綺麗なイラスト詩集の紹介でも、と思って取り出したのにどうしてこんな記事になってしまったのだろう。