家族が亡くなり残されたものには、悲しみに浸る間もなくいろいろと社会的にやっておくべきことがある。そのうちの一つに、故人が入っていた国民年金や厚生年金の遺族年金の申請がある。
これは亡くなられた当時、その方によって生計を維持されていた配偶者、子、父母、孫、祖父母が請求できる。
ただし該当要件がいろいろあるので詳しくは日本年金機構のHPを見て欲しい。
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日本年金機構
申請は被保険者中 (勤めている時) に亡くなった時は、住所地でなく、最後に勤めていた事業所を受け持つ事務所に行かなくてはならない。
だんなの会社は都内にあったので、そこを管轄する都心の一等地にある年金機構事務所へ申請に赴いた。こういった経験はたぶんこれを読んでくださる方々にはあまりないと思うので、参考のため記事にする次第である。
そこは場所は良いが、建物も内部もことさらに貧乏臭い感じである。いろいろと批判を浴びている役所故、わざとか ? などと勘ぐってしまう自分が卑しい。
入口入ってすぐの受付も、粗末な机を並べて2~3名の人が案内をしている。相談内容を簡単に記入し、番号票を取らせ呼ばれるまでお待ちくださいと言われるのはどこの役所でも同じだが、優しそうなおじ様係官が言うには、1時間~1時間半くらい待ち時間があるという。
後でわかったがこれでもここの事務所は空いている方で穴場だという。将来の自分の年金の額を知りたいとか、名寄せ相談だけしたいという人は住所地の事務所でなくても全国どこでも相談に乗ってくれて、パソコンで見られて、その場で名寄せしてくれるので、住んでいる人の少ない都心の事務所に行くのが早くていいのではないだろうか。
年金相談コーナーは4ヶ所あり、待合所からは見えないが各々衝立で仕切られているようだ。自分は7~8番目になるが、さてどのくらいの時間待つことになるのやら。
TVのある一番前に座って待っていたせいか、ひそひそと相談内容が漏れ聞こえてくる。何やら務めていた会社の名前をくどくどと何社も上げて年数を積み上げようとしているおじさんやら、男か女か知らないが相談員に私でも分かる様な初歩的な質問をして、長々と説明させているご仁もいる。こんなんいるから時間が掛かるんだろうが ! (怒!)
前の人の番になったのが40分後位で、あら結構速いじゃない、と思ったのも束の間それからが長い。やっと呼ばれたのはそれから20分後くらいで、「5番」 窓口へとの案内が。
「5番? 4番までじゃなかったっけ。」 と4番の隣に行くと前の方々の相談に時間がかかっているので急遽ひとつ増やしたらしい。白髪の優しそうなおじ様が担当官だ。
順番がくれば、必要書類を全てそろえて持参した自分の申請はさくさく進む。担当官もやりやすそう。時折 「流石」 と褒めてくれたりする。だんなの会社人生もあまり転職を繰り返さず簡単な内容なので、申請自体は10分位ですんだ。
申請受理だけでなく、見込み年金額の回答票を印刷してくれたり、自分の年金がもらえる年になったら事前に相談に行って、遺族年金か自分の年金かどちらを選んだほうがお得か相談に行った方がいいとか、今後の注意点まで丁寧に教えてくださる。
他にも遺族年金は生きて自分で貰う年金の3/4が2ヶ月ごとにまとめて遺族に支払われるとか、生涯もらえるわけでなく、私の場合自分の年金が64歳からもらえるようになったら、どちらか高い方を選ばなければならないとか、教えてくれる。
年金というものは二つ一緒はもらえないのだ。そして勤続年数の長い私は、自分の方をもらった方が金額が高いと出た。
だんなは30数年、営々と仕事をして厚生年金を支払ってきた。挙句59歳で自分で1回も年金をもらうことなく逝ってしまった。せめて残された妻には払った額と同じくらいは残してやりたいと… (思っている事だろう)
だが、後8年という受取年数を考えると、超概算ではあるが…たぶん…払った額よりも少ない額しか私は頂けないと思う。
助け合い・保険という観点から見れば、こういう人もいなければ廻っていかないわけで、しょうがないとは思うが、それが 我だんな だったとは悲しい現実である。
世の奥様方、だんな様のことを
「死んでくれたらいいのに」
などと夢ゆめ思わぬように。生きて働いて、長生きしてしっかり年金をもらってくれた方がどんなにかお得なのだ。
閑話休題
いろいろと話をするうちに自分の年金もここで見られるのがわかったので、物はついでと以前から気になっていたことを相談した。
一時国民年金を数か月だけ掛けていたことがあって、一昨年来た 「ねんきん特別便」には記載がなく抜け落ちていたのだ。その旨記入して返信しても忙しいのかなしのつぶて。
2度目に来た便もそのままだった。
名前が変わっていた時だったのでそれを言うと、瞬時にパソコンで探し当ててくれ、名寄せ (一つにしてくれる) してくれた。凄い ! やっぱり文句を言ってるだけでなく、役所に来て相談するほうが早くて正確だわ。担当官さんにも名寄せにご協力ありがとうございます。と言われる。
この方、後で名刺を見たらこのコーナーの室長さんだった。どおりで詳しいし優しいしおだてるの上手いし、お互いやりやすかった。(と思う)
自分の年金もすっきりし満足して年金事務所を出た時には、2時間半が経っていた。皆様も時間はかかっても一度は年金事務所を訪れ、疑問点をバシバシ質問して自分の年金を把握することをお薦めする。
ブログを書く気持ちが少し戻ってきたトミー。