【歯顔大笑】

歯を見せて大きく笑おう!

105.【口笛】

2012-02-27 | 
【口笛】


口笛をご存知ない方はおられませんね。 中には♪ヒュ~ヒュ~・・・♪
っというだけで音の鳴らない方もおられるとは思いますが・・・。

もともと日本では口笛は行儀が悪いという印象が多く、あまり好意的には
伝わってきませんでした。例えば

・口笛を夜吹くと蛇が出る
・口笛を夜吹くとお化けが出る
・口笛は泥棒同士の合図
・女性が口笛を吹くと行儀が悪い(夜這いの合図)

等などです。
特に子供に対しては全国で、夜の口笛はしつけのように禁じるところが
多く見られてきました。 では、どうして夜口笛を吹くと蛇が出ると伝
わってきているのでしょう。

ヘビは夜行性なので、ネズミなどの小動物の物音に寄って来るように、
口笛の音に反応して寄って来るかもしれない、という考え方が古くから
伝わっていたようです。
・・・しかし、実際の蛇は振動などによる皮膚感覚がとても発達してい
ますが、聴覚はほとんどなく近くで騒いでもほとんど反応等ありません。

また”口笛を夜吹くとお化けが出る”と言われるのはやはり蛇と関係が
あります。「ヘビが出る」の「蛇」は「じゃ」と読めます。「蛇=邪悪
な者=お化け」つまり「夜に口笛を吹くと邪(お化け)が出る」となった
のです。


次は少し神聖な意味での口笛を軽々しく吹く事が行儀の悪い事であると
いう訳を。口笛は昔、「うそぶき」と言いました。”うそ”とは口をせ
ばめて出す音の意味で、この音は神や精霊を招く力があると信じられて
いました。このような神聖な行為を下々の人が軽々しく行うべきではな
いという事から上記のような俗説が生まれたというものです。

まあ、どういう理由にしても子供が口笛を覚え、時間や場所を選ばずに
”ピューピュー“吹く事に対するしつけとしてはどの説も役立つものだ
と感じます。

・・・・・しかし、多くの口笛を良しとしない説の前提は夜の静けさで
あり、同時に他人への迷惑であったと思います。現代社会では24時間
あいているレストランやコンビニ、普通のお家でも遅くまで起き、電気
やテレビも使い放題です。このような時代には昔の教えは少しずつズレ
が出てきている事も確かです。。
  最近は楽器を使わず手軽に演奏できる技術の一つとして、またその
哀愁漂う音色がとても人気で口笛教室も開かれています。そして日本人
が国際大会でも優秀な成績をおさめ人気も上がっています。時間や場所
を考えさえすれば、今の時代、口笛は癒し、心地よさというところから
も“人に役立つもの“の1つと言えますね。

104.【歯痛地蔵菩薩】

2012-02-20 | “訪れました“
【歯痛地蔵菩薩】京都府城陽市 龍福寺

今回のお地蔵さんはおもしろいんですよ! よくあるお地蔵さんは
“すましたお顔”で人々を苦しみから救ってくださるっというもの
ですが、ここのはちょっと違うんです。。。

今までもお地蔵さん見てきましたが、ここへ行って“そもそもお地蔵
さんってなんなんやろ?”って思ったんです。。。そこで、これを読
んでおられる方は、もうご存知かもしれませんが少し紹介します。 

お地蔵さん
お地蔵さんは、本当の名前は地蔵菩薩と呼ばれ菩薩は如来に次ぐ存在です。
お釈迦さん(釈迦如来)が亡くなられ(入滅)、この世界に次の弥勒菩薩
(みろくぼさつ)が現れるまでには56億年という時間が必要で、その間、
人々を救う仏が存在しないことになってしまいます。そこで次の弥勒菩薩
がこの世に誕生するまでの間、地蔵菩薩が人々の苦しみを救ってくださる
という事なのです。

これを読むと、上で書いた“すましたお顔“でシュッとされているのも
当然だと思いますよね。

それでは、今回訪れたお地蔵さんを紹介していきましょう。

かなり、かなり細い道を車で上がって行き“龍福寺 駐車場“に車を
止めました。



龍福寺まで少し歩き、階段を上がると真正面に張り紙がありました。
  
  



『へぇ~~~~~、”左手で頬づえ”をついてはるんやぁ・・・』


そこから右側の道を行くとあった、あったありました!
     

聞こえてきそうです。。。『うっ、痛い!』
 

『歯ぁ~、痛いねん! このへんが痛いねん!』
    



こんな事を書いているとバチ当たりそうですね。。。本当は常に人々の
苦しみを思うため、表情も難しくなり頬杖をついて考え事をされている
様子なのでしょうが、”歯痛のお地蔵さん”と思って見ると、ついつい
上の言葉を想像してしまいました。 

実際は・・・
やっぱり、”このお地蔵様は歯が痛くて苦しんでおられる、と人々は
考え「歯痛地蔵の」のニックネームが付き、以来歯痛封じにお詣りす
る人々が絶えません。。。”っという事だそうです。

どうですか、どこかほんわかしてておもしろくないですか?
私は歯痛地蔵さんと記念撮影をして帰ってきました!

103.【軽口】

2012-02-13 | 
【軽口】

日常会話の中では“軽口を叩く“という表現でよく使いますが、今回は
“軽口”そのものについて書いてみます。

意味は・・・

1 調子が軽くておもしろい言葉・話。「―をたたく」
2 口が軽くてよくしゃべること。また、そのさまや、そのような人。
 「―を慎む」「―な人」
3 軽妙なしゃれ。江戸時代に流行した地口・秀句の類。
4 「軽口話(かるくちばなし)」の略。
5 淡白な味。「―の酒」

等が大体代表的にな意味です。

1,2に関しては基本的にはあまりいい意味でつかわれる事がなく、
「軽口をたたく」は”不真面目に、無責任で適当なことを言うこと”
であったり、「軽口を言いあえる仲」は「軽口」そのものがいいもの
ではないので、それを言い合える仲は親しいという事です。。。
これは日常的に使っているのでみなさん、ご存知ですね。

では、3,4に関するあまり使われていない意味の「軽口」についてです。

みなさんよくご存知の落語、落ちがある話“落とし噺(おとしばなし)”
として上方、江戸を中心に広がりましたが、上方では元々、「軽口噺
(かるくちばなし)」と言われていました。その事から「軽口」は上方
落語の古い呼び方と言われています。江戸時代末期になってくると神社や
境内に舞台を設け歌舞伎や芝居のものまねを演じたり、その後は舞台演芸
となり寄席の前座にもなりました。主に二人組で簡単な小道具、衣装を身
につけ謎かけや知恵比べ問答等を演じ人気になりました。しかし、漫才の
出現と共にすたれ、また、明治の半ばになると“落とし噺“の意味で使わ
れていた「軽口」も落語という言葉になり「軽口」という名の演芸は消え
ていきました。

時代と共に言葉は生まれたり、消えたりするんですね。


ちょっと余談ですが「軽口」の字がひっくり返って「口軽」という言葉も
あります。
1 口数が多く、無用のことまで軽々しくしゃべること。秘密などをすぐ
  人にもらすこと。また、そのさま
2 すらすらとものを言うこと。また、そのさま。⇔口重(くちおも)。

こちらもあまり重みのある意味ではないですね。 
口数は多くなくても重みのある言葉を発する人間になりたいですね。

102.【歯痛地蔵】京都府城陽市 寺田駅

2012-02-06 | “訪れました“
【歯痛地蔵】京都府城陽市 寺田駅

久しぶりに“訪れました“シリーズです!今回は京都・城陽市のお地蔵
さんです。このお地蔵さんは今も“歯痛地蔵“と呼ばれ、今も信仰され
ているそうです。

どんなところにあるのか???
寺田駅まではすっと到着。付近を探してみるもわからず、道を歩く人に
聞いてみると『そこの角を左に曲がって少し行ったら「こんなところ通
れるの?」って思える道があるのでそこを曲がって・・・』との事。
そこは大きなスーパーマーケットの横の道で、確かに「こんなところ通
れるの?」って思える道でした。


しばらく行くとあっ、ありました、網フェンスの向こうにお地蔵さん小
屋らしきものが!


近づいていくと屋根は木でできていますが、横後ろはコンクリートで作
られた“小屋”にお地蔵さんがありました。


ですが、よく見ると普通の“お地蔵さん“ではなく、石の板”のような
ものがで~んと置かれていて、そこにかすかに顔のようなものが彫られ
ているのです。




実はこの“お地蔵さん“、元々は石棺の底石として掘り出され、鎌倉時代
に仏像彫刻されたものだったのです。それが、なぜか裏面を上にして寺田
西ノ口を流れる小川にかけられ石橋として使用されていました。そして大
正末期にはずされ、この地の人々によって祀られるようになったのです。

なぜ、“歯痛地蔵“になったのか???

みなさん、わかりますか? パッとひらめく事はありませんか?
小川にかかる石橋の”橋板”として使われていたことから”橋板地蔵“と
呼ばれていたのですが、いつからかなまって”橋板”→”はしいた”→
→・・・→→→”はいた”→“歯痛“から、“歯痛地蔵“と言われるよう
になりました。そして、多くの人々に歯痛にご利益があるお地蔵さんとし
て親しまれるようになったのです。 おもしろいですね。

お地蔵さんと呼ばれていますが、実際は地蔵菩薩ではなく釈迦如来である
ことがわかっています。

久しぶりの“訪れました“でしたが、“歯痛地蔵“、どうだったでしょう?
これからも”歯にまつわるところ“を実際に訪れてここへ載せていきたいと
思いますのでご期待下さい!