【歯顔大笑】

歯を見せて大きく笑おう!

7.【歯亡び舌存す】

2010-02-22 | 
【歯亡び舌存す】
強くがっちりしているものの方が案外先に滅び、弱々しそうに見える
ものは柔軟性があるのでかえってあとまで生き残ることができるとい
うこと。

中国、春秋時代、老子が病気の友人を見舞ったとき、友人の歯が抜け落ちて
いるのを見て「歯がだめになったのは歯が堅かったため、舌が残っているの
は舌が柔らかいからだ」と言ったそうです。そして、その友人は「天下の道
理はこのひと言に言い尽くされている」と感動したといいます。

”歯を没す”の時に書きましたが、動物は歯を失くすと生きていけなるなる
という意味では歯は“弱点”と言えると思います。一方、見た目や堅さとい
う意味では体の中でもかなりの“強度”を誇るものです。我々もついつい
その“強度”にだまされがちですが、決して油断せずしっかりとケアをして
舌に負けないくらい、長い付き合いにしたいものですね。

  ”歯も舌も亡びず存す” でいきましょう!

6.【唇歯輔車】

2010-02-15 | 
【唇歯輔車】 しんしほしゃ
一方がだめになると、もう一方もだめになってしまうような、
お互い助け合うことによって成り立つ関係。もちつもたれつ。
(唇歯=唇と歯、輔車=頬骨と下顎 なくてはならない関係)

ちょっと難しいですが・・・
出典は歴史書「春秋」の解説書、春秋左氏伝(しゅんじゅうさしでん)
です。通称「左伝」と呼ばれ、他に「春秋公羊伝」「春秋穀梁伝」が
あり、合わせて三伝と呼ばれています。。。難しい名前です。

・・・その内容を簡単に書くと・・・

A晋(しん)の軍が、B虞(ぐ)を通って、C「かく」という国を
攻めようとしたとき、B虞(ぐ)の王は通すことを承知した。しかし、
家臣の宮之奇(きゅうしき)がB虞(ぐ)とC「かく」は”唇歯輔車”
の関係で、C「かく」が亡べばB虞(ぐ)も必ず亡びると言った、
と書かれています。

・・・つまり・・・
信頼関係があるとかないとかではなく、お互いに成り立っていく為には
欠かせない関係である、っという事ですね。今の日米関係はこの表現に
当てはまるかもしれません。

・・・英語では・・・
The day of France's ruin is the eve of the ruin of England.
(フランス滅亡の日はイギリス滅亡の前夜)

いろいろなところで同じような意味を持つ言葉ってあるもんなんですね。


5.【歯牙にもかけない】

2010-02-08 | 
【歯牙にもかけない】しがにもかけない
全然問題にしない。無視する。

これは聞いた事があるような、ないような感じの言葉でした。本来の
使い方としては、すごく大きな力の差がある競争相手などに対して・・
例えば『タイガースはベイスターズを”歯牙にもかけない”!』(私は
タイガースファンです!)というふうに使います。
 これとよく似た感じで混同されがちなのが、“鼻にもかけない”です。
“鼻にもかけない”は誤った表現で、“鼻に掛ける”が正しく、自慢する
という意味で、『ジャイアンツはその強さを鼻に掛けている!」とでも使
えるでしょうか。(ジャイアンツファンの方すいません!)
 また、もう一つ、“鼻もひっかけない“という表現。これは鼻水をかけ
るのも嫌だということで、軽蔑した感じで使います。

 この3つ結構混同して耳にしませんか? まとめておきましょう!

・歯牙にもかけない  力の差があって問題にしない、無視する。
・鼻に掛ける     自慢する。(”鼻にもかけない”とは言わない)
・鼻もひっかけない  (軽蔑の意味を含んで)全然相手にしない

日本語って面白いですね!

4.【歯を没す】

2010-02-01 | 
【歯を没す】しをぼっす
死ぬ事で命を終える事  

前回に続きこの言葉も聞いた事がありませんでした。 論語の中にも
”・・・疏食を飯ひて歯を没ふれども怨言なかりき。”(粗食を食べ
命果てても恨みの言葉を発しなかった)というように出ていたようです。
動物にとって歯はとても大切なもので、獲物を得る時も食べる時も、無く
てはならいものです。無くなってしまえば生死にかかわるという意味では
歯は弱点と言えるのでしょうね。 あらためて歯を大切にしないといけな
いと感じます。