漫画 『きのう何食べた？』

料理は好きでも嫌いでもありません。

誰か作ってくれる人がいるなら喜んで作ってもらいます。
気分転換なら他にもっと好きなことがある。

だけどなるべくならおいしいものを食べたい、家族にも食べてもらいたいから、
あまり面倒じゃない範囲内で（ここ大事）、
その季節においしいものをおいしい調理法で食べる心がけはしているつもり。



よしながふみ『きのう何食べた？』　講談社（モーニングKC）刊

弁護士の筧史朗と美容師の矢吹賢二はゲイ・カップル。
同棲している二人の日常が淡々と描かれる。
炊事担当は史朗。
この史朗の作る夕ご飯がとてもいい。

ある日の献立。
・鮭とゴボウの炊き込みごはん
・豚肉とカブのみそ汁
・小松菜と厚揚げの煮浸し
・大根とホタテのなます（作り置き）
・タケノコとザーサイ入り炒り卵

秋が深まったある日は、
・サンマの塩焼き
・栗ごはん
・ほうれん草のゴマ和え
・なめこと三つ葉のみそ汁

休みの日、季節終わりで地物イチゴが安いと、
２パック買ってきてコトコト煮てジャムにする史朗さん。
だけど漬け物までは手が回らない、
たまに食べたくなったらぬか漬け買ってすませる。
冷や奴に３、４種類薬味を用意するくらいマメだけど、
かつお節からダシを取るまではしない、顆粒だしで。
タケノコを煮たりするけど、味のベースにはめんつゆを使う。

栄養のバランスよし、献立のセンスよし、なんだけど、
凝りすぎることはしない、
ぜーたくなものを食べるわけでもない、
手抜きするところは手抜きして、
っていう、その加減が絶妙。

ああ、私も史朗さんのように、
毎日誰かのためにごはんしたくする立場で幸せだ。。。

なんて、私にしてはもっのすごく珍しく殊勝なことを、
素直に思ってしまえるような料理の数々です。


史朗さんのキャラクターがまたいいんだ。
クールなハンサムなんだけど、
「その歳（４３歳）でそんなにハンサムなんて気持ちわるっ！」
と、女性たちからまるで人気がないの（笑）。
ゲイだから気持ち悪がられてるんじゃないですよ、
ハンサムで、スレンダーな体型を保ってるから気持ち悪がられてるの。
かわいそー（笑）


久しぶりのブックレビュー、いい本が紹介できてよかった。
自己満足。