技術士(総合技術監理・機械部門)のブログ

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ヨットと風

2006-03-30 16:32:18 | ヨット啓蒙
ヨットに久々行ってきました
さすがに本日風が強く,一人では出すことができない(出来ないわけではない)ので船の上で掃除をしてお昼を食べて帰ってきました.

さて,ヨットはなぜ進むのか

知っているようで知らない方が多いと思います.

飛行機が飛ぶのと一緒ですよ

と言ってもわからないかもしれませんが,風の中に,風の経路を変えてしまう物を置くとその物が力を受けるという原理を利用しています.
揚力と言う力が翼に働くため,飛行機は浮き上がります.
ヨットの帆は,飛行機の翼を上に向けて揚力の方向を調整することで,風に向かって45度程度の角度まで帆走することが可能になるのです.

ですから,ヨットは風がなくては進みません.

通常ハーバからはエンジンを使ってとろとろと出ます.そして帆を揚げて,風の力だけで進むのです.

帆走している時,とてもナチュラルですよ

一度お試しください.ご希望があればいつでもどうぞ!

遺伝子

2006-03-29 20:17:44 | 脳科学の記事類
遺伝子とは何をしているのか
そしてそれが脳にどうかかわるか
という疑問に答えてくれそうなのが,前回紹介した「心を生みだす遺伝子」であった.

簡単に書こう.

脳を含む身体は 細胞により構成されている
細胞の中に遺伝子がある
遺伝子がタンパク質を作る 遺伝子としてのパターンは30万
遺伝子には,IF THENというルールによりタンパク質を作る
これには,時間的や空間的な制御が入る
また,一つの遺伝子によるタンパク質が与える影響というのではなく,遺伝子相互の関係によりさまざまな現象が起こっている.

? 簡単か?

つまり,遺伝子,環境の相互作用により細胞が形成されていく
ということで,それは
我々の脳細胞も同じ.

だから,心という難解な現象も 遺伝子と環境による相互作用により発現される

ということになる.それは予めある「生まれ」もあるし「育ち」もある.

育ちの中には,私も賛同している身体性が関わることによる学習というプロセスがあると考えられる.

どうも,遺伝子と書くと決まった静的な構造を頭に描いてしまうが,遺伝子はIF
THENルールで発現する.IFの部分が環境や他の遺伝子発現によるものの影響を受けて動的にTHENからのルールによるタンパク質を作ったりする.また,同時に脳内の電気処理ネットワークが働く.電気的信号と様々なタンパク質,回路の増強,ホルモンの分泌などが脳内で絡み合う.これによる記憶システムからくる自我という認識によって「心」が形成されると考えられる.

さて,システム的に,遺伝子のプロダクションルール(IF-THENによるホルモン環境変化やニューロネットの強度調整や新たな回路形成)と,ニューロのネットワーク+カオス的遍歴(情報処理)と,ロボティクス情報処理による環境との関わり(入出力)とによるものを考えていかないといけないことになる.

たぶん,これらを記述してみても,何が発現されるか予想がつかないようになる.

だから,脳科学は 工学応用,医学応用,教育応用に目がいくようになる.ただ,仕方ないことであるかもしれない.
ふと,工学応用の「自律学習システム」による社会に役立つロボットなどのシステムが研究しやすいのかもしれない.と思った.
脳の仕組みを知ること,まねできるかどうかやってみることが科学

さて,まるの認識の具体的なものを作っていこう

生まれか育ちか根性か?

2006-03-28 20:52:25 | 脳科学の記事類
心を生みだす遺伝子

岩波書店

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というのを今必死に読んでいます.
遺伝子により,我々の細胞が分裂して,我々の脳を含む身体が出来上がります.
これは,否定はできません.
しかし,脳の持つ機能である心は,あらかじめ遺伝子により定められているのでしょうか?
ある部分,準備をされているというのが正解であると思われます.
その準備というのはどの程度か,どのような仕組みであるか
が今の脳科学では解明されていないということです.
当然,準備されているから,それにより我々の学習ができることで
色々な知識を獲得していくことになるのでしょう.
それでは,やはり生まれが大事か?
ということを言われてしまいそうですが,そんなことはなく,環境により脳は発達してくというのも正しいことになっています.
ですから,たぶん,「生まれ」「育ち」という区別を明確にする必要はなく,それぞれの相互作用によって脳が発達するというのが正解なのです.
ただ,それを細かく区別することが出来るのか
という疑問が出てくると思います.
そんな,疑問にある程度答えてくれるのがこの本です.あくまである程度ですが.
でも,現状の脳科学では,それが限界でもあると思われます.
我々のアプローチとしては,神経科学での生身の人間や,ほ乳類の実験だけでは限界があり,ロボットを使うことでの解明というのが,遠回りに見えても,それしかないように思えてしまいます.