以前紹介した「計測と制御」第44巻第9号2005の
移動知:能動的な移動機能がもたらす創発的知能
について再度考えてみたい.
脳と身体と環境を考え,それぞれの相互作用により創発されるのが
移動知であるという.これは,なんとなくわかると思う.脳だけ考えてもだめ.身体が動くことで環境との関わりが出てくる.それが脳にそれぞれフィードバックされる.
1)一つの経路は「身体」から運動することによる脳へのフィードバックである.
2)もう一つは「環境」から得る情報による脳へのフィードバックである.
これらは,いま単純に記述しているが,直感的には理解できるであろう.
さて,もう少し細かくしていこう.
(1)脳と身体 これの相互作用のモデルを 身体認知モデル
これは身体を脳が認知するモデルで
(a) 随意行動生成
(b) 自動ステレオタイプ行動
などがあるが,通常の運動を計画して,それを運動野が指令を出し,
身体からの信号を小脳が受け取る.このようなループがあり,大脳基底核がそれらを調整する.また,CPGという振動を発して,運動をパターンを生成する仕組みなどを「高草木先生,浅間先生」が解説している.
(2)脳と環境 これらの相互作用モデルを 環境認知モデル
これは環境を捉える,例えば視覚によるモデルが考えられる.
本ブログの第一ワークショップにて「まる」の認知モデルを検討している.それに該当する.
(3)環境と身体 これらの相互作用モデルを 社会認知モデル
としているが,ちょっとピンと来ない.身体と環境の相互作用とは
例えば,環境と身体が接することで環境が変わり,身体も拘束されるようなことや温度,湿度などの状況変化による身体への影響などが考えられる.しかし,あまり上記先生方は解説してくれていない.
つぎに,じゃあ今後どうなるか
ということであるが,まだ研究途上であり,成果としてはあまり現れていないのが現状である.学際で取り上げられる時,非常にきれいで魅力的な前書きであることが多い.しかし,実際の研究は単純なモデルによる検証しかできないことが多い.これが,非常におもしろくない結果を出している.脳という複雑なものをシステム論的に扱う場合,システム自体が複雑で,果たして具体的な成果が出てくるのか?
非常に疑わしい.
成果が出ているのなら,ぜひ教えていただきたい.
移動知:能動的な移動機能がもたらす創発的知能
について再度考えてみたい.
脳と身体と環境を考え,それぞれの相互作用により創発されるのが
移動知であるという.これは,なんとなくわかると思う.脳だけ考えてもだめ.身体が動くことで環境との関わりが出てくる.それが脳にそれぞれフィードバックされる.
1)一つの経路は「身体」から運動することによる脳へのフィードバックである.
2)もう一つは「環境」から得る情報による脳へのフィードバックである.
これらは,いま単純に記述しているが,直感的には理解できるであろう.
さて,もう少し細かくしていこう.
(1)脳と身体 これの相互作用のモデルを 身体認知モデル
これは身体を脳が認知するモデルで
(a) 随意行動生成
(b) 自動ステレオタイプ行動
などがあるが,通常の運動を計画して,それを運動野が指令を出し,
身体からの信号を小脳が受け取る.このようなループがあり,大脳基底核がそれらを調整する.また,CPGという振動を発して,運動をパターンを生成する仕組みなどを「高草木先生,浅間先生」が解説している.
(2)脳と環境 これらの相互作用モデルを 環境認知モデル
これは環境を捉える,例えば視覚によるモデルが考えられる.
本ブログの第一ワークショップにて「まる」の認知モデルを検討している.それに該当する.
(3)環境と身体 これらの相互作用モデルを 社会認知モデル
としているが,ちょっとピンと来ない.身体と環境の相互作用とは
例えば,環境と身体が接することで環境が変わり,身体も拘束されるようなことや温度,湿度などの状況変化による身体への影響などが考えられる.しかし,あまり上記先生方は解説してくれていない.
つぎに,じゃあ今後どうなるか
ということであるが,まだ研究途上であり,成果としてはあまり現れていないのが現状である.学際で取り上げられる時,非常にきれいで魅力的な前書きであることが多い.しかし,実際の研究は単純なモデルによる検証しかできないことが多い.これが,非常におもしろくない結果を出している.脳という複雑なものをシステム論的に扱う場合,システム自体が複雑で,果たして具体的な成果が出てくるのか?
非常に疑わしい.
成果が出ているのなら,ぜひ教えていただきたい.