南のまち、と森の端

南九州の一隅からちょっとした日常の出来事や思いを綴ります。

久方ぶり展覧会を観に高鍋へ

2024-02-20 20:42:11 | 芸術文化

もう1年以上も行っていない高鍋町美術館に足を運びました。今回は実妹と一緒にバスと電車で行き、帰りには高鍋温泉めいりんの湯で食事とお湯につかり小旅行の風情。沿道にはコブシの花が咲いていたり、もう春の雰囲気でした。

「河野扶(たすく) 向うからやってくるもの-作意を捨てて」(3月3日まで)。河野氏(1913-2002年)は宮崎県の出身ながら東京を拠点にしていたため、九州に作品は多くは残っていない、と言われていて、今回九州初の回顧展開催となりました。現在の東京大学理学部を卒業後、民間企業や高校教諭を務めたのち渡欧、画業に専念しました。遺族や、作品が多く残っている長野県東御市の梅野記念絵画館の協力を得て今回の展覧会が実現しました。
具象から出発し、のちに抽象絵画を描き、70歳のころからは独特な画風を深めていきました。絵の具を厚く塗り、削ってはまた塗る技法。そこには作意を捨て、自然に湧き出てくる美しさを定着させる河野独自の世界を形成されてゆきます。彩色古墳の渋い赤に似た色彩など日本的な体質も感じさせ、しっとりと深い。それでいてどこか洗練されていて大変興味深いものがあります。56点を展示。会期中2月23日には東御市梅野記念絵画館館長の大竹永明氏による講演会(午後2時から)も開かれます。

河野扶展のポスター

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春の彩り

2024-01-08 17:06:20 | 園芸

いよいよ寒さも本格的という感じですが、我が家の小さなプランター庭園に急に黄色の春の花が咲きました。また、近くの通路にあるツバキの1本に花が咲いて、春らしい彩りになりました。
黄色の花は菜の花。毎年花を咲かせ種を取ってプランターに蒔いています。他のプランターに植えているカブ、小松菜、ニラ、センモト、三つ葉とこの菜の花が我が家の菜園。菜の花は3つのプランターに植えているので、これから咲く花は半分は鑑賞用、残りは料理に利用しようと思っています。まず咲き始めた菜の花はお味噌汁に浮かせて春を楽しみました。もう次の花芽が大きくなりつつあり、しっかり花を咲かせようと思っています。
ツバキは木の高さが1メートル30センチ程度なのに、およそ20もの美しい花をつけ、まだ彩りの少ない辺りを華やかにしています。明るい色彩は冬の重さを払ってくれるようです。

咲いた菜の花、ツバキ

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「小さな空」と「落葉松」

2023-12-26 13:35:34 | 地域

いま机の上にCDが2枚あります。メゾソプラノの歌手・波多野睦美さんの「アルフォンシーナと海」と「美しい日本の歌」。波多野さんは古典歌曲から現代歌曲まで幅広く歌ってCDもたくさん出しているなかで、私にとって魅力的な1枚。つのだたかしさんのギター、リュートとともに美しくやさしく繊細に歌い上げ、心を癒やしてくれるようです。「アルフォンシーナと海」に収められた15曲の中に戦後日本を代表する作曲家・武満徹さんの曲が2曲あり、「ちいさな空」はその1曲です。武満さん自身の作詞。
「青空みたら/綿のような雲が/悲しみのせて飛んでいった/いたずらが過ぎて/叱られて泣いた/こどもの頃を憶(おも)いだした」
この曲が「ノヴェンバー・ステップ」を作曲したあの武満作品?と思わせるような、親しみやすく、温かで美しく、そして心に響きます。

「落葉松」は小林秀雄さん作曲。合唱コンサートで何回も聴く曲ですが、ソプラノなどソロで歌うこの曲をYouTubeなどで聴くうちに心から離れなくなりました。
「落葉松の秋の雨に/わたしの手が濡れる/落葉松の夜の雨に/わたしの心が濡れる」
野上彰さん作詞。YouTubeではいろいろな方が歌っていますが、ソロでは波多野さんや森麻季さん、川口聖加さん、珍しいところでは藤木大地さんの歌などが好きです。
波多野さんのCDのビアノは野平一郎さん。なんとやさしく美しく静かな曲なんでしょう。深さも感じます。日本の歌曲にこんなにもひかれ、癒やされるなんて自分自身で思ってもみなかったことでした。

音楽は私にとってとても大切な存在になっています。2曲とも詩はシンプルなようで奥が深く、素晴らしいという言葉では尽くせないような気がします。その心の基にあるのはシューベルトやブラームスの歌曲・室内楽にみる叙情にも通じると思っていますが、それをさらにそぎ落としたピュアな心のような気がします。汚れた心をリセットしてくれるようなこれらの曲と出会えて幸せを感じるし、なくてはならないものになっています。

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「We wish you a merry christmas‥」

2023-12-23 20:59:06 | 日記

今年は3月に宮崎県立病院でほぼ一か月の入院のあと人工透析の導入、4月から透析施設のある地域の医院で継続的に透析生活を送っていて、人生でも大きな転換点になったと言える年でした。
当初は精神的に落ち込んだり、何もかも初めてでまごついたりでなかなかなじめないでいましたが、先生はじめスタッフの方々の手助けでなんとかペースがつかめてきたようです。それでも週3回4時間の透析は相当に長く、途中血圧が急に下がって気分が悪くなったり、足がつったりして看護師さんに迷惑をかける日がたびたびあります。終了後のだるさなど予想以上にきつい感じですが、これからも何とかスムースに治療が受けられたらと思っています。
この4時間をベッドの上でどう過ごすか、が問題ですが、私は約2時間をNHKラジオFMの「クラシックカフェ」、後半をアマゾンの朗読アプリ・オーディブルで文学作品の朗読を利用、いま夏目漱石をあらためて聴いています。
ところで、ベッドの脇にはダイアライザーという透析の装置などの機械がありますが、透析終了と同時にメロディーが流れます。ひとつはだれでも口ずさむことができそうなクリスマスソング。「夏なのになぜクリスマス?」と思ったのですが、クリスマスの定番曲なのに、なじみのある曲なのに、題名がどうしても思い出せないのです。そしてもう1曲はアメリカの有名な曲なのにこれもなかなか分からずにいたところ、最近になって相次いで曲名が判明して胸のつかえが降りました。私にとってはささやかな喜びのひとつでした。
一つはイギリス発祥のクリスマスソングで「We wish you a merry christmas and happy new year」。もう1曲はフォスター作曲「夢みる人」。クリスマスソングの方はYouTubeで、フォスターは偶然TVのCMで知りました。テンポがだいぶ違うので気づかずにいたのでした。スタッフの反応がほぼなかったのはちょっぴり残念だったものの、皆さんにとっては、多くの患者一人ひとりの命を預かる真剣勝負の場、チャイムどころではないのでしょう。
今年は何とか無事に過ごせそうです。今後はさらにスタッフの皆さんや患者間のコミュニケーションに恥ずかしがらずに努め、透析生活が無事にスムースにいくように、と願っています。来年以降もよろしくお願いします。

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小さなスミレの花

2023-11-21 16:05:11 | 地域

2日前、園芸店でビオラの苗を3株購入し、早速プランターに植えました。そして今日は思いのほか温かな午後だったので、久しぶりに大淀川河川敷・堤防を散歩しました。草が刈られ、きれいに整備された河川敷ではお年寄りたちが楽しそうにグランドゴルフに興じていました。
これから冬に向かう今の季節、さすがに花はどこにも咲いていませんでしたが、帰り際、堤防の足下をふと見ると、2センチほどのスミレの花が2株ひっそりと咲いているではありませんか。野生のスミレの花といえば春ですが、温かな日を浴びて咲くスミレはかわいらしく美しい。ラッキーな午後でした。

かわいらしいスミレの花

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