バス運転士の以前のキャリアの中で、意外と多いものの一つに自動車教習所の教官があります。
自動車教習所の教官を経験された方は、概ね数年のバス運転士の経験を行った後に、指導運転士になる方が多いです。
教え方も、法規を遵守したしっかりした指導を行い、教わる側もその指導を素直に受け入れやすい方法を知っている方が多いです。
私が教わった指導運転士の方も、法規に遵守したものはもちろん、ハンドルの回しかたやブレーキ、アクセルの取り扱いについても安定感を感じる指導でした。
特に、私の気付きにくい運転のクセについても、細かく指摘いただき一人で乗務して恥ずかしくないレベルまで高めていただきました。
以前は亜流で行っていた運転も客観的に正され、「本来の正しい運転とは何か?」という問いかけに対する明確な回答をいただけた様で大変満足しています。
これで、全国どこのバス会社でも勤務が可能なドライビングテクニックを手に入れた様で、非常に心強いです。
さて、逆にバス運転士を経験された方の次の職業に、自動車教習所の教官も結構多いです。
私が大型二種免許を取るために合宿で通っていた教習所の教官は、地元の元バス運転士でした。
バス運転士のように、公共交通サービスを担う仕事をしていた方は、法規の遵守が重要で自動車教習所の教官と相性が良いみたいです。
特に若い人は、3年程バス運転士を経験し後に、地元に帰り自動車教習所の教官になるのも一つのキャリアプランとしてありだと思います(教習所求人ナビ)。
給与にしても、教官の免許を取るまでは月給20万円から25万円ですが、教官の免許を取れば、月給30万円から35万円位で悪くはありません。
自動車教習所の教官は、特殊な専門職でワークライフバランスの観点からプライベートも充実した数少ない職種のようです。
バス運転士の仕事の経験は、普通では考えられない様なキャリアルートを開くものとして、有意義なものと私は感じます。
バス運転士に就職する際、自動車安全運転センター発行の運転経歴に係る証明書の内、過去3年間または5年間の「運転記録証明書」の提出を求められます。
これは、旅客運送の自動車を運転する際は、どの会社でも必ず求められるものです。
「運転記録証明書」には、過去の違反や免停などの記録が詳細に記載されています。
会社によりますが、面接の際に持参することが求められる場合もあり、あまりに違反や免停が目立つ場合は、採用を見送ることが考えられます。
特にバスは、大型車を運転し、かつ、公共交通サービスであるため、違反が多い運転士が歓迎されないことは安易に予想できると思います。
特に、タクシーやトラック、軽貨物のドライバーは、決まった運行ルートを通行するわけではなく、毎回違うルートを運行することが一般的です。
そうなると、違反しやすい場面に遭遇する頻度が、路線バスなどの決まったルートを運行するものに比べ格段に多いです。
よって、違反などで運転免許が汚れているドライバーが多数散見されることは必然的と感じます。
これらのドライバーがバス運転士の求人に応募した場合は、違反の数を理由に採用を断られるケースも少なくありません。
実は私がバス運転士に初めてなろうとしたときに、非常に悩んだ内容がこの事なのです。
直前まで軽貨物の仕事を行っていたため、運転免許が若干汚れていたのです。
実際にそれを理由に、採用を断られたこともありました。
どうしようか悩んでいたときに、偶然田舎のバス会社に出会い、免許についてはさほど触れられずに採用されました。
今考えると、この転職活動は本当に正しかったのか疑問です。
しかし、バス業界にギリギリ滑り込んだ私は、この会社で勤務した3年半は一度も違反はございません。
おそらく、次の免許更新でゴールド免許になると思います。
免許が少し汚れ気味のドライバーの方は、田舎のバス会社の場合にはあまり詮索されず採用される場合もあります。
よろしければ、トライしてみるのもよいかと思います。さすがに大手のバス会社の場合は、免許の汚れに神経質な場合もあります。
でも、未経験者は一番大手のバス会社からはじめた方が、今後のバス人生は無難に過ごせると感じます。