前回の記事で、バス会社は入社してから3年は新人期間が設けられている旨の記事を書きました。
当然、この記事を見て「入社から3年以内だけど、会社の仕事を頼まれています。」と云う方もいらっしゃるかと思います。
実は、私も以前勤務していた会社がそうで、私も入社から1年半で運行管理者を土日だけ頼まれたことがあります。
また、私と同期に入った先輩は、1年ほどで本人のコミュニケーション能力を買われて、労働組合の事務を頼まれていました。
私よりも9ヶ月前に入社した女性運転士は、過去のトラック経験から来るドライビングテクニックを買われて、入社1年程で新人の指導教官をやっていました。
このように、どこの会社でも一律に3年間の新人期間が設けられていると云う訳ではありません。
地方の中小バス会社は、新人研修期間も含めて、都会の大手バス会社に比べて緩い傾向に現在はあります。
さて、都会の大手バス会社は、全国のバス会社のリーディングカンパニーの役割も同時に担っているため、事故の防止体制についても理想的な方法を先駆者的に行います。
この都会の大手バス会社が行った方法の成功事例を真似して、全国のバス会社の事故防止体制が組まれ浸透していくと考えられます。
営利のみを追及する企業の様に、下請企業や中小零細企業をサンプル(実験場)とし新しい方法を実験して、その後その大手企業が良い部分を取り入れる非人間方式とは真逆です。
まさに、官民が協力して盛り立てる公共性の高い事業(公共交通サービス)だから可能な発想です。
官民一体で、全国のバス運行の事故防止体制の構築を真剣に考えている業界です。
そのため、都会の大手バス会社で成功した方法は、後に役所の指導の原版になり、末端の中小バス会社に浸透していくことが安易に予想できます。
私が云っている3年の新人期間は、都会の大手バス会社の多くが現在採用しています。
今後、日本中のバス会社がこの成功体験にならい変わっていくと考えています。
バス運転士は、入社してから3年間は運転に集中して仕事を覚えていく期間が確保されていると以前から説明させていただいています。
この3年間は、新人バス運転士としての期間で、その後の3年から10年間は中堅バス運転士としてバス会社から会社の仕事を任されるようになります。
一番大変な時期が3年から10年までの中堅期間です。昔の大手バス会社では、この期間の大変さから自○者も出た忌まわしい過去があります。
では、何故3年間の新人期間がもうけられているのでしょうか?
普通の企業の場合は、3年前でも本人のやる気や能力を鑑みて、会社の仕事を任せる場合もあると思います。
それでもバス業界では、それをしない場合が多いです。
理由としては、どんなに能力ややる気があるように見えても、バス業界に縁の無い人間は3年以内に辞めていくといった、ある種のジンクスの様なものがあるとも云われています。
また、入社して1年から3年位は、運転に慣れてきて無理な運転をしがちな時期で、一番事故に注意な期間でもあります。
この時期に、会社の責任ある仕事を任せると、心配事や気持ちのコントロールの間違えから重大事故に繋がる可能性も無視できません。
この事は、普通車でも同じで、慣れてきた時期が最も危険な魔のスポットであると云われています。
さて、バス運転士は安全第一で運転に集中する義務があり、その集中を妨げる要因がある場合は、予めその要因を排除する必要があります。
有名なところでは、片手運転禁止やそれを誘発する「手を挙げた挨拶」禁止などが挙げられます。
新人期間も予め事故が多い時期であることが判っているならば、その要因を少しでも排除する必要があります。
この日々の努力を事前にしているか否かが、実際の事故処理の際の悪質性の判断に重要な要素となります。
要するに事故に対して、日頃からするべき防止努力をしたけど発生した事故なのか否かでは、悪質性の判断も異なると云うことです。
そんなこともあってかどうかは知りませんが、バス運転士には新人期間が3年間設けられています。
この期間にバスの運転で一番難しい気持ちのコントロールをしっかり覚えて、事故の無いバス人生を送っていただきたいと切に願います。
私は、このブログで、上から目線で転職に苦しむ人を、おちょくっているのではありません。
バス運転士は、免許がないと出来ない仕事ですが、免許取得もそれほど難しくはりません。
また、バス運転士を3年以上続けることも、過酷なノルマ営業や実力主義の業界などに比べれば難易度は低いです。
要するに、バスの免許や3年以上の経験は、上から目線で人に自慢を出来るほどのものではないと云うことです。
しかし、バスの免許と3年以上の経験は、全国どこでも一定の待遇が保証された、ある意味ニッチでコスパの良い一生もののスキルと感じます。
特に中高年からでも比較的に修得しやすく、どなたでもやる気さえあれば可能な範囲を越えていないと思います。
では、何故多くの人は、このスキルを身に付けようとせず、転職に苦しむのでしょうか?
それは、社会的な見栄えが大きな要因と感じますし、バス運転士になるために越えなければいけない最大の難所と感じます。
バス運転士も含め、ドライバー職は行き処を失った人間の最後の就職先として考えられていると思います。
もちろん、そういった側面も否定はしません。実際に、私もそういう方を何人も見てきています。
しかし、本人がギブアップさえしなければ人生はやり直せるとも私は信じています。
一旦、世間の厳しい目線を受け入れつつ、自分は独自の努力を進めていくことがしやすいのも、ドライバー職の特徴です。
例えば、資格取得を考えたり、趣味を極めるために頑張ったり、起業の準備をしたり、次のキャリアプランに向け行動したりなど、本人次第でどうにでもなると私は考えています。
人間は世間の見栄えなどに関係なく、日々仕事をして生活の糧を稼がなければいけません。
少なくとも、バス運転士として働く以上、贅沢さえしなければ、生活に困ることは通常考えられません。
是非とも、転職に悩む方で、バス運転士に興味のある方は、周りに流されずに冷静に判断していただきたいと思います。
バス会社の退職者の中央値は、概ね3年から5年位と云われています。
「養成運転士の5年縛りの関係があるのか?」と云うこともあると考えられます。
しかし、そうではなく「辞めるヤツは、辞めたいときに辞める!」と云うのが正しいように思います。
養成運転士の運転免許代も概ね30万程度です。
これは、バス会社が提携している教習所ですので、かなりの割引がかかっていると思います。
変な話、退職時に返還を求められても、30万円程度なら貯金で返したり、親類に借金したりしても大したことはありません。
合わない会社で居続けるよりは、大型免許を活かした就職をすれば、直ぐに挽回できます。
そんなこんなで、若い人特有の「仕事が合わない。」や「人間関係。」などの、良くある退職理由の場合は、1年以内から2年位で辞める人が殆どです。
バスの仕事は、1年以上勤務できれば、一生勤務出来ると云います。
そんなことから、他の業界に比べ10年選手から30年選手がゴロゴロいます。
意外と本人が続ける気があれば、長く続けられる業界でもあります。
しかし、そんな状況の中でも3年から5年位で辞める人は後をたちません。
別に、バスの運転が嫌で辞めるのではありません。
理由は、「一定の経験を積んだため、条件の良いバス会社に転職する。」が一番多いです。
未経験では入社が困難だった大手有名バス会社や、移住を希望する地方の有名バス会社への転職が多いです。
中には、公営バスの試験を受けて、中高年から公務員として採用された方もいます。
都心では、小田急バスと都営バスが、最も待遇がよく安泰な就職先として知られています。
次に多いものが、「運転の仕事だけしたい。」と云う退職理由です。
新たに入社してか3年後位から、コアなメンバーとして認められますが、その分会社の仕事を任されたりもします。
例えば、運行管理者などの内勤業務や、指導運転士の補佐業務で新人のサポートしたり、副班長として班の雑務を取りまとめたりなどが考えられます。
長く一つの会社に勤める場合は、当然経験すべきことですが、運転だけしたい人からは苦痛でしかありません。
こういう人は、3年から5年程度でバス会社を変える「渡り鳥」のような転職をし、最終的には田舎の中小バス会社に落ち着きます。
バス業界は、こう云った「渡り鳥」みたいな人でも業界にさえ居れば、比較的安定した人生を送ることが出来ます。
やはり、大型二種免許と3年以上の経験は、普通の人が保有しない稀有なスキルなのかもしれません。
とはいえ、この「渡り鳥」の様な人も50歳位から、一つの会社に居着くことを考え出します。
理由は、バス業界は基本的に55歳以上の新しい採用は、正社員としての待遇で採用しないためです。
55歳以上で、バス業界に入る場合は、基本的に嘱託社員かパート勤務になります。
私は、独身で本人さえ良ければ、渡り鳥の様に全国各地のバス会社を渡り歩くのも、楽しい人生として良いのではないかと思います。
昨日の記事で、若い女性のバス運転士を積極的に採用して欲しい旨の記事を書きました。
しかし、現実は若い女性でバス運転士やドライバー職を選ぶ方は、ある意味変わり者の部類で、ごく少数者であることは以前より認識しています。
要するに、冗談を言って場を和ませたいと思ったのです。
本当に増やすべき女性バス運転士のターゲットは、アラフィフ、アラフォー世代の女性です。
では、何故この世代の女性に向けた記事を遠慮しているのかと云いますと、何らかの形で圧力をかけられる可能性があるからです。
表面的には「女性の事情をよく知らないクセに、勝手なことを云うな!」と云う内容ですが、若い女性にバス運転士を勧めてもこの反応はありません。
要するに、「中高年の独身女性の貧困問題を想起させる様な発言は、女性全体の美観を損なう。」と云うことです。
「そこに愛はあるのか?」と云いたくなりますが、女性には女性の掟や不文律があるのでしょう。
ある部分では、男性よりヤクザな側面があると云います。
そのため、敢えて私のブログでは、アラフィフ、アラフォー世代の女性には、私からはバス運転士を積極的にお勧めしません。
但し、男女とも55歳を過ぎると、バス運転士やトラックドライバーで、基本的に新たな採用で正社員はなくなります。
嘱託かパート勤務になりますので、応募を希望される方は、出来ればお早めに応募をお願いいたします。