Mr.Busーstop(バス運転士の日記)

大手バス会社勤務の路線バス運転士です。バス運転士の日常をお届けしたいと思います。

バス運転士の評価基準について。

2024-06-15 11:28:39 | 日記
「元トラックドライバーで、運転技術はピカイチの筈なのに、何故に会社は評価してくれないのか?」と云う運転業務の経験者の方からの話をよく耳にします。

確かに高度な運転技術や自動車の構造についての知識など、他のバス運転士よりも優れていることは一目瞭然です。

会社は、このバス運転士に対して毛嫌いし嫌がらせをしているのでしょうか?

バス業界は、只でさえ人材不足の業界で運転がしっかりしていて、自動車の構造にも配慮できる人材は貴重な筈です。

なのに何故に会社は、バス運転士が追い出しを掛けられていると誤解するようなリスクある行動をするのでしょうか?

これは、バス会社に限らず一般的な会社の評価の仕組みを、このバス運転士が理解していないことに起因します。

一般的な人事評価システムは、必須スキルごとに段階評価します。

また、この段階評価には足切りが存在し、他のスキルが勝っていても一つでも足切りに掛かると評価対象から除外されます。

例えば、5段階評価で3までは許容限度とします。

運転技術5、車両知識5、コミュニケーション3、接客2、安全運行4という評価がついた場合、接客2が有るため評価の対象から見送られます。

仮に運転技術3、車両知識3、コミュニケーション3、接客3、安全運行4のバス運転士がいたとします。

この場合は、足切りに引っ掛からないため、評価の対象に含まれます。

普通、会社側も足切りに掛かりそうな場合は、事前に是正勧告をバス運転士に行います。

これに対して、どの様な向き合い方をするかが今後の評価に掛かってきます。

分かりやすく解説した動画をバス軍曹さんが挙げていますので、ご確認下さい。



「運転技術が優れているから会社は評価する筈だ!」と、無視していると上記の様な評価対象から外されることになります。

事前に運行管理者からの指摘事項には謙虚に従うことが無難と感じます。

バス業界は、古い業界で年功序列の要素が他の業界よりも残ります。

バス運転士が会社に評価される加点要素とは? - Mr.Busーstop(バス運転士の日記)

前回の記事で、バス会社は公務員的要素が高く、評価は基本的に減点方式になりがちと書きました。バス運転士の安全運行は当たり前のこと。-Mr.B...

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かといって、全てが年功だけで評価される訳ではないことは、予め認識しておく方がよいと感じます。
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田舎のバス会社のメリットとデメリット。

2024-06-15 07:59:37 | 日記
私は、今のバス会社に就職する前に地方のバス会社で3年6ヶ月の勤務経験があります。

以前、未経験者は都会の大手バス会社で3年勤務した後に田舎のバス会社に就職することをお勧めしました。

全国どこでも働ける仕事がバス運転士。ただし… - Mr.Busーstop(バス運転士の日記)

「路線バス、高速バス、貸切バス、送迎バス、ロケバスなど、バス事業には多くの種類が存在すると思います。バス運転士を目指す場合、最初はどれを経験すべきですか?...

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バス会社は、他の業種に比べてよくも悪くも昭和の日本型企業が多いです。

これは、同僚や先輩との接し方に至るまで、その傾向が色濃く残っています。

正に現在のガラパゴス型産業の様で、そこが懐かしかったり、窮屈だったりと様々な印象を持たれると思います。

現在の企業に慣れた方が、突然田舎のバス会社に就職すると、30年位タイムスリップしたような印象を持たれる方もいらっしゃる程です。

「古きよき」には、メリットもあればデメリットもあります。

メリットは、都会のバス会社よりも気楽に仕事が出来ることです。

規則等の縛りもさほど厳しくなく、制服なども有ってないような感じです。

抜き打ち検査や入社後の研修も緩く、取り敢えず2、3週間研修すれば独車が許される感じです。

道も空いていて、気を付けるポイントを押さえれば、さほど問題はありません。

こう考えると気楽に仕事をしたい方からしたら、うってつけの職場の筈ですが退職者が後をたちません。

給与の面は都会より安いですが、地方は物価が安いですから遣り繰りを上手に出きれば、克服できると思います。

考えられるものとして、人間関係が近いことが最大の原因と感じます。

特に地元出身の古株との関係が重要になります。

地元にずっといるバス運転士は、中学、高校からの先輩後輩の関係をそのまま引きずる人が多く、その中に馴染めるか否かが重要になります。

中には、地元の不良グループ上がりの方もいて、安易に近づくと危険な場合もあります。

次に、運転技術の面で研修制度がしっかりしていないため、亜流の運転に成りがちです。

そのため、先輩運転士から事あるごとにそこを弄られる事があります。

やはり長くバス運転士をやる場合は、都会のバス運転士を3年以上経験して、それから地方のバス会社に就職することをお勧めします。

地方のバス会社の最大のメリットは、余暇が充実することです。

観光資源が豊富で、休みの日にそこを廻るだけでも相当充実すると思います。

また、家賃が安いので3万円の家賃で、2LDKで小さな庭付きのアパートに住むこともできます。

家庭菜園などの趣味を行うこともでき、自然のなかで自分を取り戻すことにはうってつけです。

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メリット、デメリットを予め認識した上で、懸命なバス運転士人生を送って頂きたいと切に思います。
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