ある宇和島市議会議員のトレーニング

阪神大震災支援で動きの悪い体に気づいてトレーニングを始め、いつのまにかトライアスリートになってしまった私。

【責任の取り方】難波先生より

2014-09-01 15:29:28 | 難波紘二先生
【責任の取り方】
 8/11の【死亡状況】の項で、縊首現場のかばんの中にワープロ印刷の遺書3通が残されていたこと、その宛先は
① 小保方UL宛:
② 理研CDC幹部宛:
③ 笹井研究室宛:
であったことを「読売」報道などから指摘し、「家族宛のものは自宅にあると思われ、これに関する情報はプライバシーの範疇に属する」と述べた。家族宛の「自筆遺書」があるかどうかは「事件性」の判断にきわめて重要だ。
 「日経」8/13記事によると、8/12「遺族代理人」中村和洋弁護士が大阪市内で記者会見し、笹井氏が妻宛と実兄宛に残した遺書2通があることを明らかにした。全文は公開されていないが、「マスコミなどからの不当なバッシングや、理研や研究室への責任から疲れきった」という内容であるらしい。ネットで横行している「陰謀説、他殺説」への反論かとも思われるが、私自身は自筆遺書があるのなら「自死」としてよいと思うし、「事件性なし」とした警察の判断も間違っていないと思う。但し記事には「自筆の」という記述はない。親族宛の遺書もワープロで書いたのであろうか。

 笹井氏の自殺前の「病歴」については、8/6「日経」が8/5理研広報室長の記者会見から「今年3月から1ヶ月間弱、心的ストレスが原因で入院していた」と書いており、竹市CDBセンター長の話として「治療のため家族と連絡を取り合い、<通院と投薬を始めた>と連絡を受けたばかりだった」と報道している。これについて8/6「産経」は「同僚によると、診療内科を受診しており、薬の副作用ではっきりと会話することが難しかったという」と報じている。
 入院していた病院名も科名も、理研に提出された診断書(もしあれば)の病名も、通院を始めた科名も公的には明らかにされていない。ネットでは「鬱病説」が横行しているが、鬱の極期であれば自殺する気力もなくなるのが普通。ろれつが回らないほどの口調であれば、非常につよい向精神薬を服用していた可能性がある。これは酩酊と同じように判断力を狂わせる可能性がある。
 ( しかし、笹井氏の死について、もうネットでも語る人はめっきり少なくなった。
 「人は死んで三日したら忘れられる(山田風太郎)」 )

 8/12「毎日」に「理研改革委」の委員長として先に報告書をまとめた、岸輝男東大名誉教授(材料工学)の長文インタビュー記事が載っている。
 岸氏は一連の問題の原因について、「野依理事長は3月の記者会見で、原因を(小保方という)<未熟な研究者>にあると述べたが、「僕は<未熟なCDBが未熟な研究者をリーダーにし、それを認めた理研本部>という構造的な問題だとみています」と述べている。
 「報告書の提言に従い、CDBセンター長と副センター長を異動させ、理研本部にSTAP問題の専門部署を作っていれば、CDBの新しいトップはマスコミ取材の負担も減り、残った職員は本来の研究に戻れた。一日も早くCDBがSTAP問題と縁を切ることが必要で、それが<CDB解体>による<新センターの創設>だ。
 日本の研究者に対する信頼性は間違いなく低下する。STAP問題では、論文不正に加え、理研の対応の稚拙さが問題を拡大させ、二つの側面で信頼を損ねた。日本学術会議や生命科学系学会の協力を得て、すべての疑義を早く調査することができていれば、問題を長引かせずに済んだはず。
 (理研本部が)もっと早く改革に動いていれば、今回の悲劇は起きなかったかもしれないと考えると、非常に悲しい」と述べている。
 岸名誉教授は1939年生まれだから世代としては私とほぼ同じだし、事件についての考え方もほぼ同じだ。事件の背景には国の2つの国の政策がある、と私は考えている。
① 1991年からの「大学院重点化」政策による、学部教育の質的劣化とドクターの粗製濫造。
② 「競争的資金」と称する科学研究費の獲得競争に研究者を追い込んだこと。
 この二つがなければ「小保方というモンスター」は登場の余地がなかった。
 さらに二つの要因が事態をいっそう悪化させた。
 ③「STAP論文不正」発覚後に、理研幹部に危機管理能力が欠如していたこと。
 ④笹井氏の辞職願を受理しなかったこと。
 
 この「毎日」記事はインパクトがあり、今後ネットでは野依理事長に対する批判が高まるだろうと思う。ヴァカンティによれば「組織のトップの賞味期限は10年」だそうだ。それを理由に彼は「サバティカル」という名目で実質引退する。野依氏はどうする気だろう?

 8/27に行われた「丹羽中間報告」と「理研アクションプラン発表」の記者会見で、野依氏は自分の責任の取り方について明言しなかった。1月末の記者会見の際には前にしゃしゃり出て、自分が理事長になって進めてきた路線の成果であると強調したではないか。いまその事案は「世界三大研究不正」のトップに位置づけられている。
 8/28「日経」記事によると、野依氏は「計画の陣頭指揮を執る」「高い規範を取り戻すことで責任を果たす」と記者会見で述べたという。不祥事に際して「俺がいなければこの組織はどうなる」と思うトップは多い。が、組織とはそういうものではない。「かけがえがない」人材と思われていても、突然死すればちゃんとかけがえがある。三日すれば忘れられて、組織は何ごともなく動いて行く。

 明らかにこの人は「引き際」を間違えた。世の中、引き際を間違えると、辞めたくてもやめられなくなる。このままズルズルと、理研全体の信用を失墜させ、野依氏が過去に達成した個人的栄光を色あせさせ、さび付かせながら、「消えゆく(フェードアウト)」のであろう。
 すでに理研の来年度予算については文科省レベルの概算要求で5億円の減額がなされ、当初予定されていた理研を「特定国立研究開発法人」とする法案の年度内決定が中止されている。内閣改造後の新しい担当大臣が、現在の文科大臣よりも、理研に対して好意的であるとはとても思えない。
コメント (54)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 【三題噺:旧石器・STAP・従... | トップ | 自民党の力で »
最新の画像もっと見る

54 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (Unknown)
2014-09-01 18:11:46
また同じ文科大臣にすると決めたらしい
権力者の後ろ立て確保に躍起だなあ・・・
返信する
Unknown (Unknown)
2014-09-01 18:13:57
そりゃ、他の文科大臣には変えられんわな
深い深い事情がありありだね
返信する
Unknown (Unknown)
2014-09-01 18:15:31
そりゃあ、○セダで固めておかなきゃな
返信する
Unknown (Unknown)
2014-09-02 08:49:48
理研の現況は、八百長問題時の日本相撲協会と組織としての体質がよく似ていますね。

(1)一種のムラ社会で、世間一般の常識から少しずれている。
(2)部屋(研究室)もしくは同門別に師匠筋がはっきりしている。
(3)構成員は名ばかりの公募で、もっぱら囲い込みか推薦で採用される。
(4)世間を騒がす問題が起きると監督官庁(文部科学省)の顔色をうかがう。
(5)管理能力欠如で、改革委員会から外部からの理事招聘を具申される。

理事長がステップ・ダウンした(しない)が明らかに違っていますが、片方は理事長が偉すぎるのでは?
返信する
8月27日会見の印象 (ワフワフ)
2014-09-02 09:47:51
8月27日会見で、印象に残った2点
いずれも野依氏の反応
(1)記者「辞任しようと思ったことはなかったか?」
 の問いに、野依氏が、”考えたこともない”といった表情を示した。
(2)野依氏「研究者は論文作成でコピペをしたら1発でアウトだ」の発言の後に、
記者「でも、小保方さんを1発でアウトにしなかった。悪意なき場合は研究不正でないルールがあったからだ」
と突っ込まれた。
 それに対し、野依氏は反論しなかった。
返信する
Unknown (Unknown)
2014-09-02 14:54:31
8月31日付で日本再生医療学会が「STAP細胞研究に関するコメント」を出しています。まるで他人事のような。
理事長 岡野光男 : 副理事長 澤芳樹 : 理事 大和雅之

返信する
Unknown (Unknown)
2014-09-02 15:02:06
書き忘れていました。
日本再生医療学会生命倫理委員会委員長 西田幸二も。
岡野氏、大和氏、西田氏共に小保方さんとの角膜シート論文共著者
返信する
Unknown (Unknown)
2014-09-02 21:30:34



日本再生医療学会の白々しいコメント
     ↓
http://www.asas.or.jp/jsrm/announcements/140901.html
返信する
Unknown (Unknown)
2014-09-02 21:35:47


「200回作製に成功した」と言っていたが、
どうやら細胞が死ぬ時にみられる「自家蛍光」だとは気づかなかったようだな・・・・
大丈夫かよ・・・!????
返信する
Unknown (Unknown)
2014-09-04 16:16:21
またまた時間稼ぎをして、“有耶無耶ランディング”を目論んでいるのが見え見えですな。

それにいたしましても、マスゴミがセルシード関係の疑惑についてを全く追いかけようともしないのは、大手広告代理店から相当な圧力を受けているんだろうな・・・、と見受けられるのでありまする。

「広告をやらんぞ」は、マスゴミにはこたえまするぞ。

つまり、この事件関係者の中に大手広告代理店とつながる人物が存在しているわけだ。

それは誰だか皆さんもおそらくご想像がつくことでしょうね・・・。
返信する

コメントを投稿

難波紘二先生」カテゴリの最新記事