ある宇和島市議会議員のトレーニング

阪神大震災支援で動きの悪い体に気づいてトレーニングを始め、いつのまにかトライアスリートになってしまった私。

【漢字混じり文】難波先生より

2014-06-23 14:25:52 | 難波紘二先生
【漢字混じり文】
 「朝鮮日報」が「漢字を学ばない韓国、東アジアで孤立する」というソウル大学教授の意見を報じている。
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2014/06/19/2014061901739.html?ent_rank_news
 しかし「20年以上かけて数百冊に上る資料の電算化作業に取り組んだところ、基礎漢字1000字さえ理解すれば、漢文からなる文献のおよそ86%は読むことができる」というのは本当か。
 日本では小学校で教える「学年別配当漢字」が1,006字、これに1,130字が加わって「常用漢字」が2,136字、さらに「人名用漢字」が861字ある。合計2,997字になる。
 これは「JIS第一水準」の漢字とほぼ対応しているが、さらに「第二水準の漢字」3,390字があり、実際には合計6,355字が使われている。
「読める漢字」がこれだけあっても、例えば『日本書紀』(720年成立)を原文で読むのは難しい。
 「古天地未剖、陰陽不分、渾沌如鶏子、溟滓而含牙。」(巻1、神代 上)

 朝鮮で最も古い史書『三国史記』(1145年成立)も全文が漢字で書かれており、「基礎漢字1000字」で読めるわけがない。現に同じ「朝鮮日報」に、「キャンパスにあふれる漢字を読めない歴史学徒たち」という記事が載っている。
 http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2014/06/22/2014062200471.html
 「理科も漢字が分かれば、両生類は「陸地でも水の中でも生息できる生き物」、齧歯(げっし)類は「歯で物を齧(かじ)る生き物」、樹枝状細胞の「樹枝状」は「木の枝の形」の意味だとすぐに理解できる。だが、漢字を知らなければ単語を逐一丸暗記しなければならない。」ともある。
 これらはすべて「和製漢字術語」である。

 日本が朝鮮を併合した後、義務教育制度の普及と「京城帝大」、「大邱医専」など高等教育につながる学校制度を充実させた。小学校でも朝鮮語を教え、「漢字混じりハングル」で教育した。1910年日本が朝鮮を併合したときの朝鮮人識字率はたった6%であり、これが33年の統治により1943年には22%に伸びた。(呉善花『韓国併合への道・完全版』文春新書,p.240)
 日本統治が終わった後、李承晩初代大統領は1948年「ハングル専用法」を公布し、まず公文書から漢字を追放した。ついで1960年代の終わりに朴正煕大統領は、学校教育のカリキュラムから漢字を追放した。以後、ハングル派と漢字派の争いが続き、漢字教育が復活したり、再廃止されたりしたため、韓国では「漢字識字」が世代により「まだらになっている」と富田有恒はいう(『韓国が漢字を復活できない理由』,祥伝社新書)。

 梨花大学大学院朝鮮語科の金栄勲教授は『韓国人の作法』(集英社新書)で、「ハングルは世界一すぐれた文字で、インドネシアの話者8万人という少数民族チアチア族の公式文字として採用された」(p.31)と書いているが、事実ではないらしい。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%81%E3%82%A2%E3%83%81%E3%82%A2%E8%AA%9E
 「ハングル国粋主義者」の力がつよいうちは、韓国の漢字復活は難しく、多くの国民が独自に古典的な文献を読むことが不可能になり、国民の民度が下がるだろう。それは結局、亡国への道であろう。

 「東亜日報」はソウル大金容九名誉教授の「国家は独走、法は機能せず…韓国はまだ中世国家」という発言を伝えている。
 http://japanese.joins.com/article/781/186781.html?servcode=A00§code=A10
  「4カ国語に堪能な金容九教授は…大衆読者が驚くほどの衝撃的な発言をした。
 我々は依然として中世国家だ。
 19世紀に発生した国家的課題を我々はまだ解けていないというのが、長年の史料調査から得た憂国的診断だった。
 1890年に日本の首相・山県有朋が日本を主権線、朝鮮を利益線に配置したこと、1880年に李鴻章が国境概念を空間から線に切り替えて朝鮮を東三省に配属した発想が依然として残るが、韓国は万国公法にしがみついている。まだ19世紀の課題も解けず、21世紀をどう渡っていくのか。1930年代生まれの学者はこう声を高めた。」

 ここで「南朝鮮史」を英語圏がどう記述しているか見よう。
 「1876年、朝鮮は日本により開国を余儀なくなされた。6年後朝鮮は米国と通商条約を調印した。1895年、日本は朝鮮での日清戦争に勝利した。ロシアは朝鮮を併合しようとしたが、1905年日本により打ち負かされた。
 1910年、日本は朝鮮を植民地として正式に併合した。朝鮮人たちは日本統治に反抗した。1919年、亡命政府が蒋介石の指導下に上海に樹立された。
 1945年、第二次大戦が終わる直前に、ソ連軍が北部朝鮮に進駐した。1ヶ月後に米軍が南部に上陸した。両軍は朝鮮を横断する38度線を軍政の境界線とすることで合意した。」(「リーダース・ダイジェストAlmanac & Yearbook: 1982」)

 韓国紙は朴槿恵大統領の不支持率が支持率を上まわったと報じている。当たり前だろう。何でも手帳に書きとめ、人事もその手帳でやり、ブレーンを持たない、東条英機みたいな大統領が国民から愛されるはずがない。
 「河野談話」を実質破棄して「慰安婦問題」に決着をつけ、首相が電撃的に北朝鮮を訪問して、経済制裁の緩和や朝鮮総連建物の保全と引き換えに、拉致問題に進展がみられると韓国外交に破綻が生じるだろう。駐韓日本大使に一度も会わない現外務部長(外相)を更迭すれば、韓国「いいつけ外交」は破綻するだろう。韓国は今19世紀末と同様に歴史の岐路に立っている。
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