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卒業写真に写っている女子学生は旧姓DMさんと旧姓NKさんである。DMさんは同じく女子生徒だった旧姓TKさんと2人で今回の磐六会に出席された。そして同じクラスは同じテーブルという幹事さんのアレンジでお二人は私と同じテーブル、しかも私はお二人の横に座る幸運に浴した。DMさんは仙台の開業医の奥さん。TKさんも地元いわきの開業医の奥さんになっておられる。
同級生というのは有難いものである。在学中は殆ど言葉を交わしたことがなかったのに、昔からの親しい友人のように話ができる。
高校時代私達男子生徒はこのわずか5人の女子生徒と話をすることはなかった。DMさんもTKさんも平一中(平第一中学校)の出身であり、私達のクラスにも平一中から来た男子生徒は何人もいたのだが、この人達も女子生徒に話かけるという風景はなかった。意識が強すぎたのだろうか。
ある時、放課後私が一人で下校するのに校門を出たときに、この女子生徒達が3人ほどで、学校へもどって来るのに出会った。私は多少面食らってうつむき加減でやりすごうとした時に、この女子生徒達が笑顔を見せて「さようなら」と言ってくれた。その時、わたしは緊張しながらもやたらに嬉しかったのを思い出す。
私の高校時代の女子生徒との思い出はその程度のものであった。今の人に話したら笑われてしまうであろう。
高校二年のときだったろうか。私は、ドイツの作家シュトルムの「少女ローレ(原題 大学にて)」を読んでひどく感激したことがあった。その時、私はこの本をこっそりとDMさんの机の中に入れておくということを夢想したのである。
勿論、夢想しただけで実行することはなかったのであるが。
やはり16歳、17歳の少年にとっては、同じ教室に女子生徒が何人かいるということは、自然にひそかにあこがれの対象とするということである。(つづく)
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画像:筆者撮影