この懐かしき本たちよ!

まだ私の手元に残っている懐かしい本とそれにまつわるいろいろな思い出、その他、とりとめのない思いを書き綴りたい。

#515「ロクサーヌ姫の馬車に乗せられて」2

2008年09月21日 | 中学、高校

中学校の同窓会の通常行事のあと、気の合った友人とさらにもう1泊して昔話を楽しむことはよくあった。特に地元の名士になっているMT君がアレンジしてくれたものだ。

しかし今年の場合は、みんなの都合もあったのであろう、それはないのだということであった。

しかし、同窓会の宴会でみんなで一緒に飲んでいるときに、「ロクサーヌ姫」が私の前に来て「MT君が皆さんがもう一泊するか?」と聞いているがM君(私のこと)も参加するかと聞いていると私に言うのである。私は二つ返事でOKと言ったのだった。

次の日に、いつもは同じような場合に私達と一緒にもう1泊するS君に聞いたところ、それはせずに帰るという。彼は、健康上の理由で何ヶ月か前から酒を絶っているという。同窓会自体も欠席しようかと思っていたのだという。それならしかたがないな、と思って見たものである。しかし、どのような形で2泊目が企画されるか全くわからなかった。

みんながいる前で「ロクサーヌ姫」に、2泊目がどのようなアレンジになったのかをたずねるのも、気がひけてそのままになっていたのである。しかし、いずれにせよ、いつも2泊目に泊まるとまるホテルに行って待機していればなるようになるのだろうという私の考えであった。それで、1泊目の温泉宿で解散になったときに、宿屋のバスで列車で帰る友人達と最寄りの湯本駅まで行ったのである。通常2泊目で泊まるいわき市のホテルに一人で行って待っていれば、連絡がつくだろうと思ったのである。

湯本駅に行く宿屋のバスの中では、やはり今は神奈川県に住んでいるO君と一緒だった。O君は野球部で一塁手をやっていた。中学生のときには背の高い少年であったが今では私とあまり変らない。前日の記念写真のときには私達は隣同士で写っていた。それを確認して私はちょっと満足であった。

O君が私に、これからまっすぐ家に帰るのかと聞くので、どうしようかと思っているのだとぼかしたのである。O君も郷里にいるお姉さんのところによろうかどうしようかと考えているのだという。

私は「いわき」方面に行く列車の時間がせまったので、改札をすませてホームに入った。

するとしばらくしたら、O君がホームに入って来て私を呼ぶのである。

「おお。よんでっと。(おい。呼んでいるよ。の意)」と彼が笑いながら言う。ちょっと片目をつぶって言っている。

改札口から外に出て見ると、「ロクサーヌ姫」が馬車、いや、車から降りて私を待っていたということである。私が駅に来ていないかをみんなに聞いたのであろう。
そこで、O君がホームに私を呼びに来てくれたのであろう。

「ロクサーヌ姫」にとっては幸いなことに、「ロクサーヌ姫」は一人ではなくその馬車ならぬ自動車の中には、Y子姫とR子姫も乗っていたのである。もしロクサーヌ姫が一人だったら、O君はあらぬ憶測をしたかもしれない。

私は湯本駅の待合室にいるO君や他の友人にあらためて別れの挨拶をして、かなり照れながら、「ロクサーヌ姫」の馬車に乗ったというのが、経緯である。

そして、私は3人のご婦人にかこまれて馬車ならぬ車で「いわき」の町に走っている、というわけである。
                     (つづく)←クリック
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画像;筆者撮影



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